春日部を中心に県内、都内で日本舞踊を指導する藤間眞白さん(34)。地元春日部で生まれ育ち、400年以上続く日本舞踊と藤間流勘右衛門派の伝統を今に伝えるとともに舞踊を生かして地元の若手らと連携し、地域の活性化に取り組んでいる。
日本舞踊の魅力について「大人から子どもまで幅広く楽しむことができる。非日常的な空間で、老若男女、動物、何の役にでもなりきることができ楽しい」と話す。
稽古場で子どもに日本舞踊を指導する藤間眞白さん
祖母の影響で日本舞踊を始め、3歳で初舞台、中学生で「名取」に。高校は、当時開校した県立芸術総合高校に入学。芝居やダンス、バレエなど異なるジャンルの舞台芸術に触れ「舞台に立ち表現をすることについて、たくさん刺激を受けた」と振り返る。大学卒業に合わせ「師範」に。春日部の稽古場を拠点に後継の指導に当たっている。
地元の若手が商店街を盛り上げる「NEXT PROJECT(ネクストプロジェクト)」では、着物姿で飲食店などぶらり街歩きを楽しむ動画をアップ。「思い出がある地元、商店を盛り上げたい」との思いだ。10月30日には、粕壁南公民館で開かれるフェスで、舞台に立つ。
敷居が高いと思われがちな古典芸能の魅力を、インターネットや交流サイト(SNS)を駆使して広める。「背筋がしゃきっと、姿勢が良くなるだけでなく、足腰や体幹が鍛えられ健康にも良い」と身近な言葉に置き換える。
かつて日本の暮らしに根付いていた動作を再現する日本舞踊。現代の生活にはなじみがない感覚を体験する醍醐味(だいごみ)があるという。「時代劇を見ているようなところがあるので難しい。ただ一段掘り下げ、歴史を感じるようになるとずっと面白くなる。日本舞踊にはテキストや楽譜、メソッドのようなものはない。師匠から口伝で教わり、体で覚え受け継いできた伝統を守りたい」と志が高い。
=埼玉新聞2022年10月2日付け10面掲載=
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