男子 正智深谷が14連覇
女子 埼玉栄2大会ぶり9度目V

バスケットボールの全国高校選手権(ウインターカップ)県予選最終日は1日、深谷ビッグタートルで男女の決勝を行い、男子は正智深谷が14大会連続15度目の栄冠に輝いた。女子は埼玉栄が2大会ぶり9度目の頂点に立った。
男子は正智深谷が68―66で埼玉栄との接戦を制した。第4クオーターにこの試合初めて埼玉栄にリードを許したが、すぐさま再逆転しそのまま逃げ切った。
女子の埼玉栄は延長の末、昌平を71―64で退けた。第4クオーターに逆転したが、試合終了間際に追い付かれ延長に突入。延長では先に主導権を握りリードを守り抜いた。
男子で優勝した正智深谷と準優勝した埼玉栄、女子で優勝した埼玉栄が全国高校選手権(12月23~29日・東京)に出場する。
▷男子決勝
チーム力結実 王座譲らず

男子 正智深谷―埼玉栄 第2クオーター、正智深谷の加藤(左)がシュートを決める。右は埼玉栄の茂木
正智深谷が手に汗握る接戦を制し14連覇を達成した。緊迫した最終盤にチーム力が結実して王座を譲らなかった。成田監督は「守る立場でこの展開は想定内。伝統の力、練習の厳しさを最後にコートで表現してくれた」と選手たちをたたえた。
県の絶対王者は土俵際で執念を見せた。最終クオーターで一時逆転を許し、64―64で迎えた残り2分。得点源の加藤、早船は厳しいマークに遭った。「いつも引っ張ってくれる2人を支えたい」と山口。正確な2ゴールで一進一退の攻防に終止符を打った。
先発5人の平均身長は184㌢。190㌢超えの選手はいないが、守備力は例年以上に高い。成田監督は「今年はチームがぶれない。一人一人がそれぞれの役割を認識している」と話した。練習で磨いた組織力が終盤の勝負強さを支えている。
埼玉王者として12月のウインターカップに挑戦する。現チーム発足当初からの目標は正智深谷初の表彰台。ゲーム主将の加藤は「目標達成のために得点力を伸ばしたい。残りの期間で個々のスキルを高めていく」と強い決意をにじませた。
難敵相手にあと一歩
埼玉栄
埼玉栄は13連覇中の正智深谷をあと一歩のところまで追い詰めた。第4クオーターには一時逆転したが、王者の底力の前に屈した。小野監督は「選手たちは全然負けてなかったが、相手は勝ち方を知っていた」と悔しさをにじませた。
マリ人留学生のカミソコ・ゾマナが反撃の機運を高めた。徹底的マークに遭い思うようなプレーできなかった前半から一転、終盤に得点力が爆発。190㌢の長身を生かしたアリウープなどで21得点を挙げた。「もうちょっと点を取りたかった」と圧倒的な活躍にも不満げな表情を浮かべた。
決勝進出の時点で全国出場は決まっていたが、最後まで気迫十分に走り抜いた。主将の後藤は「正智深谷相手にここまでやれたのはいい経験になった」と敗戦を前向きに捉えた。
▷女子決勝
延長の激闘制し切符

女子 昌平―埼玉栄 第4クオーター、埼玉栄の倉林(右)が昌平の林と競り合う
延長までもつれた激闘を制し、埼玉栄が2大会ぶりの全国出場の切符を手にした。選手全員が死力を出し切り、目(さっか)監督は「相手が強いことは分かっていた。みんなよく頑張ってくれた」と表情を緩ませた。
26得点で攻撃をけん引した倉林は試合が進むにつれ勢いを増した。第4クオーターには「相手の反則が増えていたので、ドライブして誘えたら」と何度もドリブルで相手陣内に侵入。延長でも先手を取るゴールを奪い優勝の立役者となった。
ゲーム主将の木川は体を張ったプレーでチームを支え続けた。リバウンドや味方の攻撃の補助に徹し攻守にハードワークを徹底。「とにかく笑顔で、ミスしても落ち込まないように」とつらい時間帯も率先して声を出し、精神的支柱となった。
2年前に出場した全国大会は初戦敗退。3年生の伊藤、西幅、片子沢はその時の試合に出場し、悔しさを味わっている。主将の伊藤は「まずは初戦突破。そのためにもディフェンスの精度を上げていきたい」と晴れ舞台を見据え、課題の修正に取り組む。
前回覇者の昌平
追い上げ及ばず
前回覇者の昌平は延長の末に涙をのんだ。終盤の追い上げには全国出場への執念が感じられた。加藤監督は「もう一度行くという気持ちが強かった。勝ち続けるのは難しい」と遠くを見つめた。
前半は得意のシュートが決まらずに流れを渡した。3点差で試合を折り返すと、後半は高い修正力を発揮。延長にもつれたが、反則の影響で選手交代が後手に回り、最後は足が止まった。
今夏は全国高校総体で8強入りを果たした。小柄な選手が多い中、強豪にも通用するシュート力を磨いてきた。主将の佐々木は「新人戦の頃とは比べられないチーム。みんなで一緒に成長できた」と仲間に感謝した。
=埼玉新聞2025年11月2日付け1,8面掲載=
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