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外国人講師招き国際学習ー草加南高校

多様性の理解深める

インド人のディプティ・アナンダ・ムルティさん(右から3人目)から民族衣装を着せてもらう生徒たち=県立草加南高校

 

 県立草加南高校は3月19日、外国人講師を招いた国際理解教育のための「カラー・デー」を行った。多文化・多様性への理解を深めようと、560人の生徒たちはこの日、私服で通学。県国際交流協会から派遣された12カ国14人の講師から「世界へのトビラ」という名の授業を受けた。
 授業は、クラスごとに多文化体験のプログラムが繰り広げられ、母国と日本での体験に基づく多様性への理解を生徒に伝えた。アルゼンチン出身の日系人、西川ナンシさんは来日してからの苦難の道のりを語り、「人を見た目で判断せず、ルーツや生活を通して見ることの重要性」を説いた。現在通訳で活躍する自身の姿も紹介。熱意あふれる授業に聞き入る生徒を見た前津真希教諭は「アイデンティティーを考える、いい機会になった」と強調した。
 生徒たちは、中国の太極拳や香港のヌンチャク、ロシア、パラグアイの民族舞踊などに挑戦。インドネシアや中国の昔遊びも楽しんだ。インドの民族衣装を腰に巻いたクラスメートを見て「インド旅行に絶対着たい」と声を上げた生徒もいた。地理を踏まえたマレーシアの多民族と宗教の話、中国や香港の漢字の違い、各国の学校システムなど、多岐にわたる授業内容に生徒は真剣に耳を傾けた。
 韓国人のキム・ナムシムさんは、日本在住31年間で障害のある子を個性を認めながら育てた。上野環さん(16)は、ドラマとの違いなども肌で感じながら、「自分の中の価値観を大事にしながら、互いの多様性を認め合うことでいいのだという自分の考え方に自信が付いた」と、目を輝かせた。
 鳴瀬千秋教諭は「生徒たちは、カラー・デーを楽しみながら、多様性や他文化への理解を知らないうちに身に付けるだろう」と、話した。

 

「スープを食べる」という独自な韓国語の使い方などを生徒に説明する韓国人のキム・キョンウンさん

 

=埼玉新聞2025年4月2日付け9面掲載=

 

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学校の特徴~学校からのメッセージ2024~

草加南高校は、普通科と外国語科を併置した学校です。外国語科を有する本校は、ALTの2人配置、国内語学研修と海外語学研修の実施、留学生の積極的な受入れなど、日常的に英語でのコミュニケーションや異文化理解に接する環境があります。部活動も盛んで、14の運動部と11の文化部が活動している活気あふれる学校です。きめ細かな進路指導により多くの生徒が実りの多い進路実現を果たし進学しています。

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