2025年7月1日配信
伝統校が描く、新しい女子高のかたち
なでしこの心と、生徒がつくる温かな校風
久喜高校は、1919年に創立された歴史ある女子高で今年107年目を迎えます。
6月12日に行われた教育関係者対象の説明会では、今年度着任した上田誠治校長先生が「生徒に品格を感じる」と語りました。登下校時の挨拶や、日々の立ち振る舞いから伝わる清々しさや礼儀正しさは、久喜高校が大切にしてきた伝統の一端を感じるとのことでした。
久喜高校では「なでしこの心」、すなわち「困難にもくじけず、何事にも頑張る心」「思いやりや優しさを大切にする心」が校風の根幹に据えられています。
さらに創立100周年の節目には、「優しさ・思いやり・友情・笑顔・感謝・絆・挑戦」という“久喜高生の大切にしたい7つの宝物”を掲げ、それを象徴する「七宝まり」を制作。現在も校内に飾られ、訪問者を迎えています。
こうした取り組みは、生徒の手で形づくられており、自分たちの学校文化を自ら継承し、育てていく意識の高さを感じさせます。生徒たちは学校行事や部活動にも積極的に参加し、互いに応援し合いながら全力で取り組む姿勢が、学校全体の一体感と温かさにつながっています。
ICTと地域との融合が生み出す豊かな学び
久喜高校のもう一つの強みは、先進的な学びの環境と、地域社会との深いつながりです。ICTを使った教育にも力を入れており、全教室に電子黒板とプロジェクターを完備し、生徒一人一人にiPadを配布しています。これらの整備には、卒業生からの寄付も含まれており、伝統校としての支援の広がりがうかがえます。2025年度には、48席の個別ブースを備えた学習室も整備され、自習に集中できる空間が生徒たちに提供されています。加えて、焼きそばやおにぎりを提供する「なでしこキッチン」など、生活面のサポートも充実しており、学校全体で生徒の学びと生活を支える体制が整っています。
また、久喜高校では地域とのつながりも重視しており、小学校での学習ボランティアやスポーツ交流、JRC部によるフードドライブ、文具ドライブ、防犯教室や子ども食堂支援など、多様な地域活動に参加しています。これらの活動を通じて、生徒たちは人との関わりを学び、自らの役割を実感しながら社会性を養っています。
部活動も非常に活発で、登山部がインターハイ出場、バスケットボール部やバレーボール部が関東大会に出場するなどの実績を残したほか、「書の甲子園」で文部科学大臣賞を受賞するなど、文化部でも全国レベルの活躍を見せています。久喜高校ならではの多彩な活動は、生徒の自己実現を力強く後押ししています。
多様な進路に対応したきめ細やかな指導体制
進路指導においても、久喜高校は生徒一人ひとりの将来を丁寧に見据えたサポートを行っています。大学・短大・専門・就職と幅広い進路に対応しており、四年制大学進学者が61.5%、短大10.8%、専門学校23.1%、就職3.5%という進路実績の中でも、女子大進学(42%)や看護・幼児教育系の進学が目立ちます。とくに看護系は専門学校ではなく四年制大学を目指す生徒が多く、学力を伴った進学志向が強い点も特徴です。
指定校推薦の枠も多く、学校推薦型選抜や総合型選抜への対応も充実しています。
1年次には「自己理解と職業・学校研究」、2年次には学部・学科研究、小論文指導や志望理由書の作成など、学年に応じたステップを踏んで進路意識を高めていきます。3年次には進路ガイダンスや面接練習、小論文添削、プレゼンテーション練習など、入試対策を実践的に実施。通常授業日の放課後にも課外講座が11講座、夏期には学年別に多数の特別講座が開講され、部活動と両立しながら進路準備ができる環境も整っています。
また、冷暖房完備の学習室は平日7:30〜19:00、土曜(指定日)も開放され、赤本や進路資料の閲覧も可能です。こうした学びの場を活用しながら、自分の力を最大限に発揮できる入試制度を選び、それぞれの未来に向かって歩みを進める生徒たちを、久喜高校は全力で応援しているように感じられました。(文・根岸孝之)
※このシリーズでは、教育関係者対象に開催された学校説明会についてレポートします(埼玉新聞社高校受験ナビ編集部)
=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=
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学校の特徴~学校からのメッセージ2025~
創立100年の歴史と伝統を誇る女子校です。大正8年の開校以来、卒業生は2万8千人余。教育、医療、福祉、芸術等の分野で、人々の幸福や社会の発展に貢献する人材を多数輩出してきました。「困難にもくじけぬ何事にも頑張る心」と「思いやりや優しさを大事にする心」を「なでしこの心」と呼び、この心を大切に育て、21世紀の新しい時代をしなやかに力強く生きる力と豊かな心を育む教育に取り組んでいます。
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