プロ野球ドラフト会議　石塚（花咲徳栄高校）ジャイアンツ１位指名

巨人から１位指名を受け笑顔がはじけた花咲徳栄高の石塚裕惺内野手（左）と岩井隆監督＝２４日午後、加須市花咲の花咲徳栄高校

　プロ野球の新人選手選択会議（ドラフト会議）が２４日、東京都内で開かれ、花咲徳栄高の石塚裕惺内野手は巨人から１位指名を受けた。石塚は「昔から家族がジャイアンツファンなのでうれしい。自分だけではここまで来られなかったので、全ての方に感謝を伝えたい。勝ちにこだわって全力でプレーするのはプロになっても変わらずにやっていきたい」と笑顔を見せた。
　埼玉西武は５球団で抽選した明大の宗山塁内野手と、２球団で抽選した石塚を外したが、１位で石川・金沢高の俊足、好守が魅力の斎藤大翔内野手の交渉権を獲得したほか、大宮東高の冨士大和投手を育成１位で指名した。
　斎藤は「憧れの源田選手もいるので（同じチームで）プレーできるのはうれしい。スピード感のある守備が売り。それを武器にプロの世界で戦っていきたい」と気持ちを込めた。西口監督は「補強ポイントで二遊間を挙げていた。守備のいい斎藤君の交渉権を獲得できてうれしい」と話した。

１位指名　巨人の「星」目指す

巨人から１位指名を受けた花咲徳栄高の石塚裕惺内野手（右）と、オリックスから育成３位指名された上原堆我投手＝２４日午後、加須市花咲の同高

　花咲徳栄高の石塚は２球団競合で抽選の結果、巨人から１位で指名を受けた。「ここがゴールじゃない。勝負は続いていくので感謝の気持ちを持ちながら一日一日大切にしていきたい」と支えられてきた家族や指導者への感謝を口にして喜びをかみしめた。
　千葉県八千代市出身。同校では１年秋から４番を担い、２年春から遊撃手に定着。今夏の埼玉大会では１２安打１１打点を挙げ打率４割６分２厘をマーク。主軸として５年ぶりの甲子園出場を決めるとともに、３３年ぶりに秋春夏の埼玉３冠を成し遂げた。
　９月のＵ１８（１８歳以下）アジア選手権では日本代表の４番にも抜てきされ、準優勝に貢献。走攻守で好評価を受け注目を集めたが「悔しい思いの方が大きい。もう一回侍ジャパンのユニホームを着て、世界一を目指したい」と新たな目標への一歩目を踏み出した。
　名前の裕惺には「星」の文字。巨人ファンである父・康直さんが「星のように輝くスター選手になれるように」という思いを込めて名付けられた。巨人は幼い頃から家族で応援してきたチーム。憧れの選手は坂本だった。
　石塚は「いずれは３割３０本を打てるような選手になりたい。一日でも早くチームの顔になって超満員の東京ドームで活躍できるよう頑張りたい」と次の舞台でも大輪の花を咲かせる。

オリク育成３位　投手王国で挑戦
花咲徳栄高・上原

　花咲徳栄高の上原はオリックスの育成３位指名を受け「今までやってきたことに後悔はない。信じて待つだけだった。うれしい気持ちが一番」と白い歯を見せた。
　最速１４８㌔の直球を軸に空振りを奪える縦スライダーやツーシームを織り交ぜる投球が持ち味で、同校の絶対的エースとしてチームの勝利に貢献してきた。投手王国オリックスでの育成からの挑戦に「育成から２００勝を目指して球団を代表する投手になりたい」と支配下登録にまい進する。

「勝利に貢献」

町田（埼玉武蔵）阪神４位

阪神からの４位指名を受け、会見で抱負を語る埼玉武蔵の町田隼乙捕手＝２４日、上尾市のＵＤトラックス上尾スタジアム

　阪神から４位指名を受けたＢＣリーグ埼玉武蔵の捕手・町田が喜びを見せた。町田は「４巡目で指名してもらえると思っていなかった。本当にびっくり」と目を丸くした。過去にキャンプに参加した経験のある阪神については「伝統の球団でファンも熱い印象。高校野球で甲子園は無縁だった。１軍で少しでも勝利に貢献し、恩返しできれば」と意気込んだ。
　光明学園相模原高を卒業後、２０２２年に入団。１８６㌢、８８㌔の体格を生かして捕手として１年目から５７試合に出場。３年目の今季は５１試合で、打率３割２分３厘、５本塁打、３７打点と活躍した。
　埼玉武蔵での３年間で「ＮＰＢで通用するレベルまで持ってこられた」とし、「今年は盗塁で刺せる機会が多かったので、そこは自信を持ってやりたい」と語った。

「昔から夢だった」

西川（山村学園高）巨人育成５位

巨人から育成５位に指名された西川歩投手（左）と山村学園高の岡野監督＝２４日、川越市内

　山村学園高の西川が、巨人から育成５位で指名された。同校から初めてのＮＰＢの選手が誕生する。
　川越市出身の西川は、身長１６９㌢の左腕。制球力が高く、空振りを取れる直球が持ち味。西川は同市の同校グラウンド施設で、取材に「５巡目ということもあり、もう選ばれないのではないかと思った」と話し、「プロ野球は昔からの夢だった。その舞台に立つことができてうれしい。小柄な選手に希望と勇気を与えられるような選手になりたい」と決意を語った。

県屈指左腕　恩返しを

埼玉西武　育成１位　富士（大宮東高）

埼玉西武から育成１位指名を受けた大宮東高の冨士大和投手が目標を掲げる＝２４日、さいたま市見沼区の同高

　県内高校球界屈指の左腕・冨士（大宮東）が埼玉西武から育成１位で指名された。ドラフト会議開始から約２時間半が経過した育成ドラフトで待ちわびた瞬間が訪れると「そわそわした気持ちが大きくて、まずはほっとした」と表情が和らいだ。
　１８６㌢の長身を生かして投げる伸びのある直球は最速１４４㌔。中学の軟式時代に習得したリリース位置の低い変則フォームで高い奪三振率を誇る。高校では公式戦１７試合に登板し１３０回で１６６三振を奪った。
　埼玉西武は中学３年でジュニアユースに選出された球団。「お世話になった分、恩返しする。支配下になり沢村賞を目指す」と高く目標を掲げた。

＝埼玉新聞２０２４年１０月２５日付け１、８面掲載＝

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