女子 昌平3年ぶり3度目V
男子 正智深谷が13連覇
バスケットボールの全国高校選手権(ウィンターカップ)県予選最終日は2日、深谷ビッグタートルで男女の決勝を行い、男子は正智深谷が13年連続14度目の頂点に立った。女子は昌平が3年ぶり3度目の栄冠を手にした。
男子の正智深谷は決勝で昌平に71―60で競り勝った。第2クオーター終了時点で31―30と競ったが、後半は走力で流れを引き寄せリードして逃げ切った。
女子の昌平は前回女王の埼玉栄を72―49で圧倒した。第1クオーターで攻め込み、10点差をつけると後半も相手を自由にさせず反撃の芽を摘んだ。
優勝した男子の正智深谷、女子の昌平が全国高校選手権(12月23~29日・東京)に出場する。
先手必勝 攻め貫く
女子 昌平―埼玉栄 第1クオーター、昌平の成田(左)がシュートを決める
女子の昌平は攻めの姿勢で先手必勝のバスケを披露し、埼玉栄を圧倒した。前回大会と同カードの決勝で雪辱を果たし、加藤監督は「最初から飛ばしていこうと言っていた。みんなよくやってくれた」と3年ぶりの優勝をかみしめた。
第1クオーターから成田は「絶対勝ちたかった。がつがつ攻めていこう」と157㌢ながらリバウンドにドライブに果敢に飛び込んで個人で18得点。計34点の活躍でチームに勢いをもたらした。
攻撃で先手を取ると守備では相手の得点源であるインサイドをダブルチームで徹底的にマーク。外の選手を守った佐々木は「相手の目線を見て一歩先に動いた」と中から外へのパスにもしっかり対応。3点シュートへのケアも忘れず、反撃の隙を与えなかった。
県高校新人、関東高校県予選、県高校総体と今季4冠を達成。全国選手権ではベスト8を目指し、主将の中村美は「うちは全員が明るい声かけを徹底できる。ほかとは違う盛り上がりで楽しんで勝ちたい」と勢いそのまま、全国の舞台でも勝利へ突き進む。
埼玉栄 猛追も涙の敗退
「対応しきれず」
3連覇を狙った女子の埼玉栄は、昌平を相手に攻守で後手に回った。目監督は「よく頑張った。チャンスはあったのに点差が開いて流れを悪くしてしまった」と序盤の失点を悔やんだ。
得点源の主将片子沢怜が挟まれ、抑えられたのが大きかった。第4クオーターには片子沢怜と杉内を中心に猛追し五分に渡り合ったが追いつけず。主将は「やらなければいけないことができなかった。良い準備をしてきたのに、対応しきれなかった」と大粒の涙を流しながら会場を後にした。
地力示し走り勝ち
男子 正智深谷―昌平 第2クオーター、正智深谷の中武(右)がシュートを決める
男子の正智深谷が王者の意地を見せ、昌平との接戦を勝ち切った。成田監督は「修正するのに時間がかかったが、うちが走り勝った。練習のたまもの」と後半に運動量を上げて流れを手繰り寄せた選手たちをねぎらった。
前半は相手のビッグマンにリバウンドを奪われ、持ち前の素早い展開が影を潜めた。ゲーム主将のグビノグンは「ペースを上げることと全員でリバウンドに行くことを確認した」とハーフタイムで修正を図った。
31―30で迎えた第3クオーター。ガード加藤が強気な守備でボールを奪うと、グビノグンや早船が速攻で加点し、リズムを取り戻した。インサイドも中武、グビノグン、早船の3人が連係を取りリバウンドの回数が増え、好循環でリードした。
普段から守備メインで足を鍛えるメニューが多い中、技術とともに粘り強さが体にしみついている。長身の留学生を擁する強豪と争う上で鍵を握るセンター中武は「高さで劣る部分もあるが運動量で勝負する。正智の守って走って勝つバスケを見せたい」と自らの強みを再確認し全国へ挑む。
昌平 終盤まで接戦も悔い残る惜敗に
男子の昌平は正智深谷に11点差で惜敗した。2年高見沢は「正智のディフェンスが寄った時に逆サイドのシューターが決められるかが鍵だった」と3点シュート6本を含む27得点。終盤まで会場を沸かせる接戦に持ち込んだが、リードを守り切れなかった。
主将の川畑は後半、相手のリバウンドからの突破を止められなかったことを悔い、「最後は走力で押された。後輩たちには日々の練習から走り込んでディフェンスを強化していってほしい」と次の世代に思いを託した。
=埼玉新聞2024年11月3日付け8面掲載=
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