
進路講演会に登壇した理化学研究所脳神経科学研究センターの村山正宜チームディレクター=蕨市塚越の武南中学校・高等学校
武南中学校・高等学校(蕨市塚越、遠藤修平校長)は、生徒たちの興味関心を広げ、より良い進路選択につなげることを目的に、進路講演会を開いた。理化学研究所脳神経科学研究センター(和光市)触知覚生理学研究チームの村山正宜チームディレクターが「脳研究と楽しい人生~未来の自分に感謝されるため~」と題して講演し、研究者としての歩みや最先端の研究について語った。
講演には同校の高校生93人、中学生62人の計155人が参加。村山氏は「過去の自分と会ったらどのような声をかけるか」「未来の自分と会ったらどのような声をかけられるか」と問いかけた。そして、未来の自分に感謝されるために今をどう生きるか、自身の人生を交えて伝えた。
村山氏は、高校ではプロサッカー選手を目指して体育学系のコースに入学するも、夢を断念。その後「生命の神秘のメカニズムを解き明かしたい」と生物学の道を志したという。
体育学系から理系への転換で浪人も経験。浪人時代は新聞奨学生として配達と勉強を両立し、東京薬科大学に合格。「自分の選択に責任を持つのは自分しかいない。この経験で、根性ややり切る力、不屈の精神などを学んだ」と振り返った。
講演では、人間の筋肉を収縮させた時や音楽を流した時に発生する微弱な電気を増幅させてゴキブリの足に入力し、動きを観察する実験動画も紹介された。初めはゴキブリの映像に驚きの声が上がったが、徐々に生徒たちは画面にくぎ付けになった。
同中2年の高橋夏帆さん(14)は「今まで脳科学に触れる機会はなかったが、講演を聞いて身近に感じられた。ゴキブリの足が音楽に合わせて動くのが面白かった」と目を輝かせた。
村山氏は「未来の自分は今の自分の行動がつくる。真の努力をすれば、皆さんには素晴らしく明るい未来が待っている」と呼びかけた。
=埼玉新聞2025年11月18日付け10面掲載=
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