第3日第3試合 津田学園(三重)と初戦
第107回全国高校野球選手権大会は5日、甲子園球場で開幕する。初出場の叡明は大会第3日(7日)、第3試合の1回戦で6年ぶり3度目出場の津田学園(三重)と対戦する(午後4時15分開始予定)。
Aシードとして臨んだ埼玉大会は準々決勝までの5試合でコールド勝ち。山村学園との準決勝は延長十一回タイブレークの接戦をものにした。昌平との決勝は増渕、田口の継投で2失点。切れ目ない打線で5得点を奪い、会心の勝利を収めた。
2019年8月に就任した中村監督にとって甲子園での采配は初。発足当初は「歴代最弱」とも言われた現チーム。集大成の夏に成長を示し、全員野球で聖地に乗り込む。
選手視点で指導に工夫
中村 要 監督
これまで埼玉の強豪・浦和学院の打撃コーチとして春夏6度の甲子園を経験した。「根底には森士(浦和学院前監督)野球がある。叡明の選手に合わせたアプローチの仕方を工夫してきた」。就任6年目の夏、試行錯誤の日々が結実した。
叡明野球の象徴はベンチ・スタンドの一体感。それは日々の練習の中で地道に築かれてきた。67人の野球部員は全員が同じ練習で汗を流す。「チームの結束は大切。みな平等だし、みな練習できる。そこを崩してはいけない」と話した。
現役時代は足立学園高(東京)、立正大、日本通運で主に外野手として活躍。立正大時代は1学年上のエース西口文也(現埼玉西武監督)を4番打者として支えた。「現役時代に野球を理論的に考えることはあまりなかった。もっとこうすれば良かったということを選手たちに伝えたい」と自身の経験を還元する。
7月27日、昌平との決勝に勝利すると選手たちの手で宙に舞った。「夢のようです」という短い言葉にこみ上げる思いが詰まっていた。数々の歴史を塗り替えてたどり着いた聖地・甲子園。全員野球を武器に、監督として初の大舞台に挑む。
投手
両右腕 際立つ安定感
最大の武器は増渕、田口の両右腕。2人を中心とした埼玉大会でのチーム防御率は0・98と安定感が際立った。最速138㌔のエース増渕は準決勝まで4試合18イニング無失点。決勝は8回2失点と試合をつくり、勝利の立役者となった。
最速142㌔の田口は本職が遊撃手ながら1年夏から登板経験を持つ。埼玉大会は22回を投げて四死球3、19奪三振と圧巻の内容だった。決勝では3点リードの最終回に登板するなどチーム内での信頼は絶大。2年右腕鈴木隆にも期待したい。
攻撃
役割徹底 点から線へ
チーム打率は3割4分6厘。先発野手は6人が打率3割を超え、つなぐ野球でどこからでも得点が狙える。7試合9盗塁と足を絡めた攻撃はやや控えめながら、盗塁成功率は10割。50㍍6秒2の1番根本を中心に、そつのない攻撃が魅力だ。
出塁率5割超えのチャンスメーカー根本が出れば、田口、赤城、笘の中軸が確実に得点を挙げる。6番高野は7犠打と小技でつなぎ、8番に勝負強い細沼が控える。チーム最多の10打点は2番青木が記録。各打者が役割に徹し、打線に切れ目がない。
守備
光る連係 隙を与えず
7試合で5失策と投手陣を中心に堅実に守る。増渕、田口の両右腕は打球処理の精度が高い。扇の要青木は2年ながら巧みなリードと強肩で投手陣をけん引。埼玉大会では4度の盗塁阻止。相手に許した盗塁はわずか1と隙を与えなかった。
内野陣は連係の良さが目を引く。3回戦、準決勝は序盤の失策で先制点を与えただけに試合の入り方が鍵となりそう。外野陣はベンチと連動し打者ごとに守備位置を変更。中堅手根本を中心に柔軟に対応し、幅広い守備範囲で失点の芽を摘む。
=埼玉新聞2025年8月5日付け 企画特集=
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学校の特徴~学校からのメッセージ2025~
2015年に校名を「叡明高等学校」に変更し、校舎を越谷レイクタウンへ移し、男女共学校として生まれ変わりました。地域連携では毎年越谷市の阿波踊りに参加したり、「自主自立」を掲げる校風のもと、生徒自身が各種行事へ参画し、企画運営を行ったりと、校内は常に活気に溢れています。
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