オリックス岡崎 スカウトへ転身
元高校球児が第2の野球人生を歩み始めた。花咲徳栄高の元主将で、プロ野球のオリックスで5年間プレーした岡崎大輔(23)が、今年から同球団の北関東担当スカウトに転身した。23歳という若さでの抜てきに、「不安はあるけど、選手が将来どうなるかと思いながら見るのは楽しい」と期待を膨らませる。
プロの壁は厚く
幸手市出身。同校では「3番・遊撃手」として2年夏から3季連続で甲子園に出場した。2016年のドラフト会議でオリックスに3位指名を受けて入団。今や日本球界のエースに成長した山本由伸投手ら同期と共にプロ生活をスタートさせた。
1年目から1軍デビューを飾り、初安打を記録。「5年以内に活躍してやるぞ」。2年目以降への期待が高まった。ただ、プロ野球選手の平均在籍期間は7年。プロの壁にぶつかったという。
「本当に厳しい世界だけど、俺は活躍しているだろうなと勘違いしていた」と、思うような成績は残せなかった。20年から育成登録、21年に再び支配下登録となったものの、シーズン終了時に戦力外通告を受けた。チームが25年ぶりのパ・リーグ優勝に沸く傍ら、「これ以上レベルアップしても、プロに戻ることはできない」とユニホームを脱いだ。
引退する時は、恩師の岩井隆監督に報告。食事に行き、ねぎらいの言葉をもらったという。「たくさんの人が集まるような人材になりなさい」と渡された名刺入れは大切に使っている。「5年で終わったけど、野球に対する姿勢が通用したのは岩井監督のおかげです」と感謝した。
輝く原石求めて
スカウトを担当して6カ月。「僕たちの仕事は試合内容ではなく、選手の動きを見ないといけない」とバックネット裏が定位置となった。時には、注目選手の視察のため、かつての宿敵・浦和学院のグラウンドを訪れることもある。「現役時代は、ライバルだったから絶対に行けない学校。初めて見た時は、新鮮だった」と練習環境に驚いたそうだ。
スカウト業は40、50代が大半で、23歳での就任は異例。岡崎の人柄や観察眼が評価されている証しだ。「こんな若造、と思われることもあると思う。だから僕は誰よりも試合を見て、現場に行くスカウトになりたい」。白球を追った目で、光り輝く原石を探す。
=埼玉新聞2022年6月4日付け7面掲載=
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