埼玉県代表2校 選抜に照準
来春の第98回選抜高校野球大会への選考材料となる第78回秋季関東高校野球大会は18日、山梨県の山日YBS球場と富士北麓公園野球場で開幕し、関東7県の代表15チームが優勝を争う。
埼玉からは花咲徳栄(2年ぶり16度目)と浦和学院(3年ぶり20度目)の2校が出場する。秋季県大会で8度目の頂点に立った花咲徳栄は19日の1回戦で法政二(神奈川2位)と対戦。同準優勝の浦和学院は18日の1回戦で下妻一(茨城2位)と顔を合わせる。
花咲徳栄は6年ぶり6度目(新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止された2020年の第92回大会を含む)、浦和学院は4年ぶり12度目の選抜大会出場を目指す。関東の強豪校とぶつかる両校の戦いを展望した。
花咲徳栄
黒川筆頭に投手陣鍵
最速145㌔の速球に豊富なスタミナを兼ね備える花咲徳栄のエース黒川
花咲徳栄は初戦で33年ぶりの関東大会に挑む法政二と対戦する。ともに絶対的エースを柱とする争い。花咲徳栄・黒川、法政二・松田の両右腕の投げ合いとなりそうだ。目標とする優勝まで4試合の短期決戦。黒川を筆頭に投手陣が鍵を握る。
黒川は関東大会出場を決める準決勝まで県大会5試合に先発登板。最速145㌔の速球に豊富なスタミナを兼ね備える。夏は3試合に中継ぎ登板し、6回無失点と完成度の高さを示した。試合をつくり、左腕古賀らセットアッパーにつなぎたい。
打線は上位から下位まで切れ目がない。出塁率5割4分8厘の1番岩井が出れば、4番佐伯、5番奥野とともに打率4割超えの中軸が一本でかえす。6番本田は好打に小技も兼ね備える。8番黒川はチーム最多の5本の長打と打撃が光る。
自分たちの野球する
花咲徳栄・岩井隆監督の話
県大会で5試合を経験して精神的な成長を感じた。関東大会は各県の強いチームばかり。雰囲気にのまれないように自分たちの野球をする。全員で守り全員で打って勝ち上がる。いい状態で大会を迎えたい。
一本が出る攻撃示す
花咲徳栄・本田新志主将の話
投手黒川を中心とした守りとチャンスで一本が出る攻撃を関東でも示したい。夏から選抜出場を目指してやってきたので、相手に関係なく一戦必勝で優勝を狙う。ミスを恐れずに、攻める野球を貫きたい。
浦和学院
守備から流れを呼ぶ
力強いスイングで広角に打ち分け、打撃センスの光る浦和学院の3番法量
4年ぶりの選抜出場を目指す浦和学院は初戦で下妻一と対戦する。勝利すると準々決勝で今夏の全国選手権4強の山梨学院が待ち構える厳しいブロック。経験豊富な投手陣が、打率3割8分3厘とつながりの良い打線の流れを呼ぶ込む。
強力打線のリードオフマンは夏から主力を担う1番鈴木。4割を超える打率に長打力も兼ねる。機動力を絡めて、9打点の4番藤沢、12打点の5番西村と好機に強い中軸に回す。大宮、法量と上位を打つ1年生の打撃が勝負の鍵を握りそうだ。
投手陣は地区大会から県大会決勝までの全6戦を継投策で戦った。前チームから経験を積む右腕伊藤は21回1/3を投げ防御率1・69と試合をつくれる。西村、日高の安定感がある右腕2枚に加え、城間、佐々木の両左腕が守備から流れをつかむ。
目の前の1勝へ団結
浦和学院・森大監督の話
夏の悔しさを約2カ月半かけて乗り越えてきた。粘り強く、劣勢でも諦めないのが今年の浦和学院の強さ。初戦に向けて準備して、まずは目の前の1勝。ゲーム主将の伊藤を中心に一致団結して戦いたい。
泥くさく戦っていく
浦和学院・蜂巣祥万主将の話
県大会決勝に敗れてからは関東で2勝することに目標を切り替えて集中してやってきた。飛び抜けた選手はいないので泥くさい野球で戦っていく。目の前の試合に集中して、自分たちの野球を貫きたい。
=埼玉新聞2025年10月17日付け12面掲載=
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