「諦めずにチャレンジ」
今年9月のパリ・パラリンピック競泳メドレーリレーで7位入賞した西田杏選手(28)が26日、母校の所沢市立牛沼小学校(原雅一校長、児童数424人)を訪れた。西田選手は児童に「諦めずチャレンジすること」の大切さについて講演し、思いを語った。
児童に義足を見せる西田杏選手=26日、所沢市牛沼
西田選手は所沢市出身で、同市立牛沼小、市立東中、県立川越女子高に通った。講演は低学年、高学年に分かれた2部制で実施。西田選手は生まれつき左腕、右脚が短く、児童には義足を見せるなどして障害について説明した。
低学年の部では「かわいそうでも不幸でもなく、少しだけ不便なことがあるだけ。障害関係なく、みんなも得意じゃないことがあるよね」と話した。
競技を始めたきっかけは水泳の授業で児童全員が授業に参加している中、自分が見学することに違和感を覚えたことだったという。「みんなで一緒に泳ぎたくてプールに通い始めた。陸上よりも自由に体を動かせる感覚が気に入った」と振り返り、「やってみる前から諦めずに挑戦した結果、得意になった。みんなも苦手なことや難しいと思っていることがあれば、挑戦してほしい」と語った。
保育園で竹馬に乗ったり、同小の運動会でポンポンが持てず、ラップの芯に付けて皆と一緒に踊ったりした地元のエピソードも披露。質疑応答では「どこのプールに通ったの」「なんで障害があるの」などの質問に、「さいたま市の障害のある子も安全に泳げるプールに通いました」「生まれつきで、理由は分かっていません。病気やけがではないので痛くはありません」と答え、児童と交流した。
=埼玉新聞2024年11月29日付7面掲載=
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