衣類の染み抜きや
アイロンがけを学ぶ
県クリーニング生活衛生同業組合青年部会は、クリーニングの正しい知識を伝えようと児童や生徒を対象に8年ほど前からクリーニング教室を実施している。家庭でも取り組める衣類の染み抜きやアイロンがけなどを指導し好評を得ている。17日は、コロナ感染拡大で延期となっていたクリーニング教室を1年ぶりに再開した。福島政晃部会長(49)は「県下各支部でも活動を広げていきたい」と意欲を見せた。
同組合の会員数は現在約250人で高齢化や後継者不足により会員数は年々減少。家庭で水洗いできる衣類も増えたことで、クリーニング需要も全般的に低下している上、コロナ禍により外出や行事の機会が減少し、それに伴い利用率も落ちているという。クリーニング教室は、商業洗濯で使用するドライクリーニングの普及や後継者育成のため、越谷市内の小学校で始めたのがきっかけ。
全国クリーニング生活衛生同業組合連合会によると、大半の都道府県組合は職業選択してもらおうと、クリーニング教室を開催している。埼玉県の場合は、学習指導要領に沿った独自のカリキュラム作成し、家庭科の授業の一環として実施しているという。
17日は、県立八潮南高校家庭科部でクリーニング教室を開催した。高校生向けは初めてで、部活動の時間を利用して講義。生徒14人を対象に同部会のメンバー11人が講師となってグループごとにワイシャツのアイロンがけやしょうゆの染み抜きなどを指導した。
グループに分かれワイシャツのアイロンがけを実演しながら生徒たちに指導する県クリーニング生活衛生同業組合青年部会メンバーら
杉戸町でクリーニング店を経営する田辺明敏さん(54)は、担当したグループの生徒たちに手ほどきをしながら実演。しわ伸びをよくするため軽く霧を吹き、裏側から表の順にアイロンをかけると、しわのない滑らかな仕上がりに生徒からは感嘆の声が。生徒らも、指導を受けアイロンを当てたワイシャツがきれいに仕上がり、満足そうだった。
ドライクリーニングと水洗浄の違いを実感してもらうため、ドライ溶剤と水が入った各容器にトイレットペーパーで折った鶴を入れてかきまぜる実演も行った。ドライ溶剤の鶴は原形をとどめたが、水に入れた鶴は粉々になった。柳裕一専務理事(51)は「セーターを水洗いすると縮んだり形崩れする。上質なセーターを洗う時は上手に利用して」と話した。
松崎愛香さん(16)は「家庭でできることと、プロでないとできないことが分かった」と商業洗濯を賢く利用する必要性を感じたという。
柳専務理事は「教室は普及啓発だけでなく自分たちのスキルアップにもつながっている。高校などで授業として採用していただきたい」と話す。
問い合わせは、同組合(☎048・622・0674)へ。
=埼玉新聞2022年1月25日付け10面掲載=
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