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【高校野球】「どこにも負けられない」-上尾高校(ストップ・ザ・ウラガク1)

 一強の時代は迎えさせないー。7月8日に開幕する第104回全国高校野球選手権埼玉大会。今夏の注目は、選抜大会4強の浦和学院が史上初の県内大会5季連続優勝を達成するのか。それとも県内公式戦25連勝中の王者にストップをかけるチームが登場するのか。「ストップ・ザ・ウラガク」をもくろむ有力校、そして偉業を狙う浦和学院の現状を追った。

 

 上尾高校 

本番さながらに守備練習に取り組む上尾の選手たち=上尾高グラウンド

 

「俺たちは上尾だぞ。どこにも負けちゃいけないんだよ」
 6月22日、上尾のグラウンドに高野監督の気持ちのこもった声が響く。選手たちには、練習の最初から最後まで全力でやり遂げる姿勢があった。勝利のため、常に本気で戦っている。
 7度の甲子園出場を誇る上尾は、埼玉高校野球の一時代を築いてきた伝統校の一つだ。故・野本喜一郎氏が率いた1980年春には、当時史上初の県内4季連続優勝を達成した。その大記録の更新が懸かる浦和学院に、今チームは2度苦杯を喫した。
 1度目は、2―3で敗れた昨秋の県大会準決勝。一回に3失点するが、二回以降は2番手の川口が2安打無失点に抑えて、あと一歩まで追い詰めた。だが、2度目の対戦となった今春の県大会準決勝では、0―6の完封負け。技術面だけではなく、主将の金丸は「選抜4強の浦和学院という名前と気持ちで負けてしまった」と語った。
 ただ、この強豪を破らないと甲子園の道はない。高野監督は「結束力がないと浦学にはかなわない。そういう意味で、試合に出ようが出まいが全員でベストを尽くさないといけない」。今春の屈辱を糧に上尾の選手たちは、どの練習をとっても声が切れることなく真剣だ。3年生のみならず、先輩の練習を見て学ぶ1、2年生も含めた全員
が甲子園出場を目標に足並みをそろえている。
 浦和学院と対戦するには、決勝まで勝ち進む必要がある。3度目の正直を実現するため、金丸は「夏は何が起こるか分からない。一つ一つ勝つだけ」と目の前を大事にする。そして、指揮官は「彼らが1年生の時、甲子園を目指したくても目指せなかった先輩の姿を見てきた。私自身も目指せることを大切に思って、どこのチームよりまとまって戦いたい」と話す言葉には熱が込められていた。

 

=埼玉新聞2022年6月28日付け7面掲載=

 

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