集大成の舞台披露
県立秩父農工科学高校(秩父市大野原)演劇部の自主公演「FLASH!(フラッシュ)」が2月4日に、同市熊木町の秩父宮記念市民会館で行われる。毎年、地元商店などがスポンサーとなり、舞台と客席が一体となってつくりあげる1年間の集大成の公演。部員たちは「3年生最後の舞台で、みなさんと一緒に人生の一瞬(フラッシュ)を共有したい」と来場を呼びかけている。
2月4日の本番へ向けて稽古に励む秩父農工科学高校演劇部=24日午後、秩父市大野原
同部は1950年代に創部。これまで、全国大会14回の出場を誇る。昨年は全国大会(会場・鹿児島県)で優良賞、県中央大会(同・さいたま市)で優秀賞を獲得した。自主公演は毎年冬に地元で開催し、今年で44回目。200以上のスポンサーが広告やポスター貼りなどに協力し、地域一帯で盛り上げている。
今回の演目は、現代の若者の生きづらさを描いた創作劇「混沌Sleepy」(コイケユタカ作)と、「帽子屋さんのお茶の会」(別役実作)の2本。毎年千人以上の観客が集まるため、部員たちは本番が近づくにつれて気合いが入る。
24日に行われた稽古では、各シーンのセリフ回しや動きを入念に確認した。舞台監督を務める3年の松本建司さん(18)は「両作とも不条理劇なので、どのような表情や身ぶり、舞台演出をすれば、客席に不条理さが伝わるのか、部員全員で模索し続けた」と熱く語る。
当日は役者、監督、音響、美術など、部員全員で舞台をつくる。部長としてメンバーをまとめてきた3年の粂谷美来さん(18)は「それぞれの思いが交錯し、意見が食い違うこともあったが、『芝居が好き』という気持ちはみんな同じ。毎日が充実した日々だった」と3年間を振り返る。
現在の部員は33人。今回の公演で3年生20人が引退する。粂谷さんは「当日は最高の舞台で客席を盛り上げ、気持ちよくバトンタッチしたい。後輩たちも、3年間、最後まで舞台づくりを楽しんでほしい」と思いを語った。
公演は午前11時と午後4時半開演の2部制。入場券は前売り500円、当日700円。問い合わせは、同校(☎0494・22・3017)へ。
=埼玉新聞 2024年1月27日付け11面掲載=
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