22日に開幕する春季県高校野球大会の組み合わせ抽選会が19日、上尾市のスポーツ総合センターで行われ、出場50校の対戦相手が決定した。昨秋の県大会で2年ぶり2度目の頂点に立ったAシード昌平は、初戦の2回戦で叡明と顔を合わせる。
昨秋の県大会準優勝でAシード浦和学院は春日部工と対戦。同4強でBシード勢の山村学園が本庄東、東農大三は埼玉平成とぶつかる。このほか同8強のCシード勢は、聖望学園が春日部東と、滑川総合が大宮南―川越東の勝者と、正智深谷が所沢北―市川越の勝者と、西武台が越ケ谷とそれぞれ対戦する。
大会は県営大宮など4球場で実施。順調に日程を消化すれば、5月4日に県営大宮で決勝が行われ、上位2校が春季関東大会(5月20~23、27、28日・神奈川)に出場する。また、16強が今夏の第105回全国高校野球選手権埼玉大会のシード権を獲得する。
県大会は有観客で実施。全試合が有料で一般800円、身分証明書を提示した中高生は200円。引率された少年野球・中学生チーム(引率者・保護者は有料)、障害者(障害者手帳の提示)と介添者1人、小学生以下の入場料は無料。声出し応援も可能となる。
また、今春からタイブレーク制度について、開始イニングを従来の延長十三回から十回に変更。九回終了時点で同点の場合、十回から無死一、二塁の状態で攻撃を開始する。
緊張した面持ちでくじを引く各校の主将たち=19日午後、上尾市のスポーツ総合センター
実力拮抗の群雄 頂点を懸け激戦
昨年の秋季県大会を制したAシード昌平を中心に実力が拮抗(きっこう)。Aシード浦和学院などのシード校に加え、ノーシード花咲徳栄ら実力校も優勝を見据え、激戦の春になりそうだ。
春の県大会で初の王座を狙う昌平は、左腕渡辺俊が絶対的エース。最速140㌔超えの佐藤立、佐藤勇ら両右腕も控える。斎藤、小林、金子、酒井のセンターラインは高い安定感を誇る。
浦和学院は、秋季関東大会に登板した伊藤、田中に加え、渡辺、鈴木由と豊富な投手陣を擁する。打線は出塁率の高い1番小林、長打力のある4番喜屋武が並び、下位打線に入る1年生も侮れない。
山村学園は、昨冬から春にかけレギュラー争いが激化し、スタメン4人が入れ替わった。新メンバーが並ぶ下位打線で走者をため、高野、今岡、横田、田中らの上位に良い形で回したい。
東農大三は、制球力のあるエース金井を中心とした守りが武器。打っては長島、寺山、渡辺、高嶋ら1~4番が小技を効かせたつながりを発揮したい。
昨秋、公立校で唯一8強に名を連ねた滑川総合は、188㌢の長身右腕橋本が軸。聖望学園は、ミート力の高い主将柳が打撃の鍵を握り、飯牟礼監督率いる新体制で挑む。正智深谷はエース河村、木村を主戦に継投で抑え、打っては4番田中で走者をかえす形が理想。西武台は、2年エース大竹と2番手大山の二枚看板が踏ん張り、徹底した守備から勝利を呼び寄せたい。
投手9人を擁するノーシードの花咲徳栄は、最速140㌔超のエース木田らが試合をつくり、巻き返しを図る。
昌平
秋に続き春も制覇へ
昨秋優勝の昌平の黒坂監督は「負けていい試合はない。勝ちにいく」と春も頂点を狙う。投手陣は、制球力があるエースの左腕渡辺俊に、140㌔台の直球を持つ佐藤勇と佐藤立の両右腕と豊富な布陣がそろう。
打線は、4月のU18(18歳以下)高校日本代表候補合宿に参加した捕手斎藤が4番に座り、俊足の平野や長打力がある山根が一冬で成長し、打力に厚みが増した。主将の斎藤は「(秋春夏の県大会)完全制覇を狙っている。どんな相手でも勝つ」と気合十分だ。
浦和学院
冬越えてついた自信
前回王者の浦和学院は、秋からメンバーを大幅に変更した。1番喜屋武を4番に、二塁手篠塚を捕手に転向し、投手鈴木由ら2年生が台頭。主将の江口は「監督、部長らスタッフと一緒にチームを底上げした」と話す。
3月の練習試合では、選抜大会優勝の山梨学院に9―4、同4強の大阪桐蔭に4―0で勝利するなど投打ともに力を付けた。江口は「選抜に出た強豪校と勝ったり、負けたりして自分たちに自信が付いた。目の前の試合を大事にするだけ」と力を込めた。
深谷商業
12年ぶりの県大会出場を果たした深谷商は、初戦で上尾とぶつかる。地区大会では身長187㌢、体重98㌔のエース鈴木を中心に1回戦で本庄第一を破り、代表決定戦では熊谷工に競り勝った。
2018年には部員が3人まで減り、今冬は部員11人で守備を磨き続けた。主将の鈴木は「他の学校より練習を多く回せる。試合にもたくさん出られた」と少人数だからこそ積めた経験を自信に変える。「勝つのはもちろん、たくさんの人に試合を見てもらいたい」と少数精鋭で県大会に挑む。
=埼玉新聞2023年4月20日付け7面掲載=
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