基本の大切さ伝える
蹴りの指導をする嶋田力斗選手(中央)=6月29日、さいたま市見沼区の大宮武道館
昨年12月の全日本空手道選手権の男子個人組手で初優勝を飾った嶋田力斗選手(25)=さいたま市見沼区出身、埼玉栄高出、丸喜運送店=が6月29日、同区の大宮武道館で講習会を開催した。嶋田選手は小学3年~高校2年を中心に、参加した約110人に普段から意識している基本の大切さを伝え、受講生は世界一を見据える一流の技に真剣なまなざしを向けた。
参加者らと記念写真に納まる嶋田力斗選手(中央)。左は大宮武道館の天野尚文館長
嶋田選手は小学1年から大宮武道館などを鍛錬場所にしている「研誠會」で空手を始めた。市立片柳小、片柳中と進み、埼玉栄高3年の時に世界ジュニア選手権で金メダルを獲得する快挙を達成。シニアでは昨年が大きな飛躍の年となり、アジア選手権で金メダル、全日本選手権では悲願の日本一に輝いた。道場の代表で大宮武道館の天野尚文館長(68)が、京都を拠点に練習している教え子の嶋田選手に講習会を依頼し、地元での開催が初めて実現。天野館長は「感慨深い」と喜んだ。
講習では嶋田選手が日頃から意識するステップ、刻み突き、蹴りの基本と応用を伝えた。ステップでは頭の位置を変えず小刻みに足を動かすことを意識。嶋田選手の武器の刻み突きでは入りの速さ、蹴りでは姿勢などを強調した。
研誠會所属でいずれも小学6年の前田佳蓮選手(11)と上村佳代選手(11)は、「嶋田選手からたくさんのことを習ったので出場する全国大会に生かしたい」と声をそろえた。埼玉栄高空手部2年の井上蒼介選手(16)は、得意技の蹴りの繰り出し方が特に勉強になったそうで「力斗先輩は大きな憧れであり、目標。自分も世界で活躍する選手になりたい」と目を輝かせた。
嶋田選手は圧倒的なスピードと力強さが特長。身長173㌢で海外勢と比べて小柄だからこそ「動きのロスを減らすことが重要」と、より基本を大切に取り組んでいるという。空手を始めた原点の地での指導に「懐かしいし、率直にうれしい」と笑顔が弾けた。
今年の目標に12月の全日本2連覇とともに11月の世界選手権(―84㌔級)初制覇を掲げる。2年前は5位と悔しさを味わっただけに、「もう一歩、しっかり勝ち切れるように最後の粘り強さを発揮したい」と力を込め、「これからも応援してくれる方々への感謝の気持ちを忘れずやっていく」と決意を新たにした。
=埼玉新聞2025年7月2日付け10面掲載=
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