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柔道県高校選手権 個人 団体 結果

【個人】

女子52㌔級 小野(埼玉栄)初優勝

男子無差別級 渡辺(埼玉栄)も初

 柔道の第47回全国高校選手権県予選を兼ねた県高校選手権第1日は20日、大宮武道館で男子個人5階級と女子個人5階級を行い、女子52㌔級で小野京愛(埼玉栄)が初優勝した。
 女子57㌔級は白田莉乃(大宮東)が初の頂点に立ち、同63㌔級は井田実来(埼玉栄)が2連覇を達成。同48㌔級は斉藤真優(川口工)、同無差別級は福田尚央(埼玉栄)がそれぞれ制した。
 男子は無差別級で渡辺蒼織(埼玉栄)が初制覇。同66㌔級は二本柳一希(立教新座)が栄冠に輝き、同81㌔級は井桁睦稀(埼玉栄)が優勝した。同60㌔級は葛西太楼(埼玉栄)、同73㌔級は飯田一久(埼玉栄)がそれぞれ頂点に立った。
 男女各階級の優勝者が全国高校選手権(3月19、20日・日本武道館)に出場する。

 

磨きかけた新技披露

女子個人52㌔級決勝 埼玉栄の小野(上)が内股で技ありを奪う

 

 女子の埼玉栄に期待の星が誕生した。1年の小野が52㌔級を制覇。磨きをかけた組み手から得意の投げ技を仕掛けた。「内容はまだまだ物足りない。経験の多い先輩たちの中でも通用したのでよかった」とあどけない笑みを浮かべた。
 準決勝、準々決勝はともに一本勝ち。勢いよく臨んだ決勝は相手の粘りに苦戦した。果敢に技を繰り出すも、満足に組み合えず延長にもつれた。「勝ち切る力が必要だと感じたが、うまく投げられてよかった」と最後は内股で技ありを奪った。
 4歳で競技を始めた。元日本代表で2011年世界選手権90㌔級銅メダリストの父・卓志さんに憧れた。高校進学後に父の得意技である内股を習得。「経験も踏まえて的確なアドバイスをくれる」と父の助言で技を磨き、頂点に上り詰めた。
 新たな武器を身に付け3月の全国選手権への出場権を獲得した。中学時代は3度全国中学大会に出場したが最高成績は3年時の3回戦進出と全国の舞台では好成績が残せていない。「いい結果を出して親や先生に恩返ししたい」と活躍を誓った。

 

体重差の強み生かす

男子個人無差別級決勝 埼玉栄の渡辺(手前)が内股で技ありを奪う

 

 男子無差別級は埼玉栄2年渡辺が初制覇した。新井葵との埼玉栄対決となった決勝は、体重が約20㌔上回る強みを生かして内股でダイナミックに投げた。「手の内を知る相手にもミスなくできた。目標を達成できてほっとした」と満足げだった。
 高校入学当初から体重は10㌔増えて117㌔。増量だけでなく練習後に階段ダッシュを行うなど、体力面も鍛え上げた。全国大会に向けて「レベルの高い相手と戦えるのが楽しみ。個人も団体も優勝するつもりで臨みたい」と力を込めた。

 

声で気持ち高める

女子57㌔級 白田(大宮東)V

 大宮東の白田が女子57㌔級で頂点に立った。決勝は大きく声を出して相手を圧倒。試合前のイメージ通りに技ありを奪った。「初めての優勝ですごくうれしい。決勝は今までで一番気持ちの乗った試合だった」と喜びをかみしめた。
 中学1年で競技を始め、技の少なさや知識量が課題だった。大会前は福田監督と二人三脚で弱点を克服し今大会での多彩な攻撃に生かした。「声やイメージトレーニングの強みを生かし、一つでも多く勝つ」と初の全国大会へ気合十分だ。

 

うれしさより悔しさ

女子63㌔級・井田実来(埼玉栄)の話

 2連覇したが自分の良さが出せずにうれしさよりも悔しさが強い。全国大会までに今日出た内股や技の課題を改善して昨年のベスト16を超えたい。

 

得意の寝技で決めた

男子66㌔級・二本柳一希(立教新座)の話

 決勝は得意の寝技で決められた。強い相手がそろい緊張していたので優勝できて安心した。最後の選手権なのでベスト4を目指して頑張りたい。

 

=埼玉新聞2025年1月21日付け7面掲載=

 

【団体】

男子団体 大宮工29大会ぶりV

女子 埼玉栄8連覇

 

 柔道の第47回全国高校選手権県予選を兼ねた県高校選手権最終日は21日、大宮武道館で男女の団体を行い、男子は大宮工が29大会ぶり9度目の頂点に輝いた。女子は埼玉栄が8大会連続19度目の栄冠を手にした。
 男子の大宮工は準決勝で立教新座に3―1で勝利。1―1の接戦となった武蔵越生との決勝を、代表戦で制した。女子の埼玉栄は準決勝で上尾に3―0で快勝すると、決勝では大宮東を3―0で退けた。
 男女の優勝校と昨年の全国高校選手権を制し、同11月の県高校新人大会で1位となって県大会を免除された男子の埼玉栄が推薦校として、全国高校選手権(3月19、20日・日本武道館)に出場する。男子の埼玉栄は25大会連続30度目の出場。

 

支え合い 努力結実

男子団体決勝 大宮工―武蔵越生 大宮工の先鋒埜口(上)が武蔵越生の内藤に内股を決め一本勝ち

 

 古豪・大宮工が29大会ぶりの王座に就いた。主将の副将坂本は「この1年間、この大会に懸けて練習してきた。うまくいかないことばかりだったけれど、やっと実ってくれた」と苦楽を共にした仲間たちを見渡した。
 決勝は先鋒(せんぽう)埜口が内股で一本勝ち。梅津、青柳、坂本が引き分け、大将野口が合わせ技を決められた。1―1で迎えた代表戦で埜口は「ここで勝ち切らなければチームが負ける。やるしかない」。力で上回ると計算し技で圧をかけ、指導を誘い反則勝ちで試合を決めた。
 メンバー全員、柔道人生で全国大会出場や県大会優勝の経験はなかった。「ザ・たたき上げ。努力型で自分たちで一からチームを築き上げてくれた」と鯉渕監督。選手たちが自ら声をかけ合い、自主練習に励み、互いを支え合ってひたすらに優勝だけを目指してきた。
 男子の大宮工が団体で全国に出場するのは、2008年の全国高校総体以来。当時3年生で出場していたOBでもある指揮官は「子どもたちがよく頑張った。きょうだけは褒めてあげたい」と涙を流し喜びをかみしめた。

 

貪欲に強化誓う

女子団体決勝 埼玉栄―大宮東 埼玉栄の中堅井田(中央)が大宮東の岩鉄から内股で技ありを奪う

 

 女子の団体は個人各階級の女王3人で挑んだ埼玉栄が8連覇を決めた。決勝では先鋒(せんぽう)小野、大将福田の1年生コンビが僅差で優勢勝ち。合わせ技で一本勝ちした主将井田は3―0の結果にも「きょうは良かったところがない。不安が勝って消極的になってしまった」と貪欲さをのぞかせた。
 小野は「自分が取ってエースの井田さんにつなげられるよう頑張ったが、組むのが遅くなった」と反省。強気な姿勢で積極的に相手と組み、投げ切れる心の強さを持つことがチーム全員の目標だ。
 前回の全国選手権では8強の壁にはね返され、3回戦敗退。小林監督は「強いところにも食らいついていかないといけない。序盤から一気に行けるよう一からやり直す」と精神面と技術面、両方の強化を誓った。

 

=埼玉新聞2025年1月22日付け1、7面掲載=

 

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