「受けるたびに新発見」
さいたま市中央区の県立いずみ高校環境建設科3年の小林由依さん(18)が、在学中にとび、型枠施工、左官、鉄筋施工の4種類の3級技能検定に合格した。実技研修や学科対策をこつこつと重ねてきた小林さんは「一つ受けるたびに新しい発見があって楽しかった」と振り返った。
技能検定は、働く上で必要な技能の習得レベルを評価する国家検定制度。同校では将来建設や土木業界を目指す生徒たちを後押ししようと、資格の取得を奨励している。技能検定にも毎年生徒たちが積極的に挑戦し、合格者を出している。
小林さんは土木関係の仕事をしていた祖父の影響もあり、小さい頃からものづくりの仕事を身近に感じていたという。「将来何をやりたいか考えた時に、自分が好きなものづくりに関わる仕事で役に立ちたいと思った。せっかくなら早いうちに資格も取りたい」と考え、同校に入学した。
2年の夏にとび3級技能検定に初めて挑戦。実技試験では足場の組み立てで重い資材を持ち上げるなど力仕事もあったが、同科の鳥羽英司教諭や木村奏太実習助手の指導の下で対策を重ねた。施工方法や安全衛生など幅広い知識が問われる学科試験にも見事クリアした。
その後も、型枠施工、左官と合格し、四つ目に受験した鉄筋施工も10日に合格通知が届いた。「一つ受けたら楽しくて、また次の検定を受けてみようという感じで気付いたら四つ取っていた」と笑顔を見せた。
鳥羽教諭は「高校生で4種類の取得は珍しい。県内でも他にいないのでは」と話し、「何事にも興味を持って積極的に取り組み、力仕事など苦労したと思うが頑張ってくれた。若い力で土木業界を盛り上げてもらいたい」と期待を寄せていた。
今月10日に卒業式を終え、来月からは「関東建設マネジメント」(さいたま市大宮区)に入社し、社会人として新たな一歩を踏み出す。小林さんは「経験のある先輩方に教えてもらいながら一から学んで成長し、会社に必要とされる人材になっていきたい」と力を込めた。
=埼玉新聞2023年3月16日付け10面掲載=
関連記事
サイト内の
いずみ高校の基本情報は→こちら
カテゴリー
よく読まれている記事