仲間との絆 歓喜導く
7月下旬に広島県で開催された全国高校総体(インターハイ)陸上の女子投てきで3年生4人が、優勝二つと4位二つを積み重ね、初の総合優勝を果たした西武台高校(新座市)。顧問の羽尾邦夫教諭は、「個人個人が、インターハイまでに、やるべきことをこなし続けてきたことが実を結んだ」と振り返る。
創立以来、初のインターハイ女子総合優勝を果たした西武台高校陸上競技部の(左から)羽尾邦夫教諭、益井莉桜さん、米川佳里奈さん、近田ココさん、舘明日香さん=新座市中野2丁目の西武台高校
大会実施前日に、暑熱対策のため、フィールド種目では試技数を減らすことが決定した。急なルール変更によって有力選手が予選で姿を消すなどの波乱が起きていたという。同校選手たちは冷静だった。投てきでは全国常連校であるものの、専用グラウンドのない同校陸上競技部の練習時間は、強豪校に比べて約2時間と少ない。大事にするのは「一発で勝負を決めること」。そんな日々を送る部員たちだから変更にも動揺がなかったという。
総合優勝の要因は、これまで培ってきた部の風土もある。「信じられる仲間が待っているからこそ、気持ちを強く持って試合に臨めた」と円盤投げで優勝した近田ココさん(18)。砲丸投げで優勝し「女子部員たちを引っ張る存在」と羽尾教諭が評価する米川佳里奈さん(18)は、歴代から根付く部の特徴を「自分に厳しくても、仲間には優しくできる人が集まってくる。だからこそ部員間の結び付きも強い」と話す。
創部以来初の快挙を成し遂げた部員たちは、既に先を見据える。「(9月下旬に行われる)U20に向けて切り替えている。大学でも競技を続けていきたいので、引き続き自分と向き合っていきたい」と円盤投げ4位入賞の益井莉桜さん(17)。
高校から競技を始め、今回ハンマー投げ4位入賞の舘明日香さんは、「新しいことに挑戦すること、諦めないことの大切さを3年間で学んだ。大学では競技は続けないが、新しいことに挑戦したい」と話す。
スポーツに特化した学習支援コース「アスリート・ユニコース」の設置を予定する同高の佐賀博校長は、「校内、そして地元にも応援されるような部活動運営を目指していきたい」と意気込む。
=埼玉新聞2025年9月9日付け11面掲載=
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