昌平2年ぶりV 川越東下す
5位慶応志木 関東へ
(最終日、12日、熊谷ラグビー場)
決勝と3位決定戦などを行い、決勝で昌平が川越東を33―0で下し、2年ぶり4度目の頂点に立った。
昌平は前半8分、ラックから抜け出したSO宮本が相手をかわし先制トライ。宮本は同19分と後半6分にも追加点を挙げるなど、リードを広げた。川越東は攻守で連係ミスが重なり、ワントライが遠かった。
3位決定戦は熊谷工が浦和に43―0で快勝。5位決定戦は慶応志木が熊谷に24―19で勝利し、2年連続の関東大会出場を決めた。上位5校は関東高校大会(6月8、9日・熊谷ラグビー場)に出場する。
▼決勝
接点で優位に立ち素早いパス回しで敵陣に進入した昌平が、川越東から5トライを奪い快勝した。
昌平は前半8分にラックから抜け出したSO宮本が先制トライ。同19分、後半6分にも宮本が追加点を挙げるなど得点を重ねた。組織的な守備が機能し無失点に抑えるなど攻守で圧倒した。川越東は連係ミスで好機を逸し、得点を奪えなかった。
連係光り完封勝利
決勝 昌平―川越東 前半19分、昌平のSO宮本(中央)が自身2本目のトライを決める
攻守で圧倒した昌平が完封勝ちで2年ぶりの栄冠を手にした。フィジカルで優位に立つと、素早い展開から得点を重ねた。船戸監督は「パスを放れるようになって、ずっとやってきたことを一段階上げてスピードをつけてできた」と選手たちの成長を口にした。
「立体的な攻撃をしようと、FWを入れてラインを深くしたりサポートの寄りも速くした」と主将のSH白鳥。組織的な動きで一気にラインを押し上げ、前半8分のSO宮本のトライを皮切りに計5トライを奪った。
高いランスキルを生かし人生初の公式戦ハットトリックを決め、コンバージョンゴール4本を合わせ計23得点した宮本は「みんなが抜けたり引き寄せたりしてつなげてくれた。仲間のおかげ」と連係の良さを勝因に挙げた。
今大会全3試合で無失点と堅守を誇る昌平。「リーダー陣が無失点を掲げていた。自分たちで立てた目標を達成できるのはすごい」と指揮官。新チーム以降、まだ関東以上の大会で勝利はない。愚直な守備から流れを引き寄せ、まずは関東大会で1勝を奪いたい。
鍛えた守備 最後まで
前半11分、川越東のロック渡辺が突破を図る
川越東は県高校新人大会に続いて再び決勝の舞台で昌平に敗れた。雪辱はならなかったが、望月監督は「体を張った守りでプレッシャーをかけられた。選手たちは最後まで戦い、意地を見せた」と鍛えた守備力を発揮した試合内容を評価した。
守勢の前半を0―12で切り抜けると後半は低いタックルで相手を押し込み、攻撃につなげた。細かなパスで両サイドに展開したが、CTB水島は「相手のサポートが速く、アタックを継続できなかった」と最後まで得点を奪えなかった。
0―33の完敗にも、選手たちは県王者に抗戦する手応えをつかんだ。水島は「春に強化したところの守備は通用していた。これから細かなところを突き詰めたい」と実感を込めた。大舞台での敗戦を糧にさらなるレベルアップを図る。
▼3位決定戦
熊谷工はFW戦で優位に立ち、浦和を圧倒した。前半8分にロック横山の先制トライで主導権を握ると、FW陣の高い突破力で計7トライを奪った。ロック山口は「相手をはねのけようと強く当たった」と守りでも鋭いタックルを見せて、相手攻撃陣を封じ込めた。
5日の準決勝で昌平に0―59の大敗を喫してから、接点の攻防を見直した。高い修正力で盤石に試合を運び、次は関東の強豪校と争う。橋本監督は「成長する機会。秋につながる試合がしたい」と関東大会を見据えた。
少しでも敵陣で
4位・浦和の石井主将の話
ペナルティーばかりでどんどん攻め込まれて相手に流れを渡してしまった。このままではこの先勝てない。もう一歩押し返す気持ちを持って自陣を脱出して、少しでも敵陣でプレーできるようにしていきたい。
関東大会全勝を
5位・慶応志木のフッカー安藤(2トライ)の話
FW全員でモールで押して外に展開してトライを取るラグビーができた。(今季は)FWが前に出る力があり、バックスが回せるのが強み。スクラムを改善して、関東大会では全勝したい。
=埼玉新聞2024年5月14日付け7面掲載=
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