希望への祈りを込めたダンス「暁闇(ぎょうあん)」を披露
ストリートダンスの強豪・川口市立高校ダンス部が19日、横浜で開かれる第14回日本高校ダンス部選手権・ダンススタジアム2021に出場する。全国から40校が参加する。今大会のために仕上げたダンスは、夜明け前の暗闇から希望の朝へ立ち上がる、希望への祈りを込めて「暁闇(ぎょうあん)」と名付けた。部員たちは「コロナに立ち向かう強い意志と希望をダンスで届けたい」と言う。
前を見つめ、オリジナル作品「暁闇」に打ち込むダンス部員たち=17日、川口市立高校アリーナ
同高は市立川口高校、川口総合高校、県陽高校の市立3校が統合して2018年4月に開校した。同部の源流は1971年創部の市立川口高校ダンス部で06年から顧問をする岡田佐久子教諭(62)によると「自主的・主体的に学び・教えあう生徒の独立自主」という伝統が、新校でも生徒たちによって守られている。
「大会のテーマは、今年4月中旬にみんなで話し合って暁闇に決めた。春の新人戦は楽しい曲で笑顔で出た。今度の大会はそうではないものにしたい、がみんなで一致したこと。高校受験の頃からコロナ禍で苦しかった。苦しみや怒りで満ちた闇と、そこから立ち上がる強い意志、希望への祈りを表現したい」と、部長の2年生、佐野ひよりさん(16)。
苦しみの闇から祈りの光明へ、その転換の瞬間に音楽が途切れる空白がある。「この1秒の空白に私たちが怒りから希望へ変身します」と佐野さん。どんなダンスに仕上がるのか、期待は膨らむ。
晴れ舞台の大会へ2年生全員で出るのが同部の伝統。名だたるダンススタジアムも、今年の2年生38人の全員が出場する。選ばれた一部の部員が晴れ舞台に出るではなく「全員で勝負」なのだ。指導するのも2年生の部員だ。
17日、同校の小アリーナでは踊る部員たち以外の指導する部員たちはマスクを外さない。コロナ感染防止を厳重にして、2年生部員たちの直前練習に気合が入っていた。
「この2年生の生徒たちは20年春に入学したけれども6月まで登校できず、コロナ禍に苦しんだ。5月にやっと夏服で入学式だった。それなのにここまで育った」と岡田教諭は床を躍動する生徒たちに目を細めた。
=埼玉新聞2021年8月19日付け10面掲載=
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