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関東高校大会 サッカー 第1日 第2日 結果 

【第1日】

A組 成徳大深谷が初戦突破

B組 武南、佐野日大下す

(第1日、24日・浦和駒場スタジアムほか)
 各都県予選の1位チームで争うA組1回戦4試合、同2位チームによるB組1回戦4試合の計8試合を行い、県予選を制し2大会連続3度目出場でA組の成徳大深谷が法政二(神奈川)を延長の末、3―2で退け準決勝に駒を進めた。県予選2位で2大会ぶり23度目出場のB組の武南は佐野日大(栃木)を1―0で破り、同組準決勝へ進出した。
 成徳大深谷は前半30分、川上のゴールで先制したが後半13分に同点とされた。両チーム延長前半に1点ずつを加え、2―2で迎えた延長後半9分、菅井が決勝ゴールを決めた。
 武南は前半、シュート6本を放つも無得点。後半15分に関口が挙げたゴールを守り切った。
 各組準決勝は第2日の25日に4試合を行う。A組の成徳大深谷は第一学院(茨城)と対戦。B組の武南は東洋大牛久(茨城)と顔を合わせる。

 

<A組1回戦 成徳大深谷ー法政二>

 成徳大深谷が延長の末、法政二に3―2で競り勝った。
 成徳大深谷は前半30分、MF白川からのパスをFW川上が右足で合わせて先制に成功。後半13分に1点を失い、振り出しに。延長前半2分、白川のFKにFW鈴木が頭で合わせ、勝ち越した。同追加タイムに追い付かれ、2―2で迎えた同後半9分、MF菅井が決勝ゴールを奪った。

 

執念結実 熱戦制す

A組1回戦 法政二―成徳大深谷 延長後半9分、決勝ゴールを決め、駆け出す成徳大深谷の菅井(7)=浦和駒場スタジアム

 

 成徳大深谷は地元埼玉開催の関東大会で最後まで攻めの姿勢を貫き、ゴールへの執念が実を結んだ。延長までもつれた熱戦を制し、為谷監督は「立ち上がりはうちのペースだったけれど、こんな試合になると思っていた」と振り返った。
 前半から川上を中心にゴール前に迫った。同30分に白川のパスを受けた川上が右足でゴールネットを揺らし先制した。「(白川)成夢のパスが良かった。落ち着て決められた」と自身のゴールとチームの勝利に笑みがこぼれた。
 だが神奈川1位の相手は粘り強かった。先制しても追い付かれ、延長前半に鈴木のゴールで勝ち越しても、再度同点とされた。為谷監督がPK戦も考え始めたという延長後半の9分に菅井が決勝ゴールを決め、点の取り合いに終止符を打った。
 攻撃陣だけでなく、指揮官はGK本田の働きも評価。前への飛び出しと精度の高いキックで攻撃の起点となった。本田は「集中力を切らさず戦った」と自身の役割を全うした。接戦を制した勢いそのままに関東王者へ駆け上がる。

 

疲れ知らずの殊勲弾

 2―2で迎えた延長後半9分、菅井がゴールで勝利を手繰り寄せた。先発出場し、疲れが見え始める時間でも果敢にオーバーラップして得点につなげた。「サイドアタックに自信がある」とリーグ戦を除いて、公式戦2点目を記録した。
 関東大会はレベルの高さを感じながら「常に得点に絡む選手になりたい。1対1に課題はあるが、守備でも無失点につながるようなプレーをしたい」と目標を掲げる。推進力を備えたスピードを強みとし、次戦もピッチを駆け回る。

 

<B組1回戦 武南ー佐野日大>

 細かいパスワークで相手守備陣を崩した武南が佐野日大を1―0で退けた。
 武南は序盤から球際の争いに勝利して攻勢を仕掛けた。前半からシュート6本を放ち、優位に進めたが決定打が打てず。同33分には相手のロングスローからピンチを招くもGK金昶銖の好守で阻んだ。0―0の後半15分、MF関口が右足を振り抜き、決勝点を奪った。

 

成長示した無失点

B組1回戦 佐野日大―武南 後半15分、武南の関口(左)が決勝ゴールを決める=埼玉スタジアム第3グラウンド

 

 武南が県予選からの成長を示した。GK金昶銖を中心とした堅守で無失点。相手が駆使したロングボールにも食らい付いた。内野監督は「疲労がある中でよく頑張った。しかし内容はまだまだ。高いレベルとは戦えない」と厳しく評価した。
 開始から球際の強さでボールを保持した。前半からシュート6本を放つなど攻勢が続いた。ゲーム主将の有川は「中盤でボールを取った後の展開力がよかった」と手応えを得た。辛抱強く攻め込むと、後半15分に関口が決勝点を決めた。
 県予選は4試合11失点と守備面を課題とした。17日の県S1リーグで公式戦9試合ぶりに無失点で勝利。2試合連続で零封の堅守を発揮し、金昶銖は「後ろの安定感が出てきた。大きな課題を少しずつ改善できている」と好感触をつかんだ。

 

後半投入に奮起 役目全う決勝弾
関 口

 後半開始から投入された関口が起用に応えた。左サイドから中央に切り込むと、同15分に決勝弾を放った。「点を決めることだけを考えた」と相手守備陣との混戦で、迷わず右足を振り抜いた。
 武南ジュニアユース出身のドリブラー。県予選は全4戦で途中出場して1得点と決定力がある。「出たからには点を決めて、流れを変えるだけ」と役目を全うした。

 

【第2日】

A組 成徳大深谷 決勝逃す

B組 武南はPK戦勝ち

(第2日、25日・埼玉スタジアム第2グラウンドほか)
 各都県予選1位チームで争うA組準決勝と同2位チームによるB組準決勝の計4試合を行い、県予選を制し、2大会連続3度目出場でA組の成徳大深谷は第一学院(茨城)に1―2で敗れ、決勝進出を逃した。県予選2位で2大会ぶり23度目出場のB組の武南は東洋大牛久(茨城)に1―1からのPK戦の末、勝利して決勝へ進出した。
 成徳大深谷は前半30分に先制点を献上。後半27分、頓宮のゴールで同点としたが1―1で迎えた同32分、勝ち越しゴールを許した。
 武南は1点を追う後半32分、渡辺のゴールで同点とした。延長は両チーム無得点。1―1で迎えたPK戦を制した。
 各組決勝は26日に実施し、B組の武南は帝京三(山梨)と顔を合わせる。

 

<A組準決勝 第一学院ー成徳大深谷>

 成徳大深谷は何度も決定機をつくったが、第一学院に1―2で敗れた。
 成徳大深谷は序盤から鈴木、一瀬の両FWを中心に攻勢を仕掛けた。決定打に欠くと前半30分に先制点を許した。後半はDF山谷のロングスローを起点にゴール前へ迫り、同27分にFW頓宮が山谷の左クロスを頭で合わせ同点としたが、同32分に決勝点を奪われた。

 

後半失点 集中力足りず

A組準決勝 成徳大深谷―第一学院 後半27分、成徳大深谷の頓宮(中央上)が山谷の左クロスに頭で合わせ、同点ゴールを決める=埼玉スタジアム第2グラウンド

 

 成徳大深谷は前日の法政二(神奈川)戦から先発メンバー5人を入れ替え準決勝に臨んだが、1―1で迎えた後半32分に勝ち越しゴールを許し、1点の重みを痛感する敗戦となった。主将の朝烏は「集中力が足りなかった」と肩を落とした。
 前半に1点を失うも後半から山谷のロングスローを起点に相手ゴール前での時間が増すと、同27分に途中出場の頓宮が山谷の左クロスを頭で押し込み追い付いた。山谷は「頓宮が中にいたので、狙って蹴った」と好アシストした。
 同点とし試合の流れを引き寄せたが、2失点目は相手のロングボールに対し、DF陣とGK植木の連係ミスでボールがゴールへと吸い込まれた。山谷は「この失点が敗因。チャンスでも決めきれなかった」と個々の役割の明確化を図っていく。
 県予選、今大会を通じて多くの選手を起用し、31日から始まるインターハイ県予選へ向けて手応えをつかんだ。朝烏は「この大会で成長することができた。今後は無駄な失点を防ぎたい」と力を込め、次大会でも県の頂点を狙う。

 

途中出場直後の同点弾

 後半27分から途中出場の頓宮はピッチに入った直後、山谷の左クロスに頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。「ベンチで試合を見ていてどうにかしたかった」と気持ちを高め、一時同点となる一撃でチームを盛り上げた。
 身長188㌢の大型ストライカー。「競り合いに自信がある」とゴール前の混戦では頭一つ抜き出た空中戦を得意とする。「山谷が練習でクロスを上げたりしてくれた」と日頃の成果を強調した。短い出場時間の中で力を出し切った。

 

<B組準決勝 武南ー東洋大牛久>

 武南はシュート計18本を放つなど終始攻撃の時間を続け、1―1からのPK戦で東洋大牛久を退けた。
 武南は前半に3度あった決定機を逃すと、同29分にCKから失点した。0―1で相手が守りの陣形を固めると、後半以降は一方的な攻勢が続いた。後半32分、MF関口のパスをMF渡辺がダイレクトでゴールに流し込み、同点に追い付いた。

 

攻めあぐね辛勝

B組準決勝 武南―東洋大牛久 後半14分、武南の塚田(左から2人目)がシュートを放つ=埼玉スタジアム第3グラウンド

 

 武南がPK戦の末に、決勝進出を決めた。100分間で放ったシュートは18本。決定力を欠き、延長までに勝ち切ることはできなかった。内野監督は「ミスが多くて出す手の選択肢が狭まった。つまらない試合をした」と内容に不満を示した。
 果敢な攻めは0―1の後半に実を結んだ。攻めあぐねた前半から布陣を変更。左の渡辺が前線に上がり塚田との2トップを組むと、背後への裏抜けなど、攻撃陣が活性化した。一方的な攻勢が続いた同32分、渡辺のゴールで追い付いた。
 今大会の目標の一つが決勝進出だった。決勝の舞台は31日に開幕する県高校総体の準決勝・決勝と同じNACK5スタジアム大宮。塚田は「全国を目標とする上で同舞台は貴重な経験となる。勝って弾みをつけたい」と帝京三戦を見据えた。

 

ミス挽回の同点ゴール

 武南の渡辺が勝利につながる貴重な同点ゴールを奪った。0―1の後半32分、「前半のミスが失点に絡み、なんとしても取り返そうと考えた」と関口のパスに右足でダイレクトで合わせた。
 左サイドで先発出場。後半から2トップの一角を担い、チームの戦術に幅を持たせた。「自分は最後まで走れる。各ポジション、いい形で戦えた」と胸を張った。

 

=埼玉新聞2025年5月25日付け9面、26日付け6面掲載=

 

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