浦和実 初戦は聖望学園
24日に開幕する春季県高校野球大会の組み合わせ抽選会が18日、上尾市のスポーツ総合センターで行われ、出場48校の対戦相手が決定した。昨秋の県大会で初優勝を飾り3月の選抜高校野球大会で4強入りしたAシード浦和実は、初戦の2回戦で聖望学園と争う。
昨秋の県大会準優勝のAシード西武台は初戦の2回戦で春日部と対戦。同4強のBシード山村学園は滑川総合とぶつかる。Bシードだった春日部共栄は部内トラブルにより出場を辞退した。
このほか、同8強のCシード勢は、浦和学院が浦和、坂戸が川口工、川口市立が大宮北、狭山ケ丘が西武文理とそれぞれ初戦の2回戦で激突する。
大会は県営大宮など4球場で実施。順調に日程を消化すれば5月4日に県営大宮で決勝が行われ、上位2校が春季関東大会(5月17~20、24、25日・茨城)に出場する。また、16強が今夏の第107回全国高校野球選手権埼玉大会のシード権を獲得する。
県大会は全試合が有料で一般800円、身分証明書を提示した中高生は200円。引率された少年野球・中学生チーム(引率者・保護者は有料)、障害者(障害者手帳の提示)と介添え者1人、小学生以下の入場料は無料。
雨などで試合が中断して再開できない場合は「継続試合」として翌日以降に中断時点から再開する。試合の早期決着を図るタイブレーク制度については、九回終了時点で同点の場合、十回から無死一、二塁の状態で開始する。
緊張した面持ちでくじを引く各校の主将ら=18日午後、上尾市のスポーツ総合センター
浦和実、浦学中心に混戦
ノーシードにも実力校
今春の県大会は例年になく混戦模様だ。昨年の秋季県大会を制したAシード浦和実、Cシードの浦和学院、前回王者の花咲徳栄が優勝争いの中心となりそう。秋季県大会準優勝の西武台、同4強の山村学園のほか、ノーシードから昌平や上尾など実力校が頂点を狙う。
浦和実はU―18(18歳以下)高校日本代表候補の石戸、力のある直球を放る駒木根の両左腕が軸。投手力に定評があるだけに打線の奮起が上位進出の鍵を握る。選抜高校野球大会で打率5割の2番佐々木、9安打6打点の4番三島に注目だ。
浦和学院は昨秋県大会の準々決勝で浦和実に2安打完封負け。一冬かけ強化した打線は、各打者のつながりが増した。1年時に甲子園を経験した2番西田、3番垣内と高打率の2人が出塁し、高校通算30本塁打の主砲藤井が一本でかえしたい。
花咲徳栄は昨夏の全国高校選手権で主力を担った3番田島と、4番に座る佐伯、5番柳のクリーンアップが強力。投手陣は最速145㌔の右の本格派正岡と左横手投げの渡辺が中心となりそう。
終盤の粘り強さが武器の西武台は秋に続き関東大会出場を目指す。エース左腕の加藤爽、最速140㌔右腕の吉良信の2投手が試合をつくる。山村学園はエースで4番の横田を中心に堅実な野球で勝負する。
ノーシードから優勝を狙う昌平は最速140㌔台半ばの長身右腕2人を擁する。193㌢の東川、185㌢の窪田の投球に注目したい。北部地区代表決定戦で昨夏8強の東農大三にコールド勝利した上尾、機動力を磨いた聖望学園も地力が高い。坂戸、川口市立の公立勢の躍進にも期待したい。
浦和実
投手陣の底上げ図る
昨秋覇者の浦和実は、選抜大会で左腕石戸が4試合26回を投げ自責点3。力強い投球が持ち味の左腕駒木根と試合をつくる。田畑部長は「選抜が終わり、いつも通りの練習をしている。ただ、3人目の投手が出てきてくれないと」と今後を見据え、角国、塚田の両右腕をはじめ控え投手陣の底上げに取りかかる。
選抜大会後、初の公式戦の相手は聖望学園。昨秋の県3回戦で3―1と辛勝した相手との再戦に、主将の小野は「目標は優勝。特に意識はしない」と平常心で臨む。
西武台
挑戦者精神 粘り強く
西武台は挑戦者精神で一戦必勝を誓う。昨秋の県大会は準々決勝、準決勝と2戦続けて最終回に勝ち越し、終盤の粘り強さを証明した。河野監督は「まずは初戦突破。短期決戦は初戦の入りが良ければ結果がついてくる」と大会を見据えた。
3月に5泊6日の合宿を行い態勢を整えた。全国強豪校と9試合を行い、結果は1勝7敗1分け。力差を痛感したことで練習の質と量は上がった。主将の金は「自分たちの現在地は分かった。粘り強い野球で関東8強を目指す」と力を込めた。
花咲徳栄
思い切って戦いたい
2連覇を狙う花咲徳栄はノーシードから挑む。東部地区予選は10得点で五回コールド発進。冬の体づくりが実戦で身になりつつある。岩井監督は「一冬越えて体力はできてきた。思い切った野球で春らしく戦ってほしい」と期待を込めた。
県内3冠を遂げた前チームの主力は3番田島の1人のみ。春は練習試合で経験を積み、総合力を高めた。2回戦では前回の決勝カードである昌平との対戦も見込まれる。主将の酒井は「自分たちの野球でどの相手にも全力で臨む」と覚悟を語った。
越谷南
10大会ぶり一戦必勝
越谷南は10大会ぶりの春の県大会に挑む。2年生のエース右腕江沢は力投派。チェンジアップが武器の左腕池田らタイプが異なる投手をそろえる。場面を想定した紅白戦で実戦力を磨き、好機に強い主砲岩崎、遊撃手西間木の堅実な守備は永山監督から信頼が厚い。
地区代表決定戦は春日部東を延長十回タイブレークの末、18―12で制した。母校で指揮を執る永山監督が3年時以来の県大会出場に、主将の行田は「一戦必勝で戦い、監督を勝たせてあげたい」と集中力を切らさず戦う。
=埼玉新聞2025年4月19日付け7面掲載=
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