埼玉新聞社 高校受験ナビ

教育関係者対象説明会参加レポート⑱花咲徳栄高校

2025年9月26日配信

少人数教育で多様な進路に対応

一歩先を行く「ICT教育&協働学習」

 

校長が語る学校の基本方針

 説明会の冒頭で関正一校長から、花咲徳栄高校の基本的な特色が紹介されました。同校では平均30名の少人数体制を導入し、一人ひとりに目が届く学習環境を整えているとのことでした。

 専任教員を多く配置しているため、安定した授業運営と、きめ細やかな生徒指導が実現されているとのことです。関校長は、こうした体制が学校全体の教育推進力を高めているとお話をされていました。

 

多彩なコースと進路対応

 続いて高橋晃一教頭から学校全体の概要が説明されました。

 花咲徳栄高校には普通科と、専門学科である食育実践科があり、普通科はαコース、アドバンスコースの2コースに分かれています。全体で50クラス、44の部活動を有する大規模校です。

 普通科αコースには理数選抜・特別選抜・文理選抜の各クラスがあり、アドバンスコースには選抜進学・特別進学・総合進学クラスが設けられています。文理選抜・選抜進学・特別進学クラスは2年次から文系・理系に分かれて学習を進めます。また、総合進学クラスでは2年次から音楽・美術・体育・情報の4分野を選択し、自分の進路希望に合わせた学習を行うことができます。選抜クラスは一般入試を意識したカリキュラムを編成し、特別進学や総合進学は指定校推薦や総合型選抜を視野に入れた内容を用意しています。総合進学クラスの情報選択では簿記1級に合格する生徒もおり、その資格を生かして国公立大学へ推薦入学で進学したり、芸術系の選択者は美術大学や音楽大学などの専門分野へ進学するなど、多様な進路に対応した教育を展開しています。

 

ICT教育と学習支援体制

 花咲徳栄高校はICT教育に積極的に取り組み、全生徒にiPadを配布しています。

 全教室にプロジェクターやスクリーンを設置し、一部教室には電子黒板も導入しています。授業では画面共有を活用した即時添削やグループワーク、プレゼンテーションを行い、大学入試対策にとどまらず、社会で必要とされる表現力や協働力を養っています。

 さらに、学習支援拠点として「大学進学センター」を職員室の隣に設置し、生徒が気軽に質問できる環境を整えています。平日は朝7時から夜8時まで、土曜日は夕方5時まで利用可能で、生徒からは「先生の声掛けが励みになる」といった声が寄せられています。

 また、総合的な探究の時間には発表の機会を多く設けるなど、ICTを活用した教育と充実した学習支援体制が特徴となっています。

 

食育実践科と地域に根ざした教育

 花咲徳栄高校の大きな特色である「食育実践科」は、厚生労働大臣から調理師養成施設として認可されており、卒業時に調理師免許を取得できることが最大の魅力です。

 定員は80名で、1年次から専門科目を履修し、3年間で合計31単位を修得します。欠席すると単位が取得できない仕組みや再試験制度を導入することで、確実に学習内容を定着させ、自主的に学ぶ姿勢を育てています。夏休みには約1週間、インターンシップを実施し、現場で働く卒業生からも直接学ぶ機会を提供しています。また、「アスメシカレー」や「かぞごころ」といった地域ブランド商品の開発・販売、小中学校での出張授業や地元農家での収穫体験、テーブルマナー講習などを行い、地域と密接に関わりながら実践的な学びを重ねています。こうした取り組みによって、生徒たちは食を通じた実践的な学びを重ね、社会に貢献する力を育んでいます。

 卒業後の進路は大学進学56%、専門学校28%、就職16%と幅広く、家政系のほか、教育・医療・心理系など多様な学部へ進む生徒が多いことも特徴です。専門学校では調理・製菓・製パン系を選ぶ生徒が中心で、就職希望者は毎年100%の内定率を誇ります。現在は高校生が「黄金の卵」と呼ばれるほどの売り手市場にあり、求人件数も年々増加しています。

花咲徳栄が育む人材像

 今回の学校説明会を通じて、花咲徳栄高校が少人数教育と実践的な学びを基盤に、生徒一人ひとりの力を最大限に伸ばそうとしていることが分かりました。

 普通科では多彩な進路に対応できるコースとカリキュラムを整え、ICT教育で学習の幅を広げています。食育実践科では専門資格取得を軸に地域とのつながりを深め、進学・就職双方に強い実績を築いています。

 「学びを力に変える学校」として、これからも地域とともに未来を切り拓き、多彩な人材を育成していく姿が期待されます。(文・根岸孝之)

 

※このシリーズでは、教育関係者対象に開催された学校説明会についてレポートします(埼玉新聞社高校受験ナビ編集部)

 

=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=

 

サイト内の花咲徳栄高校の基本情報は→こちら

 

学校の特徴~学校からのメッセージ2025~

本校ではICT教育を深化させ、協働学習をすべての教科で取り入れています。CBTの実施により、理解の定着度をリアルタイムで測定し、個々の最適な学習環境を整備しています。適切な学習支援と学校生活全般の課題解決につながる一貫した指導を展開しています。

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