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北関東高校陸上 結果

【第1日】

女子棒高跳び 渡辺(大宮東)初優勝

女子走り高跳び 高橋(埼玉栄)3連覇

(14日・東京都駒沢陸上競技場ほか)

 埼玉、群馬、栃木、茨城の4県が参加して開幕。男女計10種目の決勝などを行い、県勢は4種目で優勝した。
 女子は棒高跳びの渡辺紗莱(大宮東)が3㍍80で初優勝。走り高跳びは埼玉栄の高橋美月が1㍍76で3連覇を達成した。やり投げは佐藤和奏(花咲徳栄)が46㍍35で初制覇した。男子はハンマー投げの富田涼桜(進修館)が59㍍42で初優勝。1500㍍は東農大三の関朝陽が4分4秒35で2位だった。
 各種目の上位6位(女子棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位、男女競歩は5位、男女混成種目は3位までと4~6位の全国記録上位5位)までが全国高校総体(7月28日~8月1日・福岡)に出場する。

 

目標達成も果敢に挑戦

女子棒高跳び決勝 3㍍80で初優勝した大宮東の渡辺紗莱=駒沢陸上競技場

 

 女子棒高跳びは、大宮東2年の渡辺が3㍍80を記録して初優勝した。前回大会は5位で全国総体出場を逃しただけに、「とにかくここを通過できるようにやった。悔しい思いが強かったので優勝できてすごくうれしい」と満足げに話した。
 ポールの勢いを生かした安定感ある跳躍を見せた。3㍍40から10㌢刻みでバーを上げると、3㍍70まですべて1本目で成功。3㍍80を3本目でクリアして優勝を決めた。最後は「県高校記録を意識した」と3㍍86に挑戦したがわずかに届かなかった。
 前回大会で同種目を優勝した二つ上の姉・冴璃さんの影響で小学2年から棒高跳びを始めた。すぐに競技の面白さに魅了され、これまで棒高跳び一筋で練習を積む。「昨年は(姉が)インターハイ2位だったのでそれを超えたい」と目標を掲げた。

 

ハイレベルな争い制す

女子走り高跳び決勝 1㍍76で3連覇を達成した埼玉栄の高橋美月

 

 女子走り高跳びは、埼玉栄の高橋が1㍍76で3連覇を達成。昨年の優勝記録である1㍍73に4人が残るハイレベルな戦いを制した。それでも「優勝したが、ベストが出ずに悔しい」と目標であった1㍍80に届かず、悔しさをにじませた。
 リズムの良い助走から美しい背面跳びを披露した。単独優勝が懸かった1㍍76は2本失敗。「同率では気持ちがよくない。自分なら跳べる」と強い気持ちで3本目を成功させた。優勝確定後は1㍍77の自己記録を上回る1㍍80に挑戦するなど記録への貪欲さを見せた。
 5月の県大会では自分本来の跳躍ができず、記録は1㍍70にとどまった。わずかな期間で11歩だった助走を9歩に見直し、効果を実感。2連覇が懸かる全国総体にも「意識はしない。自分の力を出すだけ」と強く語った。

 

ライバルたたえ2位にも納得
女子走り高・青木

 女子走り高跳びの青木(春日部共栄)は県の絶対王者に屈して2位だった。自己タイの1㍍73を跳び、「踏み切りからすべてうまくいった。最後は相手が強すぎたが、ライバルがいなかったら跳べてはない」と納得の表情を浮かべた。
 自身3度目となる全国高校総体に向けては「自己ベストを更新して3位入賞を狙いたい」と高みを目指す。

 

準優勝も意地示す
男子1500・関

 男子1500㍍は東農大三の関が4分4秒35で準優勝。「ラストで自分の弱さが出た。悔しいけれど2位で意地は示せた」とうなずいた。道中は4、5番手を追走してスローで流れたレースにうまく対応した。
 残り300㍍でスパートをかけ、一気に先頭に立つと一度は後続集団を突き放した。普段より100㍍ほど早い仕掛けからか、最後は足が鈍った。本職は800㍍だけに「二つでインターハイを決めたい。自分の走りさえできれば通過できる」と自信をうかがわせた。

 

女子やり投げ 佐藤(花咲徳栄)初V

後半修正が奏功

女子やり投げで初優勝した花咲徳栄の佐藤和奏

 

 女子やり投げは、花咲徳栄の佐藤が46㍍35で初制覇した。「調子がよかったのに自分の投げができずに焦った。まだ実感はないが本当によかった」と笑顔がはじけた。強い向かい風の影響で3本目まで記録が伸び悩んだが、後半の修正が功を奏した。
 3投目まではやりを遠くに飛ばす意識が強すぎるあまり高い軌道で風に戻された。上位8人が4投目に進める条件を7位で通過すると、「徐々に感覚がつかめたので低く飛ばすことだけ考えた」と意識を変えた4投目に好記録が生まれた。
 初出場となる全国総体に向けては「下半身を強化して50㍍を目標にしたい」とさらなるレベルアップを誓った。

 

 

【第2日】

女子400㍍リレー 伊奈学園46秒44でV

男子砲丸投げ 石井(西武台)初の頂点

(15日・東京都駒沢陸上競技場)

 男女計11種目の決勝などを行い、県勢は4種目で頂点に立った。
 女子は400㍍リレーで伊奈学園(ワジェロ、三島、田中、新井)が46秒44で優勝した。400㍍障害は所沢西の矢島杏紀が1分1秒01で初の栄冠に輝いた。1500㍍は成瀬結菜(昌平)が4分28秒94で初制覇した。
 男子は砲丸投げで西武台の石井敏斗が15㍍03を投げて初の頂点に立った。八種競技は春日部東の金子朋裕が5387点で2位だった。
 各種目の上位6位(女子棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位、男女競歩は5位、男女混成種目は3位までと4~6位の全国記録上位5位)までが全国高校総体(7月28日~8月1日・福岡)に出場する。

 

盤石布陣 圧倒の疾走

女子400㍍リレー決勝 46秒44で優勝した伊奈学園の3走田中(右)から4走新井(中央)にバトンが渡る

 

 女子400㍍リレーは伊奈学園が2位以下を圧倒し頂点に立った。主将のワジェロは「全員が一人一人の走力を信じている。優勝できてよかった」と喜んだ。今大会の100㍍入賞者3人と200㍍の県大会女王という盤石の布陣で、一度も先頭を譲らずに駆け抜けた。
 レースが進むにつれて地力の高さを示した。1走ワジェロは「ここでは絶対に1番で走る」と100㍍決勝で2位だった悔しさをぶつけた。2走三島は「外レーンの選手を追いかけて後半に勝負できた」と得意の終盤で加速した。
 3走田中は3位に入った100㍍決勝で両足の筋肉を痛めた。本調子ではなかったが「チームのためにやるしかない。気持ちを切らさずに走れた」とスピード感あふれる走りを披露。最後は速さと持久力を兼ね備えるアンカー新井が後続を寄せ付けなかった。
 県大会での圧勝劇に続き、北関東大会でも2位に0秒54差と他を寄せ付けず全国総体出場を決めた。新井は「全国優勝を狙う。チームベストの45秒98を更新したい」と目標を定めた。

 

勝負強く逆転の一投

男子砲丸投げ決勝 15㍍03で初の頂点に立った西武台の石井敏斗

 

 男子砲丸投げは西武台の石井が15㍍03で初優勝した。「記録には満足していないが、気持ちで負けずに最後に逆転できたのがよかった」と持ち前の勝負強さを発揮した。2位で迎えた最終6投目でこの日の自身の最高記録を出した。
 一投ごとに好感触をつかんでいった。14㍍07でスタートを切ると、「だんだんと体が動くようになった」と2投目で61㌢、3投目でさらに6㌢と着実に飛距離を伸ばした。最後は「後輩には絶対に負けられない」と気合の一投で、トップにいた西武台1年の後輩庄子を上回った。
 昨冬は週5日以上、3時間の投げ込みを徹底。上半身の筋力強化を実感する。全国総体出場を決め「昨年の自分とは違うというのを見せつけたい」と予選落ちに終わった前回の悔しさを晴らす。

 

戴冠も記録に悔い

女子400㍍障害 矢島(所沢西)

女子400㍍障害で初の栄冠に輝いた所沢西の矢島杏紀

 

 女子400㍍障害は所沢西の矢島が1分1秒01で初制覇。最終ハードルを2番手で越えると、得意のスパートで前を行く伊奈学園・春木を抜き去った。59秒79の大会記録を狙っていただけに「うれしい気持ちよりも記録が出ずに悔しい」と満足はしなかった。
 冬の練習で後半のスピードを強化した。5台目を越えてから8台目のハードルまでの歩数は19歩から17歩に抑えた。「レースの最後につらさを感じなくなったのが成長。記録を出して優勝したい」と全国の舞台を見据えた。

 

先頭を譲らず押し切り笑顔
女子1500・成瀬

 女子1500㍍は昌平の成瀬が4分28秒94で初優勝した。スタート直後に先頭に立つと、一度も抜かされることなく押し切った。「県大会が終わってからは関東での優勝だけを考えて練習した。結果が出てよかった」と笑顔を見せた。
 17日の3000㍍で2冠目を狙う。「どっちも好きなので、二つでインターハイに出られるように頑張る」と力を込めた。

 

修正して輝きたい
男子八種競技で2位・金子朋裕(春日部東)の話

 正直に悔しい。うまくいったところといかなかったところが明確で、次につながる内容だった。高跳びなど、今回自己ベストが出せなかったところを修正してインターハイで輝きたい。

 

 

【第3日】

男子やり投げ 海蓋(埼玉栄)62㍍55で制す

女子ハンマー投げ 大渕(進修館)優勝

(16日・東京都駒沢陸上競技場ほか)

 男女計9種目の決勝などを行い、県勢は2種目で頂点に立った。
 男子やり投げで海蓋恋大(埼玉栄)が62㍍55で優勝した。800㍍の関朝陽(東農大三)は大会新の1分51秒01を記録し2位に入った。
 女子ハンマー投げの大渕愛華(進修館)が46㍍78で栄冠に輝いた。同種目では2位に立石千央里(坂戸西)、3位に米川佳里奈(西武台)が入り県勢が上位を独占した。
 各種目の上位6位(女子棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位、男女競歩は5位、男女混成種目は3位までと4~6位の全国記録上位5位)までが全国高校総体(7月28~8月1日・福岡)に出場する。

 

【最終日】

女子3000㍍ 成瀬(昌平)が初V

男子三段跳び 木戸(越谷南)初制覇

(17日・東京都駒沢陸上競技場)

 男女計11種目の決勝などを行い、県勢は5種目で栄冠に輝いた。
 女子は3000㍍で昌平の成瀬結菜が9分26秒84で初優勝。15日に4分28秒94で制した1500㍍との2冠を達成した。砲丸投げは西武台の米川佳里奈が12㍍96で頂点に立ち2連覇を達成。1600㍍リレーは伊奈学園(岩楯、高橋、新井、春木)が3分46秒54で栄冠に輝いた。
 男子は三段跳びで越谷南の木戸瑛大が14㍍74で初制覇。円盤投げは進修館の富田涼桜が47㍍71で優勝し、14日に59㍍42で頂点に立ったハンマー投げとの2冠を手にした。
 各種目の上位6位(女子棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは同4位、男女競歩は同5位、男女混成種目は同3位までと4~6位の全国記録上位5位)までが全国高校総体(7月28日~8月1日・福岡)に出場する。

 

圧巻のラストで2冠

女子3000㍍決勝 9分26秒84で初制覇した昌平の成瀬結菜(18)

 

 女子3000㍍は圧巻のラストスパートを決めた昌平の成瀬が9分26秒84で初制覇。同1500㍍との2冠を手にした。「ここで負けたら悔いの残る大会になると思った。絶対に1位になるという強い気持ちで走った」と最後は2位に5秒以上の差をつける完勝だった。
 終始先頭で押し切った1500㍍とは一転して前を追う展開となった。「周りが強気だったのでいつ動いてもいい位置を取った」と道中は7、8番手の外めを追走。最後の1周で先頭に立つと、残り200㍍からの加速で一気に突き放した。
 5月の県大会から重点強化したスピード力を発揮。「いつもラストの300㍍と120㍍でのギアチェンジを徹底してきた」と実戦を意識した練習が実を結んだ。ジョグでは必ず周りの選手よりも5分長く走るなど努力も惜しまない。
 初出場となる全国高校総体では2種目での決勝進出を目標にする。「全国はラストのスピード勝負で勝敗が決まる。もっと最後に勝ち切る力をつけたい」と残りの1カ月半でさらなるレベルアップを図るつもりだ。

 

転向一年、伸びしろ十分

男子三段跳び決勝 14㍍74で初の頂点に立った越谷南の木戸瑛大

 

 男子三段跳びは越谷南の木戸が自己新となる14㍍74で初優勝した。競技を始めて約10カ月で北関東大会を制したが「優勝できてうれしいけど、もっと記録を狙えた」と悔しがった。1本目に14㍍73の跳躍で自己記録を2㌢上回ると2本目にはさらに1㌢記録を伸ばした。
 中学1年から100㍍に取り組んだが記録が伸び悩み、昨夏に三段跳びに転向。100㍍で培ったスピード感ある助走からのきれいな跳躍を特長とする。「インターハイでは15㍍30以上の記録で入賞したい」と伸びしろは十分だ。

 

記録伸ばし貫禄の勝利
女子砲丸投げ・米川

 女子砲丸投げは西武台の2年米川が12㍍96の自己新で連覇を達成した。前回大会から42㌢記録を伸ばし「一番上は当たり前。絶対に引きずり下ろされたくなかった」と貫禄の勝利。前半の投てきから、細かな修正を加えた5投目に好記録が生まれた。
 1年だった前回大会から成長を感じさせるのが精神力。「いろいろな経験や悔しさが今につながっている」と、力強さに安定感が加わった。全国高校総体では13㍍超えの記録を目指して予選敗退に終わった昨夏の悔しさを晴らす。

 

探求心強く成長 自己新で初優勝
男子円盤投げ・富田

 男子円盤投げは進修館の富田が自己新の47㍍71で初優勝。同ハンマー投げとの2冠に輝き、「目標を達成できてうれしい。応援してくれた人のところに胸を張って帰れる」と笑顔を見せた。体重78㌔と周囲の選手と比べて体格はないが、勢いのある回転から遠心力を使って飛距離を伸ばした。
 楽しみながらプレーする精神面と競技への探求心が成長の要因だという。県大会から目標とするのは県高校記録である51㍍10。「予選から自分らしく、いい記録で決勝の3番以内を目指す」と全国の舞台を見据えた。

 

チーム信じた
女子1600㍍リレーで優勝した伊奈学園・春木伶菜主将の話

 レース前に不安な要素をたくさん抱えていたが、最後はみんながチームを信じて挑めた。伊奈学園記録も更新できて、このままの勢いでインターハイ入賞を目指したい。

 

 

=埼玉新聞2024年6月15日付け7面、16日付け9面、17日付け7面、18日付け7面掲載=

 

 

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