これまで埼玉県公立入試について振り返ってきましたが、今回のコラムで最終回を迎えます。
今回のテーマは「今から始める受験勉強とは?」です。
思考力を問う問題というものは、「学校選択問題」だけでなく「学力検査問題」でも一部出題されます。思考する上で大事なことは、思考する前に覚えておくべき知識を完璧にしておく必要があるということです。
皆さんが取り組むべき勉強の一つは、単元の学習を授業でしっかり学び、復習をするといった確実な繰り返しをすることです。そしてもう一つは、考える、表現する習慣を大切にすることです。
思考力を問う問題、作業をする問題、考える問題は授業や宿題に含まれています。難しいと感じたり、面倒なものに見えたりしても、必ずチャレンジしてください。途中まででもいいです。できるところまででいいので考える習慣をつけましょう。
4月から中学3年生になった皆さんは来年、実際に受験を迎えます。
いつ受験生になりますか?中学3年生になってからでいいですか。あるいは夏休みぐらい?部活動が終わってからでもいいでしょうか。
実は、この「高校入試報告会」のコラムを発信しているということは、昨年の入試は既に終わっているということです。
つまり、現在の中学3年生の入試まで、もう1年365日ないということなのです。ここで伝えたいことは、このコラムを読み終わった時、気持ちを切り替えてほしい、今日受験生になってほしいということです。
では、「今日受験生になろう」というのは具体的にどういうことだと思いますか?いきなり入試の過去問を必死に解くとか、総合問題をたくさん解くとか、そういうことでしょうか?そこまでできなくてもいいと思います。
まずやってほしい4つのポイントをご紹介します。
全ての授業というのは、学校の授業も塾の授業も、ということです。積極的に参加するというのは、先生が話す内容を一言も漏らさないように集中して授業を聞くこと、そして手を挙げたり、一緒に考えたり、そういう積極的な作業に参加するということです。そうすることで、授業で一つでも多くのことを理解し、覚えることができるようになりますし、授業のワークの中で、思考力を鍛えるトレーニングもできます。
学校の授業の時間だけでは覚えきれないこともあります。それは必ず授業が終わってから、家に帰ってから覚えましょう。
そして、ぜひ授業の復習をしてください。さらっとでいいので、どういう流れで、どういう思考だったかをその日のうちに確認してください。
学校や塾に、いわゆる教科書ワークのようなものがあると思いますが、しっかり取り組んでほしいです。例えば、新しく学習指導要領に加わった単元は、入試の過去問を解いても出てこない場合がほとんどですが、ワークには載っています。バランスよく勉強してほしいということです。
つまり、テストでよほどのことがない限り、必ず×(不正解)がつきます。
×がつくというのは嫌ですよね。そのテストは、例えば公開テストや公開模試であっても、学校の定期テストや単元テストであっても、点数が良くないのは嫌なものです。でも、そこに付いている×、その×を1つでも2つでも〇に変えるということができたら、成績は伸びるということです。×を〇に変えることが、実は成績を上げることになるのです。
ですから、テストで×がついたことは、今であれば逆にラッキーと考えてもいいと思います。「これができればいいんだ」と気付けます。そしてテストも復習(やり直し、解き直し)を必ずやってください。
では、4つのポイントをおさらいします。ポイントは下記の通りです。
以上のことを心がけて、その日のうちにできることができたら、もう受験生になっているということです。今日から受験生になってください。
このコラムを読んだ皆さんには、第1志望をあきらめない受験生になってほしいと思います。入りたい学校を目指して最後まで勉強をし、実際に志望校に合格して、その高校の高校生になってください。
=スクール21入試情報センター「2022年高校入試報告会」より=
☆5月26日からは
新連載<2022年県立御三家入試分析会編>を配信します。
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