「里親という家族のかたち」をテーマに講演する明治学院大学の三輪清子准教授(左)と熊本県の慈恵病院「こうのとりゆりかご」当事者の宮津航一さん=加須市のパストラル加須
10月の里親月間に併せて同制度の普及啓発イベント「やさしさのリレー」(社会福祉法人愛の泉・愛泉里親支援センター主催)が5日、加須市のパストラル加須で行われた。約150人が来場し、映画上映や講演を通じて、里親が足りていない現状や里親登録などについて理解を深めた。
里親制度は、さまざまな理由で親と暮らせない子どもたちを家庭環境の下で養育すること。里親や児童養護施設で暮らす子どもは全国で約4万2千人いるという。
上映した映画「育ててくれて、ありがとう」は、養育里親として里子を育てる夫婦が、真実を伝えようと葛藤する姿や実親と面会した子どもの心情などを丁寧に描いた作品。子どもには家庭が必要で、里親が子どもの人生を支える大切な存在であることを伝えた。
続く講演会では「里親という家族のかたち」をテーマに県里親会の保角美代理事長が進行を務めた。
自ら養育里親として子どもを受託する明治学院大学の三輪清子准教授は、里親希望者に対し「子どもの人生に深く関わると同時に自分の人生でもある。無理をしないでできることを考えてほしい」と助言。熊本県の慈恵病院「こうのとりゆりかご」当事者で、実名で自身の生い立ちや思いを発信している大学生の宮津航一さんは「家族は血がつながっているということではなくて、最後まで味方でいることだ」と話してくれた里親の言葉を紹介し「家族の絆を感じた」と語った。
フィナーレには、県立不動岡高校の書道部が登壇し、「絆」などを揮毫(きごう)した書道パフォーマンスを披露。盛谷仁主将は「里親制度で生まれた新しい家族の結び付きを表現したかった」と解説した。
寄居町から来場した男性(58)は「里親と里子の向き合い方や家族の在り方が具体的で分かりやすくよかった」と感想を寄せていた。
里親に関する問い合わせは、同センター(☎0480・63・3108)へ。
=埼玉新聞2025年10月8日付け11面掲載=
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