3年越しの企画実現
県立川越高校音楽部の第73回定期演奏会が川越市のウェスタ川越大ホールで開かれ、現役部員とOB合同の100人超による男声合唱を披露した。3年前の第70回定期演奏会記念の特別企画だったがコロナ禍で中止。3年越しの実現となり、ほぼ満席の会場を沸かせた。
現役、OBによる総勢107人の男声合唱を披露した川越高校音楽部。指揮は荻久保和明氏(中央)=川越市のウエスタ川越大ホール
演奏したのは、現役2、3年生9人とOB98人の総勢107人。最高齢は85歳だった。当日は、4ステージ構成。落ち着いた豊かな音色が響きわたる校歌の合唱で始まり、本年度の全日本合唱コンクールの課題曲と自由曲、合唱・ピアノ・指揮・演劇を全て部員が担うコミカルな劇のほか、四つの合唱曲を披露した。
最後を飾ったのが「OB合同ステージ」で、同音楽部をつくった牧野統作詞作曲の「光よ音の流れよ」と、伊藤海彦氏作詞、同部OBで東邦音楽大学特任教授の荻久保和明氏作曲の「季節へのまなざし」を演奏。荻久保氏本人が熱い指揮を披露し、大きな拍手に包まれた。
同校音楽部は、コロナ禍の2021年に入学した3年生が6人、翌年入学の2年生は3人と少ない。今年はコロナ禍が明け、1年生が11人入部し、73年の伝統をつないでいる。3年生は「先輩たちが脈々と受け継いで来たものを感じる」、1年生は「早く3年生のようになりたい」と意欲を見せた。
OBで合唱を指導しつつ自身も参加した同校音楽部顧問の北風秀和教諭は「音楽部の歴史をこのステージに乗せた」と振り返った。85歳で参加した最長老の男性は「合唱の美しさと一緒に歌う喜びで感動した」。客席からは「70年超の歴史と世代のつながりがすごい」「難曲だったので感動した」などの声が聞かれた。
指揮をした荻久保氏は「本番の熱意はすごかった。厳しい言葉もかけたが、それに応えてくれた。一人一人の歌い人とピアノに感謝したい」と感慨深げに語った。
=埼玉新聞2023年8月30日付け9面掲載=
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