熊谷市妻沼出身で、ニュース専門のコント集団「ザ・ニュースペーパー」のメンバーだった桑山元さん(53)の講演会が、熊谷市立文化センターで開かれた。講演会は、リーダーシップやコミュニケーション能力向上のために活動する「ITC―J彩玉クラブ」(永井真澄会長)の創立30周年を記念して開催。「お笑い芸人が伝授する伝わる話し方」と題し、ワークショップ形式を交えて行った。
会場を沸かせながら熱弁を振るう桑山さん(右)=熊谷市の市立文化センター
「大勢の前で話すコツ」ワークショップでは、会場から3人が舞台上に上がり、即興で1分間スピーチ。次に桑山さんがそれぞれにアドバイス。2回目のスピーチはより具体的で説得力が増した。アドバイスの中身は「大勢に向かって話そうとするのではなく、たった1人に向かって反応を見ながら話すこと」。これだけで緊張も和らぎ、プレッシャーからも解放されたという。
ほかにも「傾聴の相づちを打つ時は、ほんの少し感情を込めると聞き上手になる」。次から次へと話題が広がりがちな人には「何が言いたかったのか、お話迷子になりやすいので、7割で話し3割は次の展開を考える」などと伝授した。
桑山さんは早稲田大学本庄高等学院から同大教育学部、声優養成所などを経て、ニュースペーパーで19年間活躍。映画にも出演するなど俳優としても注目を浴びている。舞台や演技の評価も高く、新入社員研修などで引っ張りだこという。
市内新堀の杉浦順子さん(60)の「障害のある夫がメールで気持ちを正しく伝えるにはどうしたらいいか?」との質問には、「今、会場の皆さんは杉浦さんの質問に全身を耳にして聞きました。言葉は道具。(愛情の)思いや気持ちが伝われば言葉はなくてもいい」と桑山さん。
主催した永井会長は、「楽しく面白く最高の学びを頂きました」と締めくくった。
=埼玉新聞2023年5月22日付け9面掲載=
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