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JICAエッセイコンテスト優秀賞-開智高校

1年生・小宮雪鹿さん

「夢を描ける世界を」

 国際協力機構「JICA」が主催する「中学生・高校生エッセイコンテスト」で、岩槻区の開智高校1年小宮雪鹿さん(16)が、全国2万5千を超える作品の中から4番目の優秀賞を受賞した。JICA東京センターの田中泉所長らが同校を訪れ、表彰状を贈呈した。

 

優秀賞を受賞し、表彰状を受け取った小宮雪鹿さん(左)とJICA東京の田中泉所長=岩槻区の開智高校

 コンテストは、次世代を担う学生たちに世界の問題を知り、どのように行動していくか考えてもらうことなどを目的に開催。高校生の部は60回目を数え、応募した学生たちが国際協力の道に進むきっかけにもなっているという。
 ダンスが好きという小宮さんは、憧れのダンサーの影響で国際問題に関心を持ち、中学2年の時にカンボジアの孤児院での奉仕活動に参加。学校に通えないなどの理由から、夢を諦めなければならない多くの子どもたちがいることを知った。小宮さんは「環境によって夢を諦めることのない世界を作りたい」と夢を抱いた。
 コロナ禍で活動が制限される中でも、自分にできることを考え行動に移した。各地から集まった古着や靴を仕分け、カンボジアなどの途上国に送るボランティアに参加。学校では友人3人と共に持続可能な開発目標(SDGs)について考える有志団体を発足させ、現在はメンバーが50人にまで広がった。昨年7月には再び海を渡り、タンザニアでの教育奉仕活動に参加。他国の高校生ボランティアと、子どもたちに勉強を教えるなどの活動に従事した。
 小宮さんは帰国後、「誰もが夢を描ける世界へ」と題し、自身の活動経験をエッセイにつづった。現地で目の当たりにした途上国の子どもたちの過酷な現状を伝えた上で、「未来に大きな可能性を秘めている子ども達の環境を支える人になりたい」と力強い決意で締めくくっている。
 小宮さんは「エッセイを書いて、自分の思いと向き合うことができた。世界の貧困や飢餓、教育について多くの人に発信することができれば」と話していた。

 

=埼玉新聞2022年3月9日付け9面掲載=

 

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