第48回全国高等学校総合文化祭「清流の国ぎふ総文」の新聞部門(第27回全国高校新聞年間紙面審査賞)の大会が岐阜県中津川市で行われ、東松山市の県立松山高校新聞部が2年連続で最優秀賞を受賞した。部員ゼロの廃部の危機から再出発し、わずか2年余りで全国トップへ。校内外での積極的な取材などが評価された。部員は「今後も自分のできることを精いっぱいし、次の世代へつないでいきたい」と決意を示した。
賞状と盾を手にする歴代部長。左から根本翔大さん、本郷駿さん、丸山陽叶さん=東松山市松山町の県立松山高校
新聞部は2019年7月、3年生が引退し、部員がいなくなり廃部の危機を迎えていた。その後、新任の矢野悠季教諭が顧問に着任。部員不在のため、自ら新入生勧誘プレゼンテーションを行うと1年生22人が入部。再出発に際し、各部員が得意な事で新聞制作に関わってもらおうと、分業制(取材、写真、ライター、IT・編集)を導入した。
翌年も22人、昨年は52人が入部。今春には139人の大所帯となった。兼部の生徒はいるが、いわゆる「幽霊部員」がいないのは自慢。当初は校内取材が大半だったが、今では社会問題などに絡めた取材も多く、市外や都内へ行く取材班(6~10人)も多くなった。
今回は全国から150校の新聞部が応募し、審査が行われた。対象はおととし11月から昨年10月までの発行紙面で、同校は本紙323~349号と速報43回の計70紙。審査員は「数年間で部員100人を超える新聞部になった。足を生かし校内外に積極的に取材を行っているのが紙面に出ている」と講評。特に隔週実施の土曜授業アンケートは生徒の賛成が20%という結果を踏まえ、小久保守校長にインタビューを実施。その紙面は「生徒の意思を表すものとして非常に大切なものだと思う」と評価された。
2年連続の最優秀賞の受賞を受け、歴代部長3人も喜んだ。今春、同校を卒業し前々部長の丸山陽叶さん(19)=大学1年=は「先輩はいなかったが、先生に引っ張られ楽しく活動ができた」と振り返り「昨年は努力が実り、今年も維持して最優秀賞を受賞。誇らしく思う」と話した。
前部長の本郷駿さん(18)=3年=は「こんなに本格的な新聞づくりをやるとは思わなかった。楽しかった。外部取材を通して、いろんな面で成長できた」と実感する。
部長の根本翔大さん(17)=2年=は「先輩方にいろんなことを教えていただいた。そんな先輩に(2年連続の)最優秀賞を持って帰ることができたのが何よりうれしい。今後も自分のできることを精いっぱいし、矢野先生や先輩がゼロからつくった新聞部を次の世代へつなげてげて行きたい」と話した。矢野教諭は「誇らしい気持ちでいっぱいだ。こうして新しい伝統が始まった」と喜んだ。
=埼玉新聞2024年8月18日付け16面掲載=
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