女子200㍍ イレチュク(大宮東)制す
男子走り高跳び 中村(昌平)初優勝
(第3日、12日・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
男女計12種目の決勝などを行い、女子200㍍はイレチュクアマカミラ(大宮東)が24秒95を記録し、同400㍍と合わせて2冠を達成した。
男子走り高跳びは中村楓馬(昌平)が2㍍05で初優勝。同5000㍍は松井海斗(埼玉栄)が14分20秒70をマークし、女子走り幅跳びでは池上瑠依(埼玉栄)が5㍍89でそれぞれ初のタイトルを獲得した。
各種目とも上位6位(競歩は5位、混成と女子の棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位)までが北関東陸上(6月16~19日・山梨)に出場する。
課題意識し自己新
女子200㍍決勝 24秒95を記録し、同400㍍と合わせて2冠を達成した大宮東のイレチュクアマカミラ(中央)
大宮東の2年生・イレチュクアマカミラが、女子200㍍で自己ベストの24秒95を記録し、同400㍍と合わせて2冠を達成した。「普段は緊張しないタイプだけど、(大宮東の)先輩たちに負けないようにと考えたら緊張した」とレースを振り返った。
200㍍では、「腰がつぶれる癖があって次の脚が遅く出てくるのが課題だから、体の動きを意識した」。苦手にする前半100㍍は、女子100㍍で優勝した三島(国際学院)と西村(伊奈学園)に付いていく走りで後半勝負に懸けた。カーブを曲がり終えて直線に入り、「焦ったけど自分の動きを意識した」とピッチを上げ、前の2人を抜いてゴールを切った。
昨年の女子200㍍、400㍍は2学年上の山内そよが制覇。イレチュクにとって山内は、大宮東に入学するきっかけの一つであるほど憧れの先輩。同じ2冠を手にしてイレチュクは「山内先輩を目指して2冠することができた。先輩を追いかけたから成長できた」。憧れの存在に近づくため、北関東でも躍動するつもりだ。
メンタル強化 3本目決める
男子走り高跳びは、昌平の3年生・中村が2㍍05の自己ベストで初の栄冠に輝いた。1年生の時に2㍍00を記録したが、その後更新することができずにいた。「メンタルが弱い」と2年生から日記をつけ始め、自分がやるべきことを書き出すなど見つめ直した。
すると、「先に跳ばれると気持ち的に落ち込んだけど、楽しむようになった」と変化を実感。今大会は2㍍02を1本目で成功し、2㍍05では2本連続で失敗するが「高いのに挑戦するのが怖くなかった」と3本目で優勝を決めた。
力ためスパート
男子5000㍍で初優勝の松井海斗(埼玉栄)
本調子ではなかった。後ろから集団に入って2000㍍過ぎから体がフレッシュになった。1位にならないと情けないからスパートをかけるために残り400㍍で一度先頭を譲って力をためた。
最後の刻みはまる
女子走り幅跳びで初優勝の池上瑠依(埼玉栄)
U20(20歳以下)日本選手権の記録を突破したく自己ベストを出せてよかった。助走は良くなかったけど最後の刻みがはまった。北関東で優勝し、インターハイでは親にメダルをかけてあげたい。
男子1600㍍リレー 春日部東が制覇
女子三段跳び 田口(国際学院)県高校新V
(最終日、13日・熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)
男女計11種目の決勝などを行い、女子三段跳びは田口侑楽(国際学院)が12㍍81で大会新とともに県高校記録を更新し、初優勝した。男子1600㍍リレーは春日部東(小笠原、加藤、渋谷、村山)が3分20秒79で栄冠に輝いた。
男子110㍍障害は堀井永遠(昌平)が14秒82で制し、同3000㍍障害は若林隼杜(花咲徳栄)が9分14秒08で、それぞれ初のタイトルを獲得した。女子3000㍍は小泉咲菜(本庄東)が9分39秒00で初の頂点に立ち、同1500㍍と合わせて2冠を達成した。
各種目とも上位6位(競歩は5位、混成と女子の棒高跳び、三段跳び、ハンマー投げは4位)までが北関東陸上(6月16~19日・山梨)に出場する。
紙一重の接戦制す
男子1600㍍リレー決勝 3分20秒79で制した春日部東の3走渋谷(左)からアンカー村山(中央)にバトンが渡る
男子1600㍍リレーは春日部東が3分20秒79で栄冠に輝いた。3走渋谷は「うれしすぎて涙が止まらない」とメンバーと喜びを分かち合った。
2位昌平とは0秒17差という紙一重の接戦を制した。1走小笠原が「雨で気温が下がって風が吹いているけど、気にせず全力でやる」と2位でバトンパス。続く2走加藤は「後ろから速いのがやってくるのが分かっているけど、1位でつなぐつもりで走った」と先頭の背中を追った。すると3走渋谷は「1人ではない。4人で一つだから自分の最大限の役割を果たすだけ」。残り100㍍で昌平と並び、僅差で先にアンカー村山に託した。
前日の男子400㍍障害決勝で転倒し、右手首を捻挫した状態で臨んだ村山は「握るだけでも痛いけど、仲間がつないでくれたバトンだから勝ちたかった」と首位を譲らずに逃げ切った。
昨年は北関東7位で惜しくもインターハイ出場権を獲得できなかった。昨年もリレーメンバーだった村山は「今年こそは仲間と一緒に乗り越えたい」と雪辱を果たすつもりだ。
冷静に走り優勝 自己ベスト更新
男子110㍍障害・堀井
男子110㍍障害は、昌平の堀井が14秒82の自己ベストで初優勝を飾った。「(緒方に)準決勝では勝っていたから焦らずに走った」。序盤は隣のレーンで走る緒方(伊奈学園)に先頭を譲っていたが、8台目で首位に立った。
「脚を早く下ろすことにこだわった」と勢いを落とさずにゴール。現在高校2年生で、3年生までに13秒台を目指す。「最後の10台目に当たってしまうのが課題。北関東では課題を意識してインターハイ出場につなげたい」と意気込んだ。
2冠達成を自信に
女子3000㍍で初優勝し、同1500㍍との2冠を達成した小泉咲菜(本庄東)
課題はあるけれど、2冠して北関東に出場できるのは自信になる。スローペースになって自信を持てずにいたけど、自分で前に出て引っ張れたのは収穫。
自ら引っ張りたい
男子3000㍍障害で初優勝した若林隼杜(花咲徳栄)
最初は落ち着いて入って、後から追い付ける自信があったから残り1000㍍でスパートをかけた。自分で引っ張れる選手になれるようにどんな展開でも勝ちたい。
歴史塗り替える跳躍
女子三段跳びで12㍍81の県高校新を樹立した国際学院の田口侑楽
埼玉高校陸上の歴史を塗り替えた。国際学院の田口が女子三段跳びで12㍍81を記録し、大会新と県高校新を樹立した。「自己ベストが12㍍60。20㌢上げないといけないのは無謀だと思っていた」と跳躍を振り返った。
三段跳びは上位8人に残れば、トータル6本跳躍することができる。だが、田口は同1600㍍リレーに出場するため、挑戦するのは3本のみと決めていた。「限られた中で記録を出す」とテーマを設定し、最大限の力を発揮した。
まず1本目。「スピードはなかったけど、ステップが軽くて記録を狙える感触があった」と12㍍37で大会新を出した。2本目で12㍍32をマークすると、3本目に好記録が生まれた。「1、2本目の記録を考えずに、一歩一歩ためができていたから勢いでいった」。自身も納得の跳躍で12㍍81を出し、歴史に名を刻んだ。
競技後、自身の記録に驚きが収まらない田口は「届かないと思っていたけど、北関東、インターハイに向けていいイメージができた」と大舞台に向けて大きな弾みとする。
=埼玉新聞2023年5月13日付け6面、14日付11面掲載=
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