2025年10月30日配信

10月27日、埼玉県教育委員会から第1回進路希望状況調査の結果が発表されました。
埼玉県ホームページ
年内にもう一度、進路希望状況調査(12月15日現在)が行われ、年明けにはいよいよ正式な出願となります。このまま現在の志望校で行くか、あるいは変更すべきかと悩んでいる方もいるでしょう。
そこで今回の記事では、過去データをもとに今後の各校倍率がどのように変化して行くかを推測してみました。
◆実際の出願時には全体倍率も普通科倍率も低下
まず全体倍率の今後の動向についてです。
昨年、全日制の全体倍率は次のように推移しました。
(なお、カッコ内は一昨年です)
第1回調査1.17倍(1.18倍)
第2回調査1.12倍(1.13倍)
実際の出願1.11倍(1.13倍)
(※ここで「実際の出願」というのは志願先変更前の倍率を指します。以下同じ)
希望者の多い普通科についても見ておきましょう。
第1回調査 1.28倍(1.27倍)
第2回調査 1.21倍(1.19倍)
実際の出願 1.17倍(1.16倍)
以上のように、過去2年間、実際の出願に向けて徐々に倍率は低下しています。
したがって今年も、実際の出願では現在の倍率より下がると予想されます。
ただし、今年の場合、第1回調査では全日制全体が昨年より0.04低い1.13倍、普通科全体が昨年より0.05低い1.23倍という低倍率となっています。仮に、過去2年間と同様の下がり方をした場合、全体倍率は1.07~1.08倍前後、普通科倍率は1.12倍前後まで下がると予測できます。しかし、スタートの倍率(第1回調査の倍率)がすでに低いので、今後の下がり方は例年ほど大きくないのではないかという予測もあります。
いずれにしても、実際の出願においては過去最低倍率を記録するのではないかという見方が強まっています。
◆2倍超の高倍率校はなくなる可能性が大
今回、第1回調査で倍率が2倍を超えた学校(普通科)が7校ありました。
高い順に、川口市立(3.01)・市立川越(2.99)・市立浦和(2.75)・上尾(2.36)・大宮(2.29)・越谷南(2.12)・浦和西(2.08)の各校です。
これら7校のうち大宮(前年同期1.93)を除く6校は、昨年同期も2倍を超えていました。
では、昨年第1回で2倍超えだった6校は実際の出願に向けてどのように倍率が変化したのでしょう。
数字は左が昨年第1回倍率、中央が昨年第2回倍率、右が昨年の実際の出願倍率です。
市立川越 3.56 →2.24 →1.24
川口市立 3.21 →2.43 →1.71
市立浦和 2.78 →2.36 →1.96
上尾 2.49 →2.05 →1.32
越谷南 2.33 →1.84 →1.47
浦和西 2.13 →1.79 →1.48
以上のように第1回では2倍超えだった学校も、実際の出願ではすべて1倍台に下がりました。最高は市立浦和の1.96倍、次いで川口市立の1.71倍、それ以外の4校はいずれも1.5倍以下となりました。
したがって、今年第1回で2倍を超えていた7校についても、その多くが実際の出願では1.5倍前後まで下がると推測できます。
参考のため、市立川越(普通科)、川口市立(普通科)と市立浦和について、昨年度までの第1回調査から志願先変更までの倍率推移をグラフ化してみました。例年ほぼ同じような推移を示していることが分かるでしょう。



◆1.5倍超え高倍率校の今後の動向は
第1回調査では前出7校のほかにも、高倍率だった学校(普通科)がいくつかありました。
1.50倍以上だったのは、浦和南(1.96)、所沢(1.89)、大宮北(1.86)、鳩ヶ谷(1.73)、
越ヶ谷(1.70)、杉戸(1.69)、南稜(1.67)、川口市立・スポーツ科学(1.66)、川越南(1.65)、所沢北(1.55)、和光国際(1.55)、川口(1.50)の12校(コース含む)でした。
では、これらの学校のうち、昨年同期も1.5倍以上だった11校の倍率推移を見て行きましょう。
数字は左が昨年第1回倍率、中央が昨年第2回倍率、右が昨年の実際の出願です。
浦和南 2.27 →1.85 →1.57
大宮北 1.80 →1.73 →1.50
川越南 1.95 →1.62 →1.48
杉戸 1.71 →1.50 →1.41
鳩ヶ谷 1.91 →1.60 →1.38
川口市立・スポーツ科学
1.88 →1.54 →1.36
越ヶ谷 1.74 →1.54 →1.34
南稜 1.67 →1.48 →1.34
所沢 1.71 →1.44 →1.33
川口 1.50 →1.41 →1.29
所沢北 1.53 →1.32 →1.27
以上のように実際の出願でも1.5倍以上の高倍率を維持したのは浦和南、大宮北の2校だけです。
川越南、杉戸なども比較的高い倍率を維持しましたが、川口、所沢北は1.2倍台まで下がりました。
以上見てきたように、第1回調査時点で2倍以上、あるいは1.50倍以上の高倍率であった学校は、ここがピーク(最高)であり、さらに上がることはありません。また、実際の出願に向けて大きく下がる学校が多いことも分かっています。
今回は第1回進路希望調査で高倍率だった普通科についての参考情報をお届けしました。
教育ジャーナリスト 梅野弘之
=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=
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