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第97回選抜高校野球 浦和実きょう準決勝/甲子園の先輩もエール

初の決勝進出懸け智弁和歌山戦

 第97回選抜高校野球大会第10日は28日、兵庫県西宮市の甲子園球場で準決勝2試合が行われる。対戦カードは第1試合(11時)が健大高崎(群馬)―横浜(神奈川)、第2試合(午後1時30分)が智弁和歌山―浦和実
 休養日となった27日、浦和実の選手たちは同市の津門野球場で午前9時40分から正午まで練習を行い、午後は各自、対戦校の試合を分析するなど対策しながら、翌日に備えた。
 春夏通じて初出場の甲子園で3勝を挙げ、4強に名を連ねた浦和実はここまで34安打23得点、6失点。辻川正彦監督は、「心配で眠れない。でも甲子園で智弁和歌山と準決勝。これはすごいことなので楽しみたい」と勢いそのまま、決勝進出を狙う。

 

強豪相手に武者震い

リラックスした表情で入念にストレッチを行う浦和実の選手たち=27日午前、兵庫県西宮市の津門野球場

 

 チームは休養日の27日、兵庫県西宮市の津門野球場で午前9時40分から正午まで練習を行い、28日の準決勝・智弁和歌山戦に備えた。辻川監督は「勝った瞬間から準決勝のことを考えている。勝って気持ち良かったけれど恐ろしさの方が強い」。西の横綱と呼ばれる甲子園常連校との対戦に武者震いしている。
 この日は「積極的休養」を取ることを第一に、選手たちは40分かけて入念にストレッチや柔軟、ウオーミングアップを行い体をほぐした。練習は短時間のノックに個人ノック、素振りなど最小限で調整。午後は各自で相手校の動画を見て、それぞれ分析する時間に当てるなどゆっくり準備を整えた。
 春夏通じて初出場での4強入りは、14年の豊川(愛知)以来、11年ぶり。準々決勝・聖光学院(福島)戦で記録した延長十回の8得点は春夏通じてタイブレークの1イニング最多得点となった。準々決勝の26日夜には、辻川監督の元にメールや交流サイト(SNS)で約400の祝福が届いたという。
 頂点が見えるところまで来たが、まずは智弁和歌山戦。6種の変化球を自在に操る渡辺、最速150㌔超えの宮口の右腕二枚看板を打ち崩せるか。3試合で3本の三塁打を含む7安打と好調の2番佐々木は「良いピッチャーほど燃える。自分のやることは変わらない」と強気な姿勢だ。
 ここまで18回を投げ、無失点の左腕石戸は「相手は強打のイメージ。やってみないと分からないので、どこまで通用するか楽しみ」。緊張や気負いを一切感じさせない度胸あるピッチングに期待したい。

 

さいたま市職員の甲子園の先輩 浦和実にエール

 選抜高校野球大会で浦和実業学園高校の準決勝進出を受けて、地元のさいたま市職員として働く〝甲子園の先輩〟もエールを送る。
 人材育成課課長の星野豊さん(54)は、1988年の夏に埼玉大会をノーシードから勝ち上がって甲子園に初出場し、ベスト4まで勝ち進んだ浦和市立(現市立浦和)高校のエース右腕。同じ浦和勢ということと、神懸かり的な試合の連続で当時「ミラクル市高」と評された戦いぶりとも重なり、ネット上には「37年前の浦和市立みたいだ」「星野投手を思い出す」と数多く投稿されたり、テレビの解説者も「星野投手」の名前を出すなど話題となっている。
 星野さんは「試合のことはほとんど覚えていないが、勝てると思っていなかったので無欲だった」と当時を振り返る。快進撃を続ける浦和実に対しては「昭和の出来事で、僕たちの頃とは高校野球のレベルも違うので…」と前置きした上で、「今の時代にここまで勝ち進めるのだから素晴らしいチームということは間違いない。できるだけ疲れを取って、頂点目指して頑張ってほしい」と期待を込めた。
 観光国際課観光振興係係長の旗手輝さん(49)は、93年の春の甲子園に初出場を果たし、準優勝した県立大宮東高校で三塁コーチャーを務めていた。初戦から準決勝までの4試合、終盤の逆転勝ちや延長サヨナラ勝ちなどしびれる展開続きで、こちらも「ミラクル大宮東」と言われた。旗手さんは「1回勝って校歌を歌おうが合言葉だったので、それを達成して2試合目からはリラックスしてプレーできた。無欲だったのが良かった」と回想する。ピンチにマウンドに伝令で向かった際もチームメートは笑顔だったという。
 浦和実の駒木根琉空投手の弟と旗手さんの長男が、中学硬式野球チーム「越谷ボーイズ」のチームメートという縁もあり、旗手さんは「ここまで来たら、一試合でも多く甲子園を楽しんでほしい」と言葉を贈った。

 

=埼玉新聞2025年3月28日付け1、8、19面掲載=

 

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