春季高校野球関東大会 (29日・宇都宮清原球場)
関東第一に4対1
最終日は決勝を行い、浦和学院が関東第一(東京1位)を4―1で下し、5年ぶり7度目の栄冠を獲得した。
浦和学院は一回、高山の左犠飛で先制。二回に同点とされたがその裏、伊丹の左前タイムリーで勝ち越し。続く金田の中前適時打で追加点を奪った。七回には、八谷の右前適時打でリードを広げた。投げては先発の芳野が6回4安打1失点と好投。浅田、金田の継投で逃げ切った。
投打に隙見せず夏へ
投打で隙なしの快勝劇で、浦和学院が5年ぶりに春の関東王者に返り咲いた。
気温30度を超す真夏日の中で行われた決勝。「関東大会は夏のデモンストレーション」と位置付けた浦和学院にとって、本番の夏を前に関東の強豪との対戦は貴重な経験となった。
「バントのサインを多く出したことで、相手を苦しめる攻め方ができた」と森監督。その象徴は一回の攻撃だ。無死一、二塁から3番金田が「点が欲しかったからつなぐことを意識した」と犠打のサインに、三塁線へのセーフティーバントで応え、好機を演出。後続が走者をかえし、すかさず先制した。
投げては、県大会の決勝で6回無安打無失点と好投した芳野が先発。「小技でかき回してくる印象だったから、全部の球種を使って抑えた」と低めに球を集め、6回4安打1失点と再び快投した。
選抜大会後、公式戦9試合で計63得点と打線が奮起。投手陣は、浅田、芳野と、2番手以降が成長した。指揮官は「一番の収穫は負けなかったこと」と総括した。だが、走塁ミスや関東大会の4試合で8失策の守備を課題に挙げ、「みんなが意識を持ってもらいたい」と修正を図っていく。
夏の埼玉大会まで約1カ月半。県内5季連続優勝に向けて、主将の八谷は「勝ち続けていることにおごらず、足元を見ていきたい」と勝ってかぶとの緒を締めた。
急成長 芳野が好投
県大会決勝以来の登板となった浦和学院の先発芳野が、6回4安打1失点で強打の関東第一打線を抑えた。「チームが打ってくれるから、最少失点に抑えることだけを考えた」と汗を拭いながら満面の笑顔で語った。
エースの宮城にも負けない安定感ある投球だった。「的を絞らせなかった」と変化球を巧みに駆使し、凡打の山を築いた。打たれる気配がみじんもなく、三回以降は三塁ベースを踏ませなかった。
今春は、県と関東大会の3試合に登板。「状態はいいから結果を残すしかなかった」と16回を投げて被安打5、自責点0と投手陣をけん引する左腕に急成長した。「浦和学院の投手は宮城だけじゃないところを見せて、チームに貢献したい」。春で得た自信と結果を胸に、高校生活最後の夏に挑戦する。
会心の一打で勝利に貢献 八谷
主将の6番八谷が、七回1死一、二塁から右前適時打を放ち、勝利に貢献した。「焦ってしまう場面だったけど、冷静に考えることができた打席だった」と振り返った。
「調子は良くない」と言いつつも、関東大会の全4試合で11打数6安打を記録。「八谷の成長は大きい」と森監督をうならせるほど頼もしい6番打者になった。
佐賀県出身。中学時代は、U―15(15歳以下)の日本代表に選ばれた三塁手は「もう一段階大きくなった」と収穫の春を実感していた。
注目の3番 二刀流光る 金田
プロ注目の3番金田が、打っては3安打1打点、投げては九回に登板して打者4人を1安打無失点に抑えた。投打に活躍し、「調子が悪い中、どうするか考えて結果を出せたのは収穫」と自信を手にした。
一回無死一、二塁からセーフティーバントで好機を演出。「昨年まで2番を打っていたからバントは得意」と長打力だけではく、小技もできることを証明した。「夏までの短期間で飛躍的に技術は成長しないから、調子を上げたい」。万全の状態で本番を迎える。
=埼玉新聞2022年5月30日付け8面掲載=
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