第90回埼玉県駅伝は5日、男子はさいたま新都心駅前、女子は鴻巣駅東口付近から、ともに熊谷スポーツ文化公園陸上競技場にぎわい広場にゴールするコース(男子=6区間40・695㌔、女子=5区間19・0㌔)で男女計85チームが参加して3年ぶりに行われた。同陸上競技場の改修工事に伴い、男女ともに例年より1・5㌔コースを縮めて実施された。
高校男子の部は昨年12月の全国高校駅伝で4位の埼玉栄が2時間1分8秒で、中止になった第88、89回大会を除いて4連覇した。2~5区で区間新記録をたたき出すなど圧倒的な走りで、2位の花咲徳栄に4分30秒差以上をつけてゴールした。
一般男子の部は立大Cが2時間5分3秒で初優勝。2位でたすきを受けた2区加藤が区間新で先頭に立つと、3区相沢以降で後続を突き放してフィニッシュした。芝浦工大1年が2位に続いた。
一般・高校女子の部は、埼玉医科大グループが1時間5分7秒で初の栄冠を手にした。2区伊東が2位から首位に躍り出ると、3区今泉が区間新の快走で高校勢を寄せ付けなかった。昨年12月の全国高校駅伝に出場した昌平高が2位になった。
市町村男子の部は上尾市陸協Aが2時間8分21秒で中止を除いて3連覇に輝いた。5区中島がトップに抜け出すとアンカー加藤が2位の川越市陸協Aから逃げ切った。
高校男子 埼玉栄
3冠達成 真の王者に
高校男子の部 埼玉栄の4区吉田蔵之介(左)から5区本間颯へたすきが渡る
埼玉栄は圧倒的な力を見せつけ高校男子の部を制した。2019年度以来となる同年代で全国高校駅伝県予選、奥むさし駅伝、県駅伝の県内主要3大駅伝を制覇し、埼玉高校男子駅伝の絶対的王者として君臨した。
一般男子の部で優勝した立大Cに3分55秒差をつけるなど、男女全4部門中のトップに立った。神山監督は「3大会制覇が大きな目標だった。真の埼玉王者になれて充実感がある」と満足の表情を見せた。
全6区間中、4区間で区間新記録を樹立。立大Cの原田監督が「埼玉栄の子にはやられた。速すぎるよ」とうならせるほど、埼玉栄の走力はずば抜けていた。
1区佐藤が高校男子部門の2位で2区松井につなげると、松井は3㌔過ぎで花咲徳栄を捉えて先頭に。立大Cと同じタイムでたすきを受けた3区久保田は「引っ張ってもらいながらプレッシャーを与える」と大学生の背中を追い、残り1㌔で首位に躍り出た。
その後は埼玉栄の独り旅。4区吉田と5区本間で後続に3分以上の差をつけると、アンカー小山は「楽しむことを考えた」と参加85チームの中で一番最初にゴールテープに飛び込んだ。
3年生にとって今大会がラストレース。これまで全国高校駅伝4位に入賞するなど好成績を残した。主将の本間は「県駅伝で走った6人だけではなく、他の選手も走れるチーム層があったから勝つことができた」と強さの秘訣(ひけつ)を分析する。
そして、3年生たちは次々と神山監督への感謝の思いを口にした。久保田は「1年生の時、けがをして陸上をやめようと考えたけど監督の言葉を信じたから充実した3年間を送ることができた」と話し、吉田は「ここまで来られたのは監督のおかげ。感謝しきれない」と言い残し、競技場を後にした。
市町村男子 上尾市陸協A
経験引き寄せた3連覇
市町村男子の部 上尾市陸協Aの4区小櫃裕太(左)から5区中島充博へたすきリレー
上尾市陸協Aが3連覇(中止の第88、89回大会を除く)を達成。左手で数字の「3」を示してゴールしたアンカー加藤(上尾高出)は「一言では言い表せない」と喜びを爆発させた。
中盤まで2位と追う展開だったが、3~6区を走った優勝経験者が区間賞で3連覇を引き寄せた。1位の川越市陸協Aと29秒差でスタートした5区中島(栄北高出)が「抜かすしかない」と4㌔地点で逆転し、さらに後ろと1分39秒差をつける驚異の活躍。それでも中島は「総合力がよかった」と謙虚にほほ笑んだ。
前回優勝時、20代だった主力は3年ぶりの開催で30代中心に。円熟期でつかんだ栄冠に監督兼選手で区間新を記録した3区村松は「一人一人の駅伝への思いが強く、レベルもさらに上がっている」とまだまだ王座は譲るつもりはない。
=埼玉新聞2023年2月6日付け7面掲載=
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