叡明ナイン 激闘の後
叡明は1回戦翌日の8日、やり切ったという達成感を顔に浮かべ、大阪を後にした。第107回全国高校野球選手権大会は初戦で津田学園(三重)に延長十二回タイブレークの末、4―5でサヨナラ負け。初出場の甲子園は記憶に残る熱戦となった。
目標であった甲子園1勝の壁は厚かった。3度目出場の津田学園を相手に幾度となくピンチをしのぎ、粘り強く食らい付いた。息詰まるタイブレークの攻防は、一球ごとに球場がどよめいた。中村監督は「最後は経験値の差。ミスが多かったが、叡明らしさは出せた試合」と振り返った。
叡明側アルプススタンドからは約千人の声援が響いた。140人の吹奏楽部員が現地入りし、演奏で選手たちの背中を押した。中村監督は「いつも変わらない大きな声援はとても力になった。同じ学校の生徒が中心になっていて誇りに思う」と感謝を口にした。
学校に寮や室内練習場はない。メンバー20人中、19人が県内の中学校から野球部に入部した。現チーム発足直後の秋季県大会は3回戦敗退。決して力のあるチームではなかった。主将の根本は「ポテンシャルがある選手がそろわずとも、チーム一丸で戦えば大きな力にも立ち向かえると希望を示せた」と誇らしげに語った。
試合当日、地元越谷の商業施設「イオンレイクタウン」ではパブリックビューイングが開かれ、市民たちが画面越しに声援を送った。地域に根付き、地元に愛される叡明野球部。田口は「応援してくれた越谷の方や関係者の方にもたくさんの影響を与えられたと思う。胸を張って帰りたい」と集大成の夏を終えた。
ホテルの従業員へ感謝を伝える主将の根本(前列右から3人目)ら叡明の選手たち=8日午後、大阪市淀川区内
最高の3年間だった
①増渕隼人投手
テレビで見ていた光景を自分の目で見ることができて感動した。つらかったけど、チーム全員で戦い、最高の3年間だった。
楽しくプレーできた
②青木柚吾捕手
夢の舞台に立つことができて幸せな気持ちでいっぱい。どんな状況になっても、自分たちらしく楽しんでプレーできた。
次は「1勝」を目指す
③赤城翔一塁手
甲子園では球場の大きさや迫力、歓声の大きさなど全てに驚かされた。次は今回果たせなかった甲子園の1勝を目指す。
夢の舞台全力出した
④細沼慶聡二塁手
小さい頃から夢だった舞台で全力を出し切れた。最高の経験だった。後輩には自分たちができなかった1勝をしてほしい。
「出場」という恩返し
⑤高野歩三塁手
チームが一つになって甲子園に出場できてうれしかった。いろいろな方に、甲子園出場という形で恩返しができてよかった。
試合できたこと誇り
⑥田口遼平遊撃手
これまで経験したことのない歓声と素晴らしい球場で試合ができたことは誇り。力がなくても勝てることを証明できた。
プレーでき思い出に
⑦三枝塁左翼手
小さい頃からの目標だった甲子園でプレーできていい思い出になった。楽しいこともつらいことも仲間と一緒に経験できた。
応援の力感じた場所
⑧根本和真中堅手
球場が力を引き出してくれるような感覚があった。本当にすごい場所だった。応援の力もすごく感じて最高の舞台だった。
スピード感ある場所
⑨笘大悟右翼手
とにかくスピード感があり、ものすごい場所だった。ノックから自分たちのペースに持っていくことができず反省が残った。
これからいい投球を
⑩鈴木隆夢投手
メンバーに入ったからには、いつでも投げる気持ちでいた。勇気をもらったので、これからは自分がいい投球をしたい。
最後まで全員野球を
⑪田村響希投手
試合に出場することはできなかったが、最後まで全員野球ができた。つらいこともあったが、楽しく野球をすることができた。
粘り強い野球できた
⑫林舜朔捕手
ずっと憧れた場所でプレーすることができて楽しく、いい経験になった。最後まで自分たちらしい粘り強い野球ができた。
人生で最高の思い出
⑬梅木太賀内野手
3年間つらいことも多かった。甲子園という舞台でたくさんの人の前で野球ができて、人生で最高の思い出になったと思う。
あっという間だった
⑭山口稜久内野手
小さいころから夢見た場所で試合ができて楽しく、あっという間だった。最後までみんなで一つになり、全員野球ができた。
悔しさ忘れず来年も
⑮鈴木彩生内野手
3年生と長い時間一緒に野球ができて楽しかった。いい経験ができたので負けた悔しさを忘れずに、来年また戻ってくる。
来年リベンジしたい
⑯長島輝平内野手
小さいころからテレビで見ていた甲子園に自分がいるのは信じられなかった。来年、甲子園に帰ってきてリベンジしたい。
次は自分たちの代で
⑰本間健太内野手
サヨナラ負けは悔しかったが、3年生とプレーできた時間が本当に楽しかった。次は自分たちの代で甲子園を目指したい。
甲子園は素晴らしい
⑱樋上颯外野手
最初で最後の甲子園は試合に出られなかったが、一塁コーチャーとして全力でやれた。甲子園は素晴らしい場所だった。
甲子園はまさに聖地
⑲宇野龍輝外野手
甲子園はまさに聖地だった。初めて球場に圧倒された。長いようで短い3年間。自分たちの野球を見せることができた。
チームメートに感謝
⑳鍋島暖和捕手
(一夜たった)今でも実感がなく、夢みたい。全力で戦えたので悔いはない。つないでくれたチームメートに感謝したい。
=埼玉新聞2025年8月9日付け7面掲載=
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学校の特徴~学校からのメッセージ2025~
2015年に校名を「叡明高等学校」に変更し、校舎を越谷レイクタウンへ移し、男女共学校として生まれ変わりました。地域連携では毎年越谷市の阿波踊りに参加したり、「自主自立」を掲げる校風のもと、生徒自身が各種行事へ参画し、企画運営を行ったりと、校内は常に活気に溢れています。
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