レスリング(22日・鹿児島日置市吹上浜公園体育館ほか)
会期前の5競技が行われ、県勢はレスリングのフリースタイルで6階級制覇した。
少年男子55㌔級は大脊戸逞斗、同60㌔級は永井陸斗、同125㌔級は藤田宝星の花咲徳栄高勢3人が初優勝。成年男子65㌔級は荻野海志(山梨学院大)=埼玉栄高出=、同86㌔級は山崎弥十朗(サイサン)=埼玉栄高出=、同125㌔級は伊藤飛未来(自衛隊)=埼玉栄高出=がそれぞれ栄冠に輝いた。
満身創痍(まんしんそうい)でも、不屈の闘志で初の栄冠をつかんだ。少年男子フリースタイル60㌔級決勝は、永井が佐藤(静岡)にポイント勝ちして初優勝。「人生で初めて全国で1位になった」と喜びをかみしめた。
万全な状態ではなかった。5月上旬に右足の靭帯(じんたい)を損傷。7月の全国高校総体(インターハイ)では右膝を痛め、9月まで本格的な練習ができずにいた。「試合で勝てるか不安だし、痛くて踏ん張ることができなかった」。右足の痛みをこらえながらも勝ち進んだ決勝は、8―4の残り30秒で相手のタックルが右膝に入ると痛みを抑えきれず、倒れ込んだ。勝利を目前にあきらめそうになったが、「どんな方法でもいいから、勝てればいい」。意地で立ち上がると、ポイントを重ねて頂点に立った。
小学1年の時に近所の友達に誘われてレスリングを始めると、勝つことで楽しさを知った。今回の初優勝で向上心はより高くなり、「もっと強くなりたい」と意欲を燃やした。
少年男子フリースタイル125㌔級は、インターハイ王者の藤田が初優勝。「インターハイで優勝したから負けたらどうしようと思ったけど、納得がいく内容だった」とほほ笑んだ。
準決勝は開始39秒、決勝では2分23秒のいずれもテクニカルスペリオリティー勝ち。階級は125㌔級だが、藤田の体重は103㌔と20㌔以上上回る相手に圧倒できた要因は、腕力だった。小学校低学年から父・征宏さんの指導で「世界で通用する重量級選手にする」と毎朝7㍍のロープを腕だけで上る練習を3回実施してから登校するのが日課だった。それもあり、今年は3月の選抜大会、4月のジュニアオリンピックなど個人戦では公式戦無敗。まだ2年生の藤田は「大きな大会で活躍したい」とこれからも注目だ。
少年男子フリースタイル55㌔級で初優勝した大脊戸逞斗(花咲徳栄高)
目標だったインターハイと国体で優勝できてよかった。人間的に成長できたことが大きい。
競泳(鹿児島市鴨池公園プール)
競泳少年女子A200㍍平泳ぎ決勝は加藤心冨(春日部共栄高)が2分25秒54で栄冠に輝いた。
=埼玉新聞2023年9月23日付け1面、7面掲載=
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