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第15回全国高校大作書道展・文科大臣賞-県立川口高校

唯一の3年生部員・浜野彩花さん渾身の大作

文部科学大臣賞のトロフィーを手に笑顔の県立川口高校3年の浜野彩花さん

 

 全国の高校生・高等専門学校生対象に書の大作を募集する「第15回全国高校生大作書道展」(6月15~20日)で、全国44校179点の応募の中から最高賞に当たる文部科学大臣賞に、県立川口高校3年で同校書道部主将の浜野彩花(17)さんの「臨・楽毅論(光明皇后)」が選ばれた。
 浜野さんは「昨年の12月くらいから小さい半紙で練習し始めた。入部して先生から最初に褒められたのがこの大会に出展した楽毅論。思い入れの強い大会で最高賞を取ることができ、受賞を先生から聞いたときはうれしくて涙が出ました」と喜びを語る。
 浜野さんの受賞理由について、文部科学大臣賞選定委員で東京学芸大学名誉教授の長野秀章氏は「字粒がこの古典の一般的な表現よりも4倍くらい大きく、その結果として作品全体が散漫になりやすい点を、字間を詰めることによって緊張感と迫力で調和させている新しい表現になっていた」と評価。

東京都美術館に展示された浜野彩花さんの作品「臨・楽毅論(光明皇后)」(提供写真)

 

 中学時代は美術部で書道も未経験だったが、同校の書道パフォーマンスに感激し入部。唯一の3年生として後輩たちを引っ張ってきた。「同学年がいなく悩みを相談できずにつらかったけど、ここまで頑張ってきたので諦めたくなかった。先生や引退した先輩たちの指導のおかげで後輩たちに指示を出せるようになった」と話す。書と向き合うときに注意していることは「スピードやリズム感」だという。
 11月の引退まで「書の甲子園」への出場、書道パフォーマンスなどの活動が続く。

=埼玉新聞2021年7月7日付け13面掲載=

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