ムサシトミヨ保全活動
県立川越高校(長谷川仁校長)の生物部(30人)が熊谷市佐谷田の「ムサシトミヨ保護センター」を訪れ、三つがい6匹の希少淡水魚ムサシトミヨを譲り受け、同校水槽で飼育と繁殖活動を始めた。
同部員は県の魚であるムサシトミヨに興味を持ち調べるうちにその昔、川越市内の河川にも生息していたことが分かった。
現在、世界で熊谷市にしか生息しないムサシトミヨは、一年を通じ15度前後の水温のわき水にしかすめず、体長は3~6 ㌢。雄が小鳥のように巣を作って子育てをする珍しい魚。環境省の絶滅危惧種ⅠA類に指定されている。
部員らは夏休み期間中も毎日登校し世話をした。3年生の丹治友輝さん(17)は、「学校は地下水ではないので水質を安定させるのがとても大変でした。県の魚なのに知名度が低いこの魚の面白い生態をより多くの方に知ってもらいたい。今後は飼育環境を整えて繁殖に挑戦したい」と意気込む。
熊谷市ムサシトミヨを守る会の江守和枝会長は、「高校生が関心を寄せてくれうれしい。魚の寿命は1年で死ぬことは悲しいが、新しい命が宿ってくれたら」と期待を寄せる。
同部顧問の佐藤健さん(55)は、「9月4日文化祭くすのき祭で展示します。コロナ収束後はいつでも外部の方にご覧いただけるようにサイサン環境保全基金の助成をいただき展示を拡大していきたい」と話している。
県立川越高校生物部部員とムサシトミヨ。前列中央が丹治さん、前列右は佐藤顧問(県立川越高校提供)
=埼玉新聞2021年8月26日付け11面掲載=
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