「挑戦する意欲 大事」
外交や国際情勢などに関心を深めてもらおうと、加須市の県立不動岡高校(豊田清明校長、生徒数1062人)で7日、1、2年生713人を対象にした外務省の「高校講座」が開かれた。同校卒業生でもある在ブルネイ日本国大使館の須田敦参事官(56)を招き、講座と交流を行った。
生徒たちと歓談する在ブルネイ日本国大使館参事官の須田敦さん(中央)=7日午後、加須市不動岡の県立不動岡高校
須田さんは川口市出身。同校では野球部で活躍。明治大学を卒業後、米国留学を経て石油公団で働き、外務省へ転籍。カザフスタンやフランス勤務などを経て、現在、ブルネイ日本国大使館で外交官をしている。専門はエネルギー安全保障など。
須田さんは「ブルネイは東南アジアのボルネオ島の北部に位置する小さな国で、三重県とほぼ同じ面積。人口は約43万人。天然ガスと石油の産出国で、1972年に天然ガスを日本に輸出してから50年になる。頼りになる国なんです」と紹介した。
そして、「国王を中心とする立憲君主制の国で、宗教は多くがイスラム教。恵まれた天然資源の恩恵もあり、教育費と医療費は無料。厳格なイスラム教の国なので、酒は一切飲めない。これはつらい」とも話した。
仕事を通して得られたことについて「ブルネイを愛する気持ちが一番強い。王族関係者とのつながりも深まった」と話した。結びとして、在校生に向けて「国際社会で生きるなら、まずは語学。日本は信頼の置ける国と評価されている。新たに挑戦する意欲が大事」とアドバイスした。
須田さんと歓談した同校野球部の増田政尋(まひろ)さん(2年)は「日本と世界をつなぐ外交官という大事な仕事をしていて、すごい。話を聞いて、感動した。野球の話もできて、楽しかった」とにっこり。
鈴木歩理(あゆり)さん(2年)は「いま、県のグローバルリーダー育成プロジェクトに参加している。来年1月にはシンガポールに行く。外交官の仕事に興味を持っている」と話した。
=埼玉新聞2022年9月10日付け11面掲載=
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