【第1日】
男子走り幅跳び 渋谷(上尾)初優勝
男子棒高跳び 遠藤(羽生一)も初栄冠
(26日・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
男女13種目の決勝を行い、男子走り幅跳びは渋谷春太朗(上尾)が7㍍05で初優勝した。同棒高跳びは遠藤瑠久斗(羽生一)が4㍍60で初の栄冠に輝いた。女子1500㍍は川原井心華(昌平)が4分37秒81で初の頂点に立った。
男女各種目の上位3位までが関東高校選抜新人大会(10月18、19日・山梨)の出場権を獲得する。
記録意識せず大跳躍
男子走り幅跳び 7㍍05で初優勝した上尾の渋谷春太朗
男子の走り幅跳びは上尾の渋谷が7㍍05の自己新をマークして初優勝した。記録を意識しなかったという3回目で、出場選手中、唯一7㍍越えの跳躍を披露。「リラックスして試合を楽しめた。初めて埼玉のトップに立った」と満足げな表情を浮かべた。
これまで後半に記録を伸ばすことが多かったが、1回目の跳躍から順調に距離を伸ばし、昨年4位の白鳥(浦和北)や橋本(立教新座)らと息の抜けない勝負を繰り広げ、最後はライバルたちと握手を交わした。
今まで助走や空中での腕の振りが弱く結果が出なかった。今大会の南部予選で7㍍01を跳び、頭角を現すと「技術的に成長したと思う。助走もスピードが出るようになった」と中学時代に100㍍を専門に走ってきた脚力が最高の結果の原動力となった。
大きな大会に出場経験がなく、明確に目指すものがなかったというが、今回の優勝は確実に自信へつながるはずだ。「まずは関東の舞台で上位に入りたい」。経験と実績を重ねた先に、来年の全国高校総体出場を夢見る。
自己新ならず「悔しい」
男子棒高跳び 4㍍60で初の頂点に立った羽生一の遠藤瑠久斗
男子棒高跳びは羽生一の遠藤が4㍍60で初のタイトルを奪取した。昨年の5位から順位を上げたが、「自己ベストを更新できなかった。悔しい気持ちもある」。優勝を通過点と捉え、自身の跳躍には納得がいかない様子だった。
試技ではパスを続けると4㍍40から挑戦。「突っ込み気味で跳んでしまった」と普段なら問題なく跳べる高さに苦戦した。3回目でクリアし優勝を決めると、バーを20㌢上げた4㍍60は難なく1回目で成功した。さらに自己新を目指すも4㍍71は失敗に終わった。
5月の県高校総体を制し、広島で行われた全国高校総体で自己記録の4㍍70をマーク。「懸垂や鉄棒で鍛えてきた」という腕力が武器。安定して記録を出すことを目標に、10月のU―18(18歳以下)ジュニアオリンピックを見据えた。
追い上げかわし トップ譲らずV
女子1500㍍
昌平・川原井
女子1500㍍は昌平の川原井心華が4分37秒81で頂点に立った。「恐れずレースができた。残り300㍍くらいでバテた」と力を出し切った。序盤から先頭に立ちレース引っ張ると後続の追い上げをかわし、最後までトップで譲らなかった。
力強い走りと持久力が持ち味。自らで展開を考え、レースを積極的に引っ張った。「タイムの関しては悪くない」と気温30度以上のコンディションの中でも充実の走り。レース後には額の汗を拭いながら、笑顔があふれた。
力を振り絞った
男子400㍍で初優勝の小武海拓生(武南)
前半を抑えてラスト200㍍で力を振り絞った。格上の選手を相手に長所である後半の走りで自己ベストが更新できた。筋力トレーニングで体幹を強化したことも結果につながった。
優勝はうれしい
男子5000㍍競歩で初優勝の吉岡新流(春日部)
大会記録更新はできなかったが優勝はうれしい。先頭で引っ張って歩き続けるのが自分のレース。だが暑さの影響からか、ピッチが下がってしまったけれど、トップでゴールできた。
【第2日】
男子100㍍ 森脇(所沢北)大会新で初V
走り高跳び 桑名(本庄第一)も優勝
(27日・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
男女10種目の決勝などを行い、男子100㍍は森脇悠翔(所沢北)が10秒51の大会新をマークして初優勝した。同走り高跳びは桑名樹(本庄第一)が2㍍11の大会新で栄冠に輝いた。同400㍍リレーは立教新座が40秒68の大会新で初の頂点に立った。
男女各種目の上位3位までが関東高校選抜新人大会(10月18、19日・山梨)の出場権を獲得する。
弱点修正 会心の走り
男子100㍍ 10秒51で大会新をマークし、初優勝した所沢北の森脇悠翔(中央)
男子100㍍は所沢北の森脇が10秒51の大会新で初優勝を飾った。スタートから飛び出すと抜群の加速で最後までスピードを落とさなかった。「県高校記録を超えるつもりで走った」と会心の走りを見せ、全力で駆け抜けた。
他の選手を寄せ付けることなく、実力通りの力を発揮したものの「タイムには納得がいかない」と不満を口にした。今大会の西部地区予選で10秒43の好タイムをマークし、勢いを持続させて、10秒35の県高校記録更新を狙っていた。
5月の県高校総体では7位。6位との差はわずか0・01秒。6位までに北関東大会への出場権を与えられるレースで敗れ、さらに強くなりたかった。「あの時は本当に悔しかった。初めて試合に負けて泣いた」と奮起を誓っていた。
スタート時に体が上に浮き上がる弱点を修正した。自分の走りを動画で確認し、積極的に自主練にも励み「スタート時の癖は直ってきた」と実感している。小さいミスが勝負に影響する100㍍。これからも努力は不可欠だ。
美しい跳躍で自己新
男子走り高跳び 2㍍11の大会新で、頂点に立った本庄第一の桑名樹
男子走り高跳びは本庄第一の桑名が2㍍11の大会新で頂点に立った。最後は同校の佐々木との一騎打ちを制し「助走がしっかりしていて、うまくまとめて跳べた。自己ベストも更新できた」と6月の北関東王者としての誇りを示した。
試技ではパスを続け、2㍍00から跳躍した。「最近はバーの高さに慣れてきた」と他の選手の跳躍を横目に士気を高めていった。助走後半の内傾動作を強化し、身長192㌢の長身を生かした美しい跳躍でスタンドから歓声が上がった。
4位で終わった7月の全国高校総体後は、さらに助走を強化してきた。スピードを意識して「踏み切る際の力加減がうまくいった」と夏の練習の成果を発揮した。来月は滋賀で行われる国スポに出場する。メダル獲得へ力を込めた。
個々が力走し大会新で栄冠
男子400㍍リレー
立教新座
男子400㍍リレーは立教新座が40秒68の大会新をマークして優勝した。1走の永沢、2走の丸山でトップ争いに食らい付き、3走の田中で首位に立つとアンカー矢沢の力走で完勝した。田中は「一人一人の走りが良かった」と胸を張った。
準決勝でも好記録をマークし、優勝候補筆頭に挙げられたがレース後、1走の大徳が左太ももを痛め、決勝で永沢に代役が回ってきた。永沢は「プレッシャーを感じた」と不安をのぞかせたが、周囲も納得の快走を見せ、不安を一蹴した。
1投目から攻めた
男子円盤投げで初優勝の野村祐輔(松山)
優勝できたことはうれしいが、自己ベストの40㍍02に届かず悔しい。いつもよりターンが雑だった。ただ1投目から攻めた試合だった。練習で42㍍を投げられたので、関東大会では45㍍を投げたい。
中学の経験生きた
女子棒高跳びで初優勝の竹内悠莉(川越女)
自己ベストには届かなかったけれど、優勝はすごくうれしい。4月に足首を骨折し、踏み切りに不安を抱えていた。中学の時に走り幅跳びを専門としていて、その経験が跳躍に生きた。
【最終日】
女子200㍍ 遠山(伊奈学園)が初制覇
走り高跳び 和田(狭山ヶ丘)初栄冠
(28日・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
男女16種目の決勝などを行い、女子200㍍は遠山あん(伊奈学園)が24秒87で初制覇した。遠山は同100㍍、400㍍リレーとの3冠に輝いた。同走り高跳びは和田璃々(狭山ケ丘)が1㍍67で初の栄冠に輝いた。
男子200㍍は森脇悠翔(所沢北)が21秒56で初の頂点に立った。森脇は大会新記録で制した同100㍍との2冠を達成した。同5000㍍は柳本直輝(埼玉栄)が15分5秒08で優勝。同やり投げは小島光貴(西武文理)が54㍍64で制した。
男女各種目の上位3位までが関東高校選抜新人大会(10月18、19日・山梨)の出場権を獲得する。
=埼玉新聞2025年9月27日付け7面、28日付け9面、29日付け6面掲載=
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