埼玉新聞社 高校受験ナビ

【埼玉県公立高校の歴史を紐解く】第3回 昭和時代(戦前)創立編

2022年11月16日配信

大宮、市立浦和など人気校もこの時代

  高校の歴史を紐解くシリーズの第3回は昭和時代(戦前)編です。
 大正時代よりペースダウンしましたが、昭和19年までに8つの学校のルーツが誕生しました。
 これまでの時代と異なるのは、新たに設立した学校が浦和、大宮、川口といった南部地区に集中していることです。下表は現在の校名で表記しています。

※2022年11月現在、現存する埼玉県公立高校のみ記載

 

◆大宮、市立浦和もルーツに女子校
 県立大宮高校は、その前身となる学校がいくつもありますが、そのうち最も古いのが昭和2年に創立された「成均学園高等女学校」という私立の学校です。男子の方は、昭和4年に創立された私立の「大宮農園学校」や「片倉学園」がそのルーツとなります。そして、これらが変遷を経て統合され、戦後、県立に移管され、現在と同じ県立大宮高校となりました。
 今は県を代表する進学校である大宮高校ですが、かつてはスポーツ強豪校として知られ、野球部は昭和32年から42年までの10年間で夏の甲子園に5回、春の選抜に2回出場しています。
 市立浦和高校は二つの学校がルーツとなっています。一つは昭和15年に創立された「浦和市立高等女学校」、もう一つは同18年に創立された「浦和市立中学校」です。このシリーズですでにお伝えしているように、戦前は男女別学であり、男子のための学校が中学校(旧制中学校)で、女子のための学校が「高等女学校」です。
 「浦和市立中学校」と「浦和市立高等女学校」は、戦後の昭和25年に統合され「浦和市立高等学校」となり、平成13年の三市合併(浦和市・大宮市・与野市)により「さいたま市立浦和高校」となりました。大宮高校と同様、今は進学校として知られる同校ですが、サッカーの強豪として鳴らし、全国高等学校サッカー選手権には14回出場し、4回の全国制覇を果たしています。
 県立浦和西高校は昭和9年、「県立浦和第二高等女学校」として創立されました。昭和23年の学制改革で、「県立浦和第一女子高校」に対し、「県立浦和第二女子高校」となりましたが、2年後の昭和25年に共学化され浦和西高校となりました。
 
◆鋳物の町・川口には工業高校
 今は高層マンションが立ち並び、人口も県下第2位の大都市となった川口ですが、かつては鋳物工業の町として全国にその名を知られていました。
 そんな背景もあり、最初に誕生したのは現在の県立川口工業高校である「県立川口工業学校」でした。地域の産業経済を支える人材を育成することが目的でした。同校は現在も「地学地就」を教育理念として掲げています。
 川口工業からやや遅れて昭和16年、現在の県立川口高校である「市立川口中学校」が創立されました。戦後、「市立川口高校」となりましたが、昭和26年に県に移管され、県立川口高校となり、平成9年に共学化されました。
戦前の川口にはもう一つ、「川口実科高等女学校」がありました。戦後は「市立川口女子高校」となり、さらに「市立川口総合高校」として共学化され、現在の市立川口高校につながって行きます。

 

◆農業学校の時代から商業・工業学校の時代へ
 明治時代には農業学校が多く作られましたが、大正から昭和にかけては商業学校や工業学校の設立が増えてきました。
 県立与野高校は昭和3年、当時の与野町などによる「学校組合立与野農学校」として創立されました。戦後、昭和31年に県に移管され、県立与野高校となりました。普通科と商業科が併置されていましたが、平成25年以降は普通科のみになりました。
 県立浦和商業高校は昭和2年、「浦和町立浦和商業学校」として創立されました。戦後、浦和商業高校となり、昭和31年に県に移管され県立浦和商業高校となりました。
 県立大宮商業高校は昭和19年、大宮市立の「大宮女子商業学校」として創立されました。戦後に大宮商業高校となり、昭和31年に県に移管され県立大宮商業高校となりました。

 

◆間もなく創立100周年の学校は
 ここまで明治時代創立を16校、大正時代創立を19校、昭和時代(戦前)創立を8校、計43校を紹介してきました。
 先日(2022年10月)、熊谷農業高校が創立120周年記念式典を行いましたが、これに加え、不動岡・浦和・熊谷・所沢・川越・春日部・児玉白楊・浦和一女・秩父農工科学が創立120年を超える学校です。
 創立110年を超える学校は川越女子・秩父・川越工業・深谷第一・熊谷女子・春日部女子、創立100年を超える学校は進修館・鴻巣・岩槻商業・久喜・羽生実業・豊岡・熊谷商業・川越総合・深谷商業・杉戸農業・児玉・飯能・本庄です。
 間もなく創立100年となるのが、大正12年(1923年)創立の松山、大正14年(1925年)創立の小川と大宮工業です。現在中学3年生の皆さんがこれらの学校に入学すると、在学中に100周年を迎えることになります。

 次回は昭和時代のうち、戦後復興期や高度成長期に創立された学校を紹介します。

 

(教育ジャーナリスト 梅野弘之)

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