埼玉新聞社 高校受験ナビ

【全国高校総体】ボクシング 陸上(第3日~最終日) フェンシング 体操 相撲 結果

ボクシング

伊達(花咲徳栄)が準優勝
銀メダルも笑顔は金

ボクシング男子ライト級決勝 果敢に攻める花咲徳栄の伊達勇次郎=北ガスアリーナ札幌46

 

 ライト級決勝で花咲徳栄の伊達は、1回1分37秒RSC負けで準優勝。開始20秒まで果敢に仕掛けたが、「(パンチを)もらった瞬間に訳が分からなくなった」とダウン。それでも、「決勝に初めて来ることができてよかった」と達成感をにじませた。
 中学2年時からボクシングを始め、今大会前までの最高成績は高校2年時の国体ベスト8。「高校1年から試合に出させてもらえるようになったけど、勝てないことが多かった」。悔しさを感じながら高校生活最後のインターハイに向けて得意の左ボディーを最大の武器にするため、磨きをかけた。「最後の大会は自分の実力以上を出せたら」と臨んだ今大会初戦の2回戦で左ボディーでKO勝ちすると、「得意な形で勝って、自信がついて調子が上がった」。順調に勝ち進んで決勝まで上り詰めた。
 人生初のメダルを掲げることができ、「決勝の1ラウンドで倒されて申し訳ないけど、今大会は90点ぐらいの出来だった」と金メダル級の笑顔を見せた。

 

陸上

女子走り幅跳び 6位の池上
悔しさ力に

女子走り幅跳び決勝 5㍍65で6位に入賞した埼玉栄の池上瑠依=札幌厚別公園競技場

 

 女子走り幅跳び決勝は、埼玉栄の池上が5㍍65を記録し、昨年より二つ順位を上げる6位で入賞。だが、本人は「全然よくない」と唇をかんだ。
 決勝は気温27度、湿度84%とじめじめした環境。それに加えて気まぐれに吹く風に影響され、「焦っちゃって助走が安定しなかった」。1本目で5㍍65を記録すると、それ以降は記録が伸びなかった。環境だけではなく、「(6月の)U20(20歳以下)日本選手権みたいに3本ファウルしたら、どうしようと思った」と苦い経験が足かせとなった。2年連続でインターハイを経験し、今回は反省が多いだけに「どんな状況でも6㍍を跳べるようにしたい」と悔しさを力に変える。

 

絶好調も悔しさ
男子5000㍍・松井(埼玉栄)

 男子5000㍍決勝で埼玉栄の松井が、13分56秒81で7位に入賞した。留学生が上位4人を占めたレース展開に「自分は絶好調だったけど上には上がいることを知った」と悔しさをにじませた。
 前半は第2集団後方に位置し、終盤にかけてスピードを上げる得意な形を披露。だが、残り200㍍で力を振り絞れず、「8番以降にならないようにしようという走りになった」と反省した。「中盤、後半にペースダウンしない体力を付けないといけない」と県高校駅伝に向けて鍛錬する。

 

女子三段跳び 田口(国際学院)大会新 初V
男子走り高跳び 中村(昌平)6位入賞

女子三段跳び決勝 12㍍85の大会新記録で初優勝した国際学院の田口侑楽=札幌厚別公園競技場

恩師と刻んだ大記録

 北海道で歴史を変えるビッグジャンプを見せた。女子三段跳び決勝は、国際学院の田口が12㍍85で大会新記録を樹立し、初優勝。5月の県高校総体で自身が築いた県高校記録を4㌢更新した。「自己ベストを出すことができてうれしい」とほほ笑んだ。
 大記録をつくったのは、最後の6本目。1本目はファウルで、2本目で12㍍55をマークするが、それ以降は記録が伸びずにいた。悩んでいる時、スタンドで見守る児玉監督から「力まないで自分の感覚を合わせれば記録は伸びるよ」。アドバイスを受けたことで気持ちが整理されて臨んだ6本目で、田口は「ラスト一本で決められるからリラックスするようにした」と大きな跳躍を披露し、スタンドから歓声が湧いた。
 三段跳びを始めたのは高校1年時。中学校までは100㍍と走り幅跳びが本職だったが、児玉監督から勧められて競技と出会った。昨年のインターハイでは12位と結果が出ず、苦しい時期も監督から声をかけてもらい支えられた。「自分らしい跳躍ができたのも先生の力が大きい」と二人三脚でつかんだ栄冠だ。
 自分に厳しい性格だけに「日本高校記録(12㍍96)の更新と13㍍を越えることができなくて悔しい」と満足はしない。優勝したことが大きな自信となり、「世界で戦える選手になりたい」と夢を抱いた。

 

全国の舞台でつかんだ経験

男子走り高跳び決勝 2㍍00をマークし、6位に入賞した昌平の中村楓馬

 男子走り高跳び決勝で昌平の中村が2㍍00を記録して6位に入賞した。「目標の入賞ができてよかったし、楽しんで跳躍することができた」と頬を緩めた。
 初めてのインターハイで、緊張した様子もなく堂々とした姿で跳躍を見せた。「自分的にはインターハイという感じがなく、いい意味で普通の大会に感じた」。2㍍00で予選を通過すると、決勝では2㍍00までオール1本で成功させた。
 今大会では貴重な経験も手にすることができた。「予選は参加者が多くて、1回跳んだら次が1時間後と調整が難しかった」と全国大会でしか得られない学びがあった。「上には上がいるから追い付かないといけない。大学でも戦っていけるように力を付けたい」と北の大地で迎えた夏は充実したものとなった。

 

 

フェンシング

存分にスピード発揮

男子サーブルで優勝した星槎国際の伊藤羽舷(左)と3位入賞した立教新座の河原資起(提供)

 

 男子サーブルは、星槎国際の伊藤が初の栄冠に輝いた。決勝では持ち味のスピードを存分に発揮。15点目を決めて勝利を確信し、「支えてくれた人や、つらかったことが込み上げてフラッシュバックした」と涙を流した。
 競技レベルを上げるため、昨年4月に福岡から転校したため、昨年はインターハイに出場することができなかった。「1年間、試合をしても結果が出ずに苦しかった」ともがいた。それでも練習を重ねて臨んだ今大会。予選を全勝し、決勝トーナメント1回戦では「一番強い相手」と評する相手に競り勝つと勢いに乗って勝ち進んだ。
 栄冠を手にしたことで自信がついた伊藤は「U20(20歳以下)世界選手権に出場して入賞したい気持ちがより強くなった」と意気込んだ。

 

体操

支え合いつかんだ栄光

体操女子団体決勝 個人総合と合わせて2冠を達成したクラークの岸里奈=札幌市北海きたえーる

 

 体操女子の団体総合は、クラークがトータル160・864点を記録して初優勝。個人総合でも1年生の岸が56・832点で初の頂点に立って2冠を達成した。タイトルを総なめした要因について、岸は「みんなが励まし合って支え合うことができたのが大きい」と振り返った。
 最終日の決勝は、岸が大躍進した。4月の全日本個人総合選手権で3位、5月のNHK杯では全日本との合計で2位に入り、今秋の世界選手権日本代表に初選出された実績を胸に、安定した演技を披露。1種目目の平均台では落下して高得点とはならなかったが、残り3種目で全て1位。特に跳馬ではユルチェンコ2回転ひねりに挑戦し「理想の形だった」と文句なしの出来だった。
 岸だけではなく、それぞれの活躍も大きかった。若月と高橋は、得意の平均台でミスなしで成功。平川は合計点で予選を上回る得点をたたき出して団体優勝に貢献した。若月は「予選の段階まで自分たちがどれくらい力があるか分からなかったけど、優勝できてうれしい」と話した。小学生時代から戸田市スポーツクラブで切磋琢磨(せっさたくま)した4人でトロフィーを掲げた。
 2年生は高橋のみで、他の3人はまだ1年生と伸びしろ十分なメンバー編成。岸は「チームで優勝できたことが自信になったから、次に向けて波に乗れる」と意気込んだ。

 

相撲

団体 埼玉栄5年ぶり頂点

団体で5年ぶり11度目の栄冠に輝いた埼玉栄(提供)

 

 相撲の団体決勝で埼玉栄が、3連覇を狙った鳥取城北に4―1で快勝。昨年の決勝で競り負けた雪辱を果たし、5年ぶり11度目の栄冠に輝いた。山田監督は「決勝の相手とは常にライバル関係を意識していたので勝ててよかった」と語った。
 相手の強さを知るだけに先手必勝の意識で臨んだ。先鋒(せんぽう)を務めた主将の田崎は「ここまで来たらやるしかない。自分が勝って流れをつくる」と白星を挙げ、そのまま副将まで4連勝を収めた。
 1回戦から決勝までの計5試合全てで4―1と危なげない戦いぶり。田崎は「一人一人の責任感と仲間への信頼で自信があった」と誇らしかった。

 

=埼玉新聞2023年8月5日付け7面、6日付け11面、7日付け6面掲載=

 

サイト内の

花咲徳栄高校の基本情報は→こちら

埼玉栄高校の基本情報は→こちら

国際学院高校の基本情報は→こちら

昌平高校の基本情報は→こちら

カテゴリー

よく読まれている記事

最新の記事

TOP