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春季高校野球関東大会 浦学準々決勝へ

(19日・ひたちなか市民球場ほか)

 第2日は2球場で2回戦4試合を行い、県勢は県大会優勝で23度目出場の浦和学院が帝京三(山梨2位)を2―0で退け、準々決勝に駒を進めた。同準優勝で初出場の叡明は山梨学院(山梨1位)に6―6からの延長十回タイブレークの末、6―7で惜敗した。
 浦和学院は二回、吉田、林田の連打で1死一、三塁の好機を築くと、落合がスクイズを決めて先制。1―0の八回には代打鈴木が左越え二塁打を放ち、玉木の二ゴロの間に追加点を挙げた。投げては先発吉井が7回無失点と好投。八回からはエース岡部がマウンドに上がり試合を締めた。
 叡明は0―1の四回に青木、田口の2連打などで2点を奪い逆転に成功。2―5とされた七回、代打本間からの5連打で4点を追加して再びリードした。6―6で突入したタイブレークの延長十回に先頭の青木が左前打で無死満塁としたが、後続に一本が出なかった。
 準々決勝は第3日の20日、第4日の21日にそれぞれ2試合を行う。浦和学院は21日、今春の選抜高校野球大会を制した横浜(神奈川1位)と対戦する。

 

 浦和学院は先発右腕吉井とエース左腕岡部の無失点継投で帝京三を2―0で下した。
 浦和学院は二回、1死一、三塁から落合がスクイズを決めて先制した。主導権を握ると、吉井が7回を投げて被安打5、7奪三振の好投で試合をつくった。八回に鈴木の二塁打などで追加点を挙げると、8回からは岡部が安定した投球で相手打線を無失点に抑えた。

 

投手奮闘 価値ある1勝

浦和学院―帝京三 7回を5安打無失点に抑えた浦和学院の先発吉井=ひたちなか市民球場

 

 県王者の浦和学院は、投手陣の奮闘で、優勝した2022年以来の初戦突破。先発吉井、エース岡部が完封リレーで、小技などを絡めて奪った2点を守り切った。森監督は「投手の頑張りを評価したい。難しい展開の試合を勝ち切って、価値のある1勝になった」とほっと一息ついた。
 県大会で見せた圧倒的な打力は影を潜めた。二回に落合のスクイズで1点を先取するも打線は相手の軟投派左腕に七回まで単打5本と苦戦。西田は「序盤に打てず、焦りが出た」と120㌔半ばの直球と90㌔台の変化球の緩急に手を焼いた。
 それでも1―0の八回に控え選手が奮起した。代打鈴木は「どんな形でも塁に出る。流れを絶対に持ってくる」とフェンス直撃の二塁打。続く石田の犠打で代走服部が際どく三塁を陥れると、玉木の内野ゴロで貴重な2点目をもぎ取った。
 関東の初戦は雨の影響で試合開始が約2時間遅れ、調整に戸惑った。打線の不発や守備の乱れなど今後の課題は多い。主将の西田は「どんなイレギュラーでも万全に臨む。またアグレッシブに戦いたい」と次戦で今春の全国覇者横浜に挑む。

 

5安打無失点 輝く背番号10
先発・吉井

 浦和学院の先発吉井が輝きを放った。常時130㌔台後半の直球を主体に、5種の変化球を低めに集めて7回5安打無失点。試合をつくった背番号10は「落合の配球通りに投げ切れた。制球が良く、球数も抑えられた」と充実感をにじませた。
 試合の中盤には県大会からの成長を示す場面が訪れた。六回に招いた満塁のピンチは、準決勝の川越東戦と重なった。「県で打たれた場面が頭をよぎった。ここを抑えたら成長できる」と窮地をしのぐと、大きなガッツポーズが飛び出した。

 

 

叡明、延長TBで惜敗

 叡明は2度勝ち越したが、延長タイブレークで山梨学院に惜敗した。
 叡明は2―5の七回、苫の右前打を契機に好機をつくり、細沼、長島、根本、青木の4者連続タイムリーで4点を奪い逆転した。五回から登板の3番手田口が好投し試合をつくったが、八回に1点を失い振り出しに。延長十回の無得点に終わった攻撃が痛かった。

 

敗戦も誇る終盤集中打

山梨学院―叡明 7回表叡明1死一、三塁、根本が左中間へ適時二塁打を放ち同点。捕手横山=ノーブルホームスタジアム水戸

 

 関東大会初出場の叡明は延長十回タイブレークの末、山梨学院に競り負けた。中村監督は「選手たちの集中力が高く、全国クラスの強豪相手によくやってくれた」と全力でぶつかったことを評価し、集中打で挙げた終盤の得点を誇った。
 2―5で迎えた七回の攻撃は鮮やかだった。先頭の苫が右前打で出塁し、高野の犠打で好機を広げると、本間が左前打で続き、細沼、長島の連続適時打で1点差。さらに根本の左中間を破る適時二塁打で同点とし、青木の左前適時打で勝ち越した。
 主将の根本は「格上相手によく戦った。けれど終盤は相手に勢いを与えてしまった」と悔やんだ。七回1死から登板した140㌔台後半を連発した相手投手から11三振を喫し、根本は「今まで対戦したことのないピッチャーだった」と脱帽した。
 甲子園常連の強豪相手に善戦した。今春は増渕、田口の両右腕が試合をつくって快進撃を続けた。中村監督は「3人目の投手を整備したい」と次の舞台を意識する。県準優勝で関東大会に初出場した春から進化を遂げ、夏に再び強い姿を見せる。

 

シュアな打撃 3安打と躍動
2年青木

 2年の青木がチーム唯一の3安打。七回には一時勝ち越しとなる左前適時打を放った。「タイミングをうまく合わせられた結果」とシュアな打撃を見せ、チームの5連打目とした。守っては捕手として投手陣をリードし、役割を全うした。
 これまで背番号2を付けていたが県大会準優勝後の練習試合で守備のミスが続き、今大会は背番号12に変更。「打撃を評価してくれたと思う」と中村監督の起用に応えた。今後に向け、自慢の打撃に加え配球面など守備の強化も図る。

 

=埼玉新聞2025年5月20日付け7面掲載=

 

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