ゆかりの地で簿記学ぶ
深谷市原郷の県立深谷商業高校(西木成男校長)の二層楼(同校記念館)で毎週日曜日、渋沢栄一記念簿記教室が開かれている。簿記は同市出身で近代日本経済の父・渋沢栄一(1840~1931年)が日本に導入したとされている。渋沢は同校の創立にも関わっている。
同校と市が共催。深谷商工会議所が後援している。明治時代に西洋式の簿記(複式簿記)を日本に導入した渋沢にちなんで企画。10月3日から来年3月末までの日曜日(年末年始は休み)、全25回の予定で元城西大学教授の蛭川幹夫さん(74)が日商簿記検定3級の内容を教えている。
簿記教室は午前9時半から正午ごろまで。受講者は20代から60代までの一般市民約30人。蛭川さんは「渋沢栄一は明治の草創期に簿記を日本に広めている。渋沢が創立に尽力した深谷商業高校の二層楼で簿記を学ぶ意義は大きい」と話す。
二層楼は同校創立の翌年、大正11(1922)年に完成した。同年10月、82歳の渋沢が来校している。国登録有形文化財でもある。一般向け簿記教室は創立100周年の同校が企画した。同校の松本憲一教頭(61)と境野大地教諭(41)がスタッフになり、運営している。
米国マサチューセッツ州立大学ボストン校出身で、東京都内の大手製薬会社に勤務する松村敦美さん(42)は「出身地の深谷市で一般教養として必要な簿記を学ぼうと思い参加した」と話した。
熊谷市の会社員山中拓治さん(52)は「小切手、当座預金、小口現金などのキーワードが授業を通してよく理解できた」。深谷市の会社員岩崎知恵さん(52)は「簿記って奥が深い」と話していた。
=埼玉新聞2021年12月20日付け9面掲載=
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