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卒業生の岡田が東京五輪(競歩)で15位-熊谷女子高校

熊谷女子高校時代から培った競歩愛

集大成の大会に 広がる笑顔

女子20㌔競歩 レース中盤、競り合う岡田久美子(手前左)

 目標の入賞こそ逃したが、レース後の岡田には晴れやかな笑顔が広がっていた。「悔しい結果だけど、後輩の頑張りも見られたし、自分の力は出せた」。日本の女子競歩を引っ張ってきた自負を見せ、新たな力の台頭を喜んだ。
 発展途上で挑んだ2016年のリオ五輪では、16位と健闘したが「あの時は出るのが精いっぱいだった」。あれから5年がたち、名実ともに日本女子のトップになり「今回は勝負しに立った」と強い気持ちで札幌の地に乗り込んでいた。
 コロナ禍で五輪が延期した昨年。岡田は焦らず「自分の体と向き合える大事な時間」と力を蓄えた。体調管理にも気を使っていた矢先、原因不明の体調不良に襲われた。一部リンパ節を切除する手術を受け「体も心も苦しかった」と明かした。
 さまざまな困難を乗り越え臨んだ舞台で結果を残すことはできなかった。それでも、「最後まで諦めてはいけないと思い、粘りました」と一つでも上を目指した。最後は後輩藤井の頼もしくなった背中を見つめ2秒遅れでゴールした。
 熊谷女子高校時代には、競技歴わずか1年で全国高校総体女子3000㍍競歩を制した。翌年には大会新記録で連覇。「重圧の中勝てて『やったー』という感じ」と喜びを表現。この当時から「競歩愛」は強く、世界に挑戦する土台は築かれた。
 あれから12年。競技と真摯(しんし)に向き合ってきた少女は、速さに技術と経験を積み上げ、人としても大きく成長。集大成として位置付けた東京五輪だったが「これからは、次のエースを引き上げられるような姿を見せたい」。パリ五輪への挑戦こそ公言しなかったが、競歩に愛された彼女の歩みはまだ、止まることはなさそうだ。

 

諦めない姿に勇気 感動

先輩の健闘をねぎらう

女子20㌔競歩で15位の岡田久美子選手(右)と、13位の藤井菜々子選手=札幌市

 岡田選手は高校から競歩を開始。全国高校総体の女子3千㍍競歩を2連覇するなど、別格の存在だった。岡田選手と共に陸上部に所属していた同級生で、現在は教諭として同校に勤務する武内玲子さん(29)は「在校生に夢や希望を与えてくれたことに感謝したい。完歩したことを誇りに思ってほしい」とたたえた。
 同校陸上部で競歩に取り組み、今月に宇都宮市で開催される関東選手権を控える同校2年生の柏原優花さん(16)は「同じ上尾出身ですごく尊敬する先輩。『お疲れさまでした』と言いたい」と語った。
 同校の卒業生で、現在も津田塾大学で競歩を続け、9月に熊谷市で行われる日本インカレに出場予定の同大3年生の松本みなみさん(21)は岡田選手に憧れ、競歩を始めた。目標でもある岡田選手から大会でアドバイスも受けたことがあるという松本さんは「暑い中で途中で先頭から離されても、最後まで諦めずに歩く姿に感動した」と話した。
 上尾市では「岡田久美子選手をみんなで応援しよう」と市役所1階ロビーに横断幕を掲げ、応援ブースを設置し、出場までのカウントダウンをボードに表示してきた。市のホームページ(HP)で応援メッセージを募集。市民ら約40人のメッセージを前日までに岡田選手に動画にして届けた。 
 HPで公開されたメッセージには「上尾からオリンピック選手が出るなんてすごい自宅からこの声援が届きますように」「久美ちゃん、自分の力を最大限発揮してください」「上尾市民の誇り」「直接会場に行って言って応援したい」などの温かい言葉が並んだ。
 畠山稔市長は「岡田選手の早く美しい歩きは、上尾市民に勇気と感動を与えてくれた。懸命な努力と精進に、心から敬意と拍手を送ります」と岡田選手の健闘をねぎらった。

 

=埼玉新聞2021年8月7日付け9面・15面掲載=

 

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