川越東(優勝)・深谷(準優勝)は
関東高校新大会へ
(最終日、5日・熊谷スポーツ文化公園西第一多目的広場)
決勝を行い、川越東が深谷に20―12で逆転勝利し、2年ぶり2度目の優勝を果たした。川越東は全国高校選抜大会(3月25~31日・熊谷ラグビー場)に出場する。同校の出場は、中止となった2020年の第21回大会を含めると2年ぶり3度目。
川越東は、0―7の前半26分にWTB桑島のトライで2点差とし、同30分にFB土居のトライで逆転に成功。後半はナンバー8高橋のトライとCTB五十嵐のPGで深谷を突き放した。
川越東と深谷は関東高校新人大会に出場する。
<戦評>スクラムなどFW戦で優位に立った川越東が深谷に逆転勝利した。
5―7の前半30分、ゴールライン手前中央のスクラムからパスで展開し、FB土居が逆転トライを決めた。後半は、持ち味の展開力を発揮し、1トライと1PGで点差を広げた。
深谷は、WTB新井颯が2トライを奪うものの、相手の堅い守りを崩すことができなかった。
自信のスクラム発揮
川越東
空っ風が吹く中、ノーサイドの笛が鳴ると川越東に栄光の扉が開いた。
勝利の鍵になったのは、新たな強みであるスクラム。この日、奪った3トライ中2本がスクラムからの得点に、フッカー木倉は「スクラムには自信があった。埼玉で一番強いことを証明したかった」と力を発揮した。
1本目は、0―7の前半26分。中央22㍍ライン付近から組むとWTB桑島がトライを決めて反撃ののろしを上げた。
そして、真骨頂が見られたのは同30分。ゴールライン手前中央でマイボールを獲得。正面にゴールポストがあり、PGで逆転を狙ってもおかしくない。だが、主将のFB土居は「絶対(トライを)取れる自信があった」とフィフティーンは即決でスクラムを選択。安定したスクラムで優位に立つと、最後は土居がインゴールに飛び込んで逆転した。
昨年は、セットプレーで好機を生かすことができず、県大会無冠に終わった。その反省からFWを強化。時にはFW練習のみで3時間を費やす日もあった。木倉は「つらかったけど、頑張った成果が出たからよかった」と自信から確信に変わった。
2年ぶりに手にした選抜大会の切符。前回は新型コロナウイルスの影響で中止となっただけに、実質2度目の挑戦となる。望月監督は「まずは1勝」と全国初勝利という新たな扉に挑む。
プレーで見せる
川越東 主将・土居
主将のFB土居が逆転トライを決めて川越東を優勝に導いた。1年時から先発メンバー入り。先輩に頼る立場から新チームでは「チームを引っ張って盛り上げないといけない」とリーダーシップあふれる主将がプレーを見せた。相手に競り負けないランにピンチの局面を打開できるキックでチームをもり立てた。
頂点に立って慢心した様子はなく、「相手のキックの使い方がうまくて、それに対するマネジメントが足りなかった」と反省。これからも著しい成長曲線を描き続ける。
先制もミスに泣く
深谷
深谷はマイボールでのミスが目立ち、流れをつかみ切れなかった。山田監督は「自分たちのミスでボールを失い、もったいなかった。セットプレーで2本取られ、もっとコーチングの落とし込みができていれば」と敗戦を悔やんだ。
風上の前半はキックで陣地を稼ぎ、4分に新井颯が先制トライ。幸先よくリードを得たものの、二の矢を継ぐ機会が訪れないまま時間が過ぎ、同26分、同30分とセットプレーからのトライで逆転を許した。
後半は「相手のプレッシャーに負けてキックを選択してしまった」と新井颯。7―17の後半26分に新井颯が左端へのトライに成功したが、反撃はここまで。反則で攻撃の機会を手放し、最後はPGで突き放された。
主将の野口は「1対1の場面で相手が一枚上だった。短所を克服し、長所にできるよう取り組みたい」とレベルアップに意欲を燃やし、山田監督も「新人戦をやり通せた経験は成長につながる。何がよくて何がよくなかったのかを見極めて春に向けて準備したい」と力を込めた。
隙逃さず先制 チームに感謝
深谷 WTB・新井颯
深谷のWTB新井颯は判断力が光る2トライ。前半4分の先制トライは相手がキックのバウンドを見誤った隙を見逃さなかった。「外に回すと決め、CTBの野口と飯塚が仕事をしてくれた。チームで取れたトライ」と仲間に感謝した。
風上でプレーした前半の試合運びには手応えをにじませながら、「ペナルティーとかブレークダウン周りがあまりできていない。ミスをなくして自分たちのやりたいことができるように」と、春に向けてプレーの精度向上を課題に挙げた。
県ラグビー協会発表
高校ベストフィフティーン
県ラグビー協会は5日、本年度の高校ベストフィフティーンを発表した。県内大会や全国大会などで活躍した選手から3年生15人を選出。全国高校大会に埼玉県代表として出場した昌平からは、FB北川など最多の9人が選ばれた。
①今井 蓮(熊 谷 工)
②野村 一心(昌 平)
③渋谷 司(昌 平)
④矢野嵯武朗(昌 平)
⑤武政 裕也(深 谷)
⑥宮下 拓也(深 谷)
⑦桐原雄太朗(昌 平)
⑧西川 昂辰(昌 平)
⑨鈴木 悠真(昌 平)
⑩菅原 有真(昌 平)
⑪大坪 佑希(深 谷)
⑫橋本 颯太(熊 谷 工)
⑬笠井 侃(昌 平)
⑭平田 魁生(川 越 東)
⑮北川 拓来(昌 平)
=埼玉新聞2022年2月6日付け7面掲載=
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