生徒がメニュー開発、商品化
八潮市南川崎の県立八潮南高校(町田徹校長)商業科3年生13人が地元産野菜を使ったイタリアンメニューを開発し、今月下旬から市内レストランで発売される。野菜をピザ生地で包んだカルツォーネとデザートのずんだティラミス、ずんだプリンの3品を完成させた生徒は「八潮の魅力をもっと広め、新名物として多くの人に味わってもらいたい」と意気込んでいる。
八潮青年会議所(JC)が同校に提案し、10月から課題研究授業の一環で始まった。テーマは「八潮の八つの野菜で八潮の顔となるメニューを作る」。市内イタリアレストラン「イル・チェッポ」(同市中央)ほか、若手農家らで構成する「八潮市青耕会」も全面協力した。
授業は10月から毎週、これまで計7回行われた。2チームに分かれた生徒は企画書の作成から始め、プレゼンテーションや意見交換を何度も重ねた。高校生ならではの斬新なアイデアを生かし、味や見た目はもちろん、市場調査で得た情報も参考にした。試作を重ねて考案したメニューをプロの料理人に手掛けてもらい、先月29日に3品が完成した。
カルツォーネは八潮特産の小松菜やトマト、サツマイモなどをピザ生地で包んだもの。クリームソースがベースで野菜をふんだんに味わえるのが特徴。店で提供でき、食べやすい点も評価された。ティラミスは同じく特産の枝豆を使用。豆腐を入れて健康にも気を遣い、砂糖の替わりの蜂蜜で上品な甘さに仕上げた。プリンも枝豆のうま味を全面に生かした。
研究授業の最後となる6日、生徒13人やJCメンバーが集まり、まとめの発表会が行われた。生徒は「開発の楽しさを知った」「意見をまとめるのに苦労した」などそれぞれ2分間ずつスピーチ。中には「とても貴重な経験」「将来、仕事に就いたら生かしたい」と今回の取り組みが大きな自信となった様子で話した。
開発メニューは今月下旬から同レストランで順次、提供される予定。生徒はポスターを市内小中学校に掲示するほか、SNSで情報を発信していくという。
チームのリーダーを務めた大胡田華乃さん(18)は「さまざまな案をまとめるのに苦労したが、良いメニューができた」と満足そう。下山雄輝さん(17)は「八潮の新鮮野菜を知ってもらい、これからも愛されるメニューになってほしい」と期待していた。
=埼玉新聞2021年12月10日付け10面掲載=
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