いよいよ志望校最終選択の時期。迷える受験生に、ベテラン先生がアドバイスします。
◆自分の考えを伝えているか
生徒 親から行きたい学校を反対されています。どうしたらいいですか。
先生 あなたには行きたい学校があるのですね。
生徒 はい。でも、親は「そんな学校に行くくらいなら就職した方がいい」とか、「親の言う通りにすれば間違いがない」とか言ってきます。
先生 それはつらいですね。
生徒 そういう親なんです。僕が何か自分で決めようとすると、必ず口出ししてきます。まずは否定して、自分の意見を押し通す。「お前のためだ」って。は?自分のためだろって心の中で思っていますけど。
先生 あなたには、不満などがたくさんありそうですね。
生徒 ええ、不満だらけです。
先生 それを親御さんには伝えていますか。
生徒 いいえ、親には言いません。どうせ否定されるだけだし、話しても意味がないので、普段はほとんど会話しません。
◆親も不安だって考えたことありますか?
先生 そうなんですね。それだと、あなたが日頃、何を思い、考えているのか、親御さんも分からなくて、不安に感じているかもしれませんね。
生徒 いえいえ、僕が何を考えているか分からなくても、うちの親が不安だなんて、あり得ないです。
先生 どうしてそう思うのですか。
生徒 不安だったら、もっと・ ・ ・なんて言うのかな、弱いところ?そういうところがあってもいいと思うけれど、うちの親は、その逆ですね。強いですから。
先生 強いのですね。
生徒 そう。言い方もキツいし、こっちの話は聞こうとしないし、子どもの気持ちを無視して、 「親の言うことを聞け」 って、やたらと威張ってるし。
先生 あなたにはそう見えるのですね。私には、「親なら子どもに弱いところを見せられない。強くあらねば」 と、ものすごく頑張っていらっしゃるようにも感じられるのですが。
生徒 え、親のことをそんな風に見たことはなかったです。
◆お互いの理由や背景を知ろう
先生 子どもに対する関わり方って正解はないし、誰も教えてくれないから、親だって不安に思っているものです。
生徒 親は自信満々だから、自分の意見を押し付けてくるのだと思っていました。
先生 あなたの親御さんも、子どもに何かあったとき、いつでも頼られるような親、強い親でありたいと頑張っていらっしゃるのかもしれません。
生徒 でも、僕の行きたい学校のことを自分から聞いておきながら、その理由は聞かずに、いきなり否定してくるのは、やっぱり納得できません。
先生 そうですね。あなたの話をきちんと聞いてほしいですね。あなたは、親御さんが反対する理由を聞きましたか。
生徒 いいえ。聞いてないです。
先生 そうなんですね。あなたも親御さんも、お互いの考えやその理由、背景を知ろうとしないで否定しあっているようで、その関係性はちょっと淋しいですね。
生徒 はい。話していて、僕も親の考えを知ろうとすらしていなかったなあと思いました。一度、きちんと親と話してみようと思います。
(文・構成=M ・ COACHING代表 相原めぐみ)
=2022年10月18日付け 令和5年度高校入試対策特集 ―秋冬号―より=
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